[フラワーガーデン]
 石川門に向かって右側の石垣下は、今は和風庭園になっているが、以前はフラワーガーデンといって小さな洋風庭園だった。ブロンズの女性像が立っていて、細長い長方形の池と花壇があり、春にはチューリップが咲き揃って美しかった。
 金網で囲った小屋もあって、リスを飼っていた。リスは始終尻尾を立てて小屋の中を駆け回っていた。近くに寄ると動物の匂いがした。
 小学生の時、私は友達と、ゴム動力でスクリューを回す木の小船を作ってみた。
木の板を苦労して鋸で流線型に切り、余った木を船橋や煙突にして打ち付け、水彩絵の具で赤や黄の色もつけた。長さ三十センチの大作になったが、これだけ大きいと走らせる所がない。そこで思いついたのが近くのフラワーガーデンの池だった。
 早速持って行き、ゴムを一杯に巻き上げ、水に浮かべてみた。
 船は勢いよく走り出した。細長い池なので距離は十分にあった。
 春の頃だったので水は温かかった。私達は何度もゴムを巻いては走らせ、散々楽しんでから、船を抱え満足して家に帰った。
 あの洋風庭園も今は無い。今にフラワーガーデンのことを覚えている人もいなくなる。









フラワーガーデンのあった所
奥に少し見えるのが石川門

手前は前田利家の像で、
以前はありませんでした。

写真はAtsuさんのHPよりお借りしました。
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/flow/menu.htm


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