元町メモリアルストリート また少し気取った心で この町に風が吹く
眩しすぎる季節の中 元町→そんなときめきの通り
見慣れた外国人墓地(がいじんぼち)の 空が青い日曜日
港町のざわめきを すべてすべて呑み込め
元町メモリアルストリート おまえとの愛の記念の通り
山下公園から眺める海は おまえの瞳のように
そして心のぬくもり感じてる 元町→そんな触れ合いの通り
今小さな恋が始まる 山の手颪(おろし)の春風が
本牧あたりを散歩して おまえの笑顔を運んでくれた
元町メモリアルストリート おまえとの愛の記念の通り
この恋の行く先を白い船に 尋ねてみたら
汽笛が三つ 幸福行き マリンタワーが見下ろして
元町メモリアルストリート おまえとの愛の記念の通り
元町メモリアルストリート 二人だけのポートタウン | 清里便り 初めてここへ来たのは 君と出会う前
そして今度は君を忘れるための一人旅
あの時は見えなかった八ケ岳が今日はとても
きれいに見えているそんな朝です もうすぐ冬の便り聞かれる頃です
町を一人歩けば 突き刺さる木枯らし
清泉寮に続く道 いつか来た道
今朝雪が降りました ほんの少しだけど降りました
僕の心の中に染み透るように 雪が降りました 初雪の便り
大きな自然の中に 心溶け込めば
ささいなことで悩んでた自分が小さく見える
【ミルク】に一つ置いてある《おもいでのおと》ペンを執り
「今日は一人で来たけれど この次までにはきっと……」
「今日は一人で来たけれど この次までにはきっと……」
「この次までにはきっと……」 |
Minnie Mouse 午後一時 春も間近な昼下がり 約束は壊れて消えて
赤いレンガのこの喫茶店(みせ)の ガラス窓際の席に冷めたコーヒー
涙につまって電話の声 おまえの謝る姿が見える
もう何も言わなくてもいい 隣にあいつがいるんだろ
【Minnie Mouse】午後一時 ← すべてが終わりを告げた
京阪(でんしゃ)が走る三条通り まだ冷たい風吹きぬける
《比叡山[ヤマ]》を遥かに眺めれば 優しすぎるこの京(まち)の
《鴨川[カワ]》のほとり腕組み歩くおまえとあいつの姿がある
俺の入るところなどないってことは分かったよ
それならそうだと言えばいい 傷ついて泣くのは一人じゃない
【Minnie Mouse】午後一時 → 何かが始まっていた
この町に市電がいなくなり ずいぶんたった頃のこと
【Minnie Mouse】午後一時 ⇔ 出会いと別れが
二人歩いていく後ろ姿 三条通りを消えていく
二人歩いていく後ろ姿 三条通りを消えていく | 春の雨 【虎丘(とらのおかやま)】に降る雨の色 古人(いにしへびと)の血に緋(あか)く
お下げの髪を濡らす雫(しずく)に 気がつけば私の涙
【剣池(つるぎのいけ)】に身を映し 遷り往く時を恨んでも
【姑蘇[古都(こと)]】の静けさ身に染みる許(ばか)り 何もかもが溜め息
春の雨 僅(わず)かに通り 其の中に幽(かす)かに今
聞こえる唄声 雨も過ぎれば 辺りは朧月夜
月も落ちやがて烏啼(な)き 朝の霜天(そら)に満ちたならば
漁火(いさりび)消えて今一つ聞こえる【寒山寺(てら)】の鐘の声虚しく
白い石の並ぶ【獅子林[庭先(にわさき)]】の池の中に広がる水模様
まるで私を悲しませるかの様に 見上げれば時鳥(ほととぎす)
春の雨 空を濡らし乍(なが)ら 【北寺塔(ほくじのとう)】高く聳(そび)え
古人(いにしへびと)の愛の物語 他人事(ひとごと)とは思えずに
春の雨 竹藪を過ぎ 静けさを破るかの様に
舟人達の笑い声が聞こえて 亦自分に戻り |
陽ざしの中で ねえ お願いだから そんなに黙らないで
夏の陽ざしの中 笑っておくれ
そんなに沈んでいると いつもの君らしくないよ
何か悩みごとがあるのなら 僕に打ち明けてくれ
夏の光は二人のために 君の瞳とても光ってるよ
いつもの君のように笑っておくれよ 陽気にはしゃぎまわる君が好きなんだよ
夏の光は二人のために 君の瞳とても光っているよ
いつもの君のように笑っておくれよ 陽気にはしゃぎまわる君が好きなんだよ
陽気にはしゃぎまわる君は陽ざしの中で | 小田急沿線 あなた 今でも覚えてる? 下北沢の駅で
いつも二人で待ち合わせしたこと
二人でお茶を飲んだ店 そしてあなたの
下宿の窓のすぐ下には小田急線走ってた
風の噂に聞いたけど あなたもうあそこには住んでいないんだってね
二度と行くこともない部屋だけど
失恋って愛を失くすこと そうではなくて
はじめから愛はなかったと気付くこと
そんなこといつか聞いたけど でも違うよね
あの頃は確かに愛し合ってた ねえ そうだよね
二人とも真剣だった せめてそう思いたい
きっと確かにそうだよね ねえ あなた
経堂 豪徳寺 梅ヶ丘 思い出の町
風の噂に聞いたけど あなたもうあそこには住んでいないんだってね
二度と行くこともない町だけど |
倭文の苧環 白糸や 倭文(しづ)の苧環(をだまき) いとし白糸
舞殿(まいどの)の紅(べに)の格子に木魂する声
嗚呼 中世(むかし)の恋人達 今は誰もいない
太鼓橋 一度渡って二度三度
鳩追って はしゃぎ回って笑っている声
嗚呼 現代(いま)の恋人達 石段の下の風景
龍胆(りんだう)の濃き紫 秋の野の露にかも似む
お前の横顔輝いてそれを 胸ときめかせ見つめてる俺
この場所で[悲恋(こい)]に泣いていた女がいた そう 遠い昔…昔―
[静御前(しづか)]には見えない ここに群がる《恋人達[avec(アヴェック)]》を
現代(いま)は誰も知らない この場所で恋に泣いてた女(ひと)を……
しづやしづ 賤(しづ)のをだまき 繰り返し
恋人達が手をとって家路を急ぐ声
嗚呼 昔も今も変はらぬ 八幡宮の段葛(だんかづら) | Sunshine SHONAN 吹き過ぎる風も蒼く感じる 鎌倉七里ガ浜 Sunshine SHONAN
波の音も聞こえるような そんな白い壁の店
忘れてないよ 夏だったね 水しぶきあげてはしゃいでた
サンオイル匂い嗅げばふと甦る 遠い夏休み
サーファーたちと入れ替わりに 濡れた髪の毛そのままに
[Ice Tea]ストロー二本揺れてた
二人でお茶を飲んだ店
忘れてないよ 宵闇の渚で交わした口づけを
ただ波と空だけが見つめていた 遠い愛の日々
忘れてないよ 夏だったね 水しぶきあげてはしゃいでた
サンオイル匂い嗅げばふと甦る 遠い愛の日々 |
湘南 Beach Girl 海の唄を唄いたいそんな夜は 波の音も茅ヶ崎あたり
瞼閉じれば江の島が見えて おいらの家もこの近く
湘南 逢いたい恋人に いつでも感じていたい
互いの身を寄せ合いながら 湘南 Beach Girl
Oh, Lovely Lovely you
潮の香りの中で眠りたい夜は 水平線の夢を見て
君と二人 何も語らなくていい 波の数を数えていたい
湘南 渚で口づけを交わして瞳からませ
いつでも夢を見ながら 湘南 Beach Girl
Oh, Lovely Lovely you
湘南 逢いたい恋人に いつでも感じていたい
互いの身を寄せ合いながら 湘南 Beach Girl
Oh, Lovely Lovely you |
シノビリカ 汽笛が三つ聞こえたなら 「サヨナラ」の朝が来る 白い霧の町
カーテン開けて窓から眺(みつ)める街は粉雪 遠くに船の灯り
一つまた一つ静かに消えて 二人の恋も一つ
消えてゆくようで 何も言わずただ抱きしめて……
二人の足跡を雪がかき消して 二人の想い出も消えてしまう
白い時計台 鐘が鳴ったら 一人と一人背を向けいつもの
それぞれの道だけを歩いていく
「さようなら」は言わないよ 寂しくなるから
飲みかけのワイングラス そのままにして…… |
初 雪 本当に月日が経つのは早いもので 冷たい町に吹く木枯らし
「寒い」とぽつんと君が呟(つぶや)く
何もしてあげられない自分が歯痒(はがゆ)い
君の言葉の一つ一つが凍って終(しま)わない様(よう)に
僕の胸の中で温めるのが屹度(きっと)精一杯
君は何時(いつ)と無くはしゃぎ回る 僕の気持ちを知ってる癖に
その唇からは止めもなく
言葉の列が流れ出て足元に落ちる
たった一時の儚(はかな)い夢 消えて終わない様に
願い続けてもう幾年 屹度此れからも
コートの襟立て震えて こんなに寒いから
もしかしたらなんて思い乍(なが)ら 見上げる空に
……初雪 | いちご畑の詩 さあ 歌を唄おう 愛した人のため
心をこめて今唄おう いちご畑の詩を
僕らのいちご畑 心をこめて作ったのに
僕らの愛した人が銃弾に倒れた日
みんな枯れてしまった
何をしてやればよかったのか まだできることがあったのか
だけどいちごは枯れてしまって 残ったのは石ころだけ
しらけきった世代を吹き過ぎる風のように
最期の口づけ交わしながら 一言だけつぶやこう
最期の口づけ交わしながら いちご畑よ永遠に |
挽 歌 作詞=柿本人麻呂 天(あま)飛ぶや軽(かる)の道は 吾妹子(わぎもこ)が里にしあれば
ねもころに見まく欲しけど やまず行かば人目を多み
数多(まね)く行かば人知りぬべみ さね葛 後も逢はむと 大船の思ひ頼みて
玉かぎる岩垣淵(いはがきぶち)の隠(こも)りのみ恋ひつつあるに
渡る日の暮れぬるがごと 照る月の雲隠るごと
沖つ藻の靡(なび)きし妹(いも)は 黄葉(もみぢば)の過ぎて去(い)にきと
玉梓(たまづさ)の使(つかひ)の言へば 梓弓
音に聞きて言はむすべ 為(せ)むすべ知らに
音のみを聞きてありえねば 我が恋ふる千重の一重も
慰もる心もありやと
吾妹子(わぎもこ)がやまず出で見し 軽の市に我が立ち聞けば
玉たすき畝傍(うねび)の山に 鳴く鳥の声も聞こえず
玉桙(たまぼこ)の道行く人も ひとりだに似てし行かねば
すべをなみ妹(いも)が名呼びて 袖ぞ振りつる
秋山の 黄葉(もみぢ)を茂み迷ひぬる 妹(いも)を求めむ山道(やまぢ)知らずも | たばこケースの向こう側 あたしがたばこを吸い始めたのは たばこが好きになった訳(わけ)じゃない
好奇心とかそんなものでもなくて ただあんたの匂いがほしかっただけ
だってあの日泣いて泣いて泣いて泣いてそして あんたとサヨナラしたあたし
今のあたし ほら 変わったでしょう? 今ではお化粧もしてるのよ
あの頃のあたしとは違うのよ ほら こんなにみんな可愛がってくれる
だけどとてもとてもとてもとても寂しい あんたがいなくなってから
あの頃あんなにたばこ 嫌いだったのに あんたにもあんなにしてやめさせてたのに
今はあたしがくゆらせてるなんておかしいね たばこなんてただ苦いだけ
だけどきっとこれがこれがこれがあんたの あんたの匂いなんだ |
鳥 迫りくるような宵闇の中で 今 鳥になって飛び立つ
世間の風も冷たい壁も羽ばたく力で消して
二人が今ここに飛び立つのなら たとえ翼比(つら)ねてなくても
幾重にも重なる鳥たちの中 あくまでも孤独な二人
嗚呼 だけど空にいるのは あれはみんな雲ばかり
どこにもどこにも鳥なんていない
限りなく蒼い夕暮れの中で 限りなく白い僕たち
今はただ何も欲しくはないけど おまえの縋(すが)る腕が宝物
空を飛べることを知った時から 二人の旅は始まり
そして今ここに続いているのは きっと何かに牽(ひ)かれて
嗚呼 だけど空にいるのは あれはみんな雲ばかり
どこにもどこにも鳥なんていない
嗚呼 だけど空にいるのは あれはみんな雲ばかり
どこにもどこにも鳥なんていない | 愛の遺跡 「この踏切の向こうに君がいる」 そんな幻想(まぼろし)見ながら歩いてる
この角を左に曲がったら 懐かしい君の家に続くあの線路沿いの道
京成電車が走り去り 動き出す車の群れも
昔のままに変わってないのに
緑色の制服似合っていたお下げ髪の君はもういない
君と二人待ち合わせた [京成船橋(えき)]の改札口やあの喫茶店
たしか【ナイル】といったっけ 君から別れの言葉を聞いたあのお店
一つ一つがみんな君との愛の遺跡
あの日のほんの一言が君を僕から奪って今は
僕は一人 この町を歩いている
もう二度と会いたくない 会いたくなんかない君だけど
今もまぶたの裏に焼き付いて離れない
あれからもうすぐ三年がたとうとしているけれど |