K'様作


 はじめに

 

 なのは:このお話は、わたしとくーちゃんがあの草原でクロノ君とリンディさんの二人と、また会う為のお別れをしてから、すこしたった頃のお話…。

 久 遠:おはなし…です

 なのは:くーちゃんが住んでるさざなみ寮の管理人さんの耕介さんと

 久 遠:こうすけ…

 なのは:那美さんのおねーさんの薫さんが

 久 遠:こうすけとかおる…らぶらぶ…

 なのは:そんなお話です。

 久 遠:なのは…。きょうやとなみは…?

 なのは:えーっと。おにーちゃんと那美さんは……

 久 遠:わからない…の?

 なのは:と、とりあえずそんなお話です。

 久 遠:……です。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 耕介‘s EYE

                 〜四十五時間前〜

 

 

―――で、俺は一体何をやってるんだろう…―――

俺は一人星空を見上げて考える。

―――真雪さんをとめることが出来なかったばかりか、悪事の片棒を担ぐ羽目になるとは…―――

「はぁ…」

 考えがどんどん鬱になっていくのを感じて俺はため息をつく。

 「ん?耕介、どうしたの?」

 俺のため息に気が付いたのか、隣に居たリスティが声をかける、

 「いや、なんでもない…気にせず続けてくれ…」

 そう言いながら、俺はリスティを見やる、

 彼女は今、空飛ぶ盗撮カメラ・・・モスキートと言うらしい・・・を操作するために、精神感応を高める為の黒いスーツ、まるで全身タイツのような物を着用していた、一方の俺はというと森林迷彩服に同じ仕様のヘルメット、そしてその上からカモフラージュ用のネットを被り草木とわからないようにしてあり、なおかつ御丁寧に体の輪郭すら隠してある、おまけに顔にはなんだかよく判らないが、黒い塗料をべったりと塗りつけられていた。

 真雪さん曰くゲイリー・スーツというやつらしい。

 「はぁ…」

 改めて自分の格好を見直して、俺は再度溜息をつく、

 「また…耕介、なにか悩みでもあるの?

 さっきから溜息ばっかりじゃないか」

 二回目の溜息を聞きつけて、リスティは再度俺に振り返る、

 「いや、もうすぐ30にもなろう男が何が悲しくて、こんな所でこんな格好してこんな事をしてるんだろうと考えたら、すこしな…」

 俺は、正直に自分の本音を話す、

 「まぁ…真雪には誰も敵わないよ。大人しく従った方が身の為だね」

 「やけに悟った言い方をするんだな」

 すると、リスティは肩をすくませて、

 「ボクもここに来てから長いからね…。

 まぁ…慣れた」

 ―――リスティがここに来てもう7年くらいか―――

 そう考えて、俺はリスティに目をやる。

 当事は生年の様だったほっそりとした体躯の面影はなく、今では女性らしい、いやその中でもトップクラスのプロポーションを身につけている。

 ―――しかし…この格好は目のやり場に困るな…―――

そう考えながらも俺はリスティから目を離すことができなかった…

 「耕介…さっきからボクを見る目つきになにか邪なものを感じるのは気のせいかな?」

 いきなりのリスティも言葉に俺は、

 「な、な、な、何を言ってるんだ!お、お、俺はそんな目つきなんてしてないぞ」

 平静を装いながらも俺は動揺をしていた、

 「ふーん…まぁいいけどね、ボクは耕介がどんな性癖を持っていたとしても態度を変えるような事はしないから、安心してよ」

 などと言いながら、脇に置いてあった煙草を咥えて火を点ける、

 ―――すっかり誤解されてないか?俺…―――

 PiPiPiPiPiPiPi・・・・・・・・・・・・・

などと考えていると、先ほど真雪さんと合わせておいた時計のアラームが作戦開始を告げる…

「さて、作戦開始だ…始めようか、耕介」

そう言ってリスティはゆっくりと目を閉じ、俺はヘッドマウント型のバイザーを降ろす。

「………リンク…開始……

…各システム…スタンバイ…

…オートチェック…クリアー…」

俺の横で金色の光が漏れる…バイザーのおかげで確認することはできないが、リスティが自分のフィンを展開させているのが感覚的にわかる。

「…コンディション…オールグリーン………

 …モスキート……起動…」

リスティがモスキートの起動を告げると同時に俺のバイザーは周囲の景色…モスキートの視界…が広がる。

『どう、驚いた耕介?』

ふと俺の脳に直接声が響く、

「あ、ああ…良く出来た………ムグゥッ」

最後まで話しきる前に、俺の唇にリスティの指が押し付けられる…

『ストップ…耕介、こんな所で声を上げて話してたら見つかるだろ』

再び頭に声が響く。バイザーのせいでその顔を見ることは出来ないが、その雰囲気に俺は思わず頷く。

『OK…耕介、ボクの声は聞こえるかい?』

俺は再度頷く、

『いま、ボクと耕介はモスキートをリンクして意識を共有してるんだ。

つまり…モスキートのカメラやその集音マイクが拾ったデータは直接ボクと耕介に転送されるってわけさ。

後はモスキートを経由してボクの考えを耕介に直接送り込むことが出来るし、その逆も出来るんだ…ほら、こんな風に…』

そう言ってリスティは笑う。

―――こちらで考えたことは直接リスティに送られるのか…迂闊な事は考えられないな…―――

『大丈夫…耕介が伝えたくないと考えれば、それはボクには伝わらないから…』

こっちの考えが直接伝わっていたらしく、俺の考えに答えるように、リスティの声が響く…

『もっとも…耕介がボクに隠し事をしなきゃならない程ふしだらな事を考えてるって事の方が問題なんだけどね…』

笑いながらそう伝えてくる、

―――お、俺は…そ、そんなふしだらな事を考えたりはしない!!……多分―――

『……多分って辺りが哀しいね…耕介……』

リスティの冷静なツッコミに俺は目幅の涙を流して沈黙した。

 

 

 

うっすらと湯気のかかった浴室内にカメラは移動する、それと同時に俺の視界は浴室の洗い場で体を洗う二人の姿を発見する、

―――いた…リスティ…入浴中の薫達を撮ったらさっさと撤収しよう―――

と、俺はリスティに提案をするが、

『耕介…まだ来たばかりじゃないか、それに折角こんな良いものを用意したんだ、その性能を活かさないと製作してくれた忍に申し訳が立たないだろ?

それじゃ…まずは薫のほうから行ってみようか』

そう言って、リスティはカメラを操作し薫(中身は那美ちゃん)の前に移動させる。

当然自分の目の前には薫の裸体が大写しになる、

見ると、薫は自分の身体を洗い終わり、シャワーで泡を洗い落とす…

手で体についた泡を落とすときに薫の手が胸元に伸びた時に動きが止まり、しばらくその大きさを確認するように胸に手を当て、溜息をつく…

―――どうしたんだ?胸元に手を当てたまま固まって…―――

『マイクの感度を上げてみようか…まぁ大体想像はつくけどね』

リスティがそう呟くと同時に俺の耳にマイクが拾ったであろう音声が耳に入る、

【はぁ…薫ちゃんやっぱり胸が大きいなぁ…】

―――は?胸の大きさ?―――

そう呟きながらも、その手を胸から外そうとせずに只々その大きさを確かめるように下から持ち上げてみたり、手の平で包み込むように手を動かし、

【いくら血が繋がってないとはいえ、栄養状態は一緒のはずなのに…はぁ…】

と落胆したように大きな溜息をつく。

【ん?どげんした那美?】

その溜息を聞きつけ那美ちゃん(中身は薫)が声を掛ける、

【あ、ああ。べ、べ、別にた、大したことじゃないの。き、気にしないで薫ちゃん】

そう言って薫は慌てて手を離して答える、

【ふーん…なら良かけど…】

その答えに納得したのか、それ以上の追及はないようだった。

シャワーで泡を流す作業に戻るが、その視線はたわわに実った二つのバストから外されなかった。

『胸の大きさに悩むとは初々しいねぇ…っとそれじゃ次は那美のほうだ』

そう呟いてカメラを操作すると、俺の前に那美ちゃん(中身は薫)の裸体がが大写しになる。

【♪〜〜♪♪〜〜〜〜〜♪〜〜】

鼻歌を歌いながら那美ちゃんは自分の身体についた石鹸の泡を流し落とす。

【…………………………………………………………】

自分の身体を流れ落ちていく泡を見つめながらふとその鼻歌が止まる、そしておもむろに自分の二の腕を指で軽く押してからすぐに離す。

ポヨンッ

という擬音が聞こえてきそうなほど勢い良く弾力をもってその肌は元に戻る、それをじっと眺めた後に、

【……やっぱり若いってのはよかね……肌の張りが全然違う…】

と呟いて苦笑しながら自分の二の腕をつまむ、

【体つきも柔らかくて、まるでつきたての餅みたい…はぁ…】

独り言の様に呟くと、自重気味に溜息をつく、

【どうかしたの薫ちゃん?なんか元気が無いみたいだけど…】

その様子が目に付いたのか薫(中身は那美ちゃん)が声を掛ける、

【な、なんでんなかよ…それよりも那美…頭にまだ石鹸がついちょる…】

そう言いながら、薫に近づき頭からシャワーを掛ける…しかしその視線は水滴が流れ落ちる自分の身体に釘付けだった。

【あ、ありがとう薫ちゃん…】

薫のシャワーにお礼を言いながらもその視線は自分の目の前に揺れるバストに釘付けされていた。

【…………………………………………………………】

【…………………………………………………………】

【…………………………………………………………!!】

【…………………………………………………………!!】

お互いがお互いの身体を見ていることに気が付いた二人はふと視線を合わせる、絡み合う視線そしてお互いの身体を見合うと…

【【はぁ〜…】】

とお互いがお互いに只々深いため息をついたのだった…。

 

 

 

 【さて、那美…そろそろ上がらんね】

 と薫が声を掛ける、

 【うん…上がろうか薫ちゃん…ってきゃあぁぁ!】

 その問い掛けに答えるかのように那美ちゃんは浴槽から立ち上がろうとするが…浴槽の底で足を滑らせてひっくり返る、

 ザッパァァァン…

盛大な水しぶきを上げて浴槽に倒れこむ音を俺が聞くのと、俺の目の前の映像がブラックアウトするのは同時だった

「しまった!…忍のヤツモスキートに防水加工をしてなかったな!」

突然、隣でリスティが唸る、

「ど、どういうことだ?」

俺が焦ってリスティに問いただすと、

「いま、那美のヤツが盛大に水をかけたせいで…モスキートが壊れた…」

「え゛…?」

俺が言葉に詰まってると、リスティは続ける

「簡単に言うと…ばれた…」

「え゛…?」

俺が答えるのと同時に浴室で二人が騒ぎ始めたのが聞こえてくる、

「と、とりあえずこの場に留まるのは危険だ、ボクは自室にテレポートするから、耕介も自力で脱出を…Bye」

 そう言うと、俺に発言を許す前にリスティは姿を消す…そして俺の後ろの浴室の窓が開いたのはほぼ同じだった…、

俺は恐る恐る振り返るとそこには――そこにはしっかりとバスタオルで自分の身体を隠した二人の姿があった。

「「誰?」」

二人が同時に同じ言葉を紡ぐ、

「「不審者?」」

―――誰って、俺のことがわからないのか?―――

そう思い、俺は自分の格好を見直す。

―――あ、納得―――

俺は軍の特殊部隊よろしく迷彩服に身を包んだ自分を見て思わず納得し苦笑する、

「へ、変態?」

「覗き?」

二人が呟く、

―――い、いかん…なにか凄い誤解を受けている!まずは誤解を解かないと―――

そう考え、俺は立ち上がって二人に近づく

「「れ、霊障?」」

自分の体格すら隠してしまうようなゲイリー・スーツの為に二人の目には妖怪の類の様に映ったようだった。

普通の女の子なら悲鳴を上げて逃げるものなのだが、二人は普通の女の子ではなく、神咲だった…

「「久遠!!」」

二人が叫ぶと同時に俺の後ろで青白い雷特有の光を感じた…振り返るとそこにはいつの間にか雷を纏って立っていたのはかっては祟り狐と呼ばれた久遠(大)だった。

久遠の姿を確認した瞬間に俺は地を蹴ってその場から横っ飛びにかわすのと立っていた場所に久遠が雷が落としたのは同時だった…

バシーーン!!

盛大な音を立てて雷は地面に落ちる

「つぎは…はずさ…ない…」

再度、雷を纏いながら久遠は呟く、

―――やっぱり真雪さんに関わった時点でロクな目にあわないんだ!!―――

そう心の中で叫びながら、俺は薫たちと久遠の説得を考えていた。

そう、無駄だとはわかりつつも…

 

 

 

 

 

 

 

                 恭也‘s EYE

                 〜四十四時間前〜

 

 

 バシーーン!!

  国守山の山中で深夜の鍛錬をしていたおれと美由希は突然の轟音に剣を止める、

 「わ、わ、わ。な、何今の音は?」

 美由希が驚いて声を上げる、

 「判らん…雷の音だったようだが…」

 そう答えながらもおれは再度剣を構える

 「美由希…もう一本だ…いけるな…」

 おれが剣先に殺気を乗せて問いかけると、美由希は慌てて剣を構え直す、

 「行くぞ…」

 おれは地面を蹴って美由希に向かう…そういつもと同じように…

 その雷の原因が自分にも深く関わりがあると、おれが知るのは、翌日になってからのことだった

 

 

 

 

 

 

 

                            続く

 

 

 

 

 

 

 

あとがきと言い張るもの(笑)

 

こんにちはK´です

 

パフパフドンドンドン……

おまたせしました「桜の下で君に伝える言葉」の第4話をお届けいたします

前回、「父ちゃん情けなくて涙でてくらぁ」と父ちゃんに張り手を受けたおかげで、なんとか以前よりは早く上げることが出来ました。ワーイ♪

しかし…あとがきって何気に書くのが難しいと思うのは自分だけでしょうか?

次回はもうちょっとあとがきでも頑張りたいと思います(笑)

 

では、今回も作者の駄目SSにここまでお付き合い頂きまして本当にありがとうございました。 

 

 それでは、また。


 

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