小島様作
この作品はJANIS/ivoryより発売されているとらいあんぐるハートシリーズを元ネタとしております。
この作品は、ネタばれを含んでいます。
この作品の中には一部、ある程度高い年齢層の人間しかできないパロディも含まれております。
この作品の中の一部の人間が著しく壊れております、壊れが嫌な方とかは御遠慮ください。
この作品における方言はかなり適当です、こんなの関西弁(鹿児島弁)じゃないという方がいてもおおめに見ていただけると嬉しいです
相川真一郎の朝は早い。
相川家の住人が他県に引っ越すことになった時、転校したくなかった彼は、両親の許可をもらいアパートで一人暮らし?をすることになった。
その為、朝からやる事は色々とある、しかし、最近は今までよりも早い時間に起きているのだ。
では、なぜ彼は早起きをしているのだろうか?
朝早く起きて、シャワーを浴びる、今までめったになかったことだ、これが原因かというとそれだけではなさそうだ、何せ、今までより一時間半も早く起きているのだから、長くても30分くらいの朝シャンの為だけではない。
シャワーを浴びた彼は、制服に着替えた後、なぜかまだ膨らんでいるベッドの中の者を優しく揺り起こした後、朝食とお弁当を二人分作り始めた。
そう彼は、高校2年の終わり頃にできた年下の彼女と同棲をしているのである。
正確には、双方の両親公認の半同棲である。
つまり、恋人である綺堂さくらは、通い妻よろしく、週の半分である3日から4日をともに夜をすごす為に真一郎の部屋に泊まっていくのである。
綺堂さくらという少女は、有り体にいえば、人間ではない。
彼女は、夜の一族と呼ばれる、吸血種族と人狼の混血児だったのだ。
恋人同士になった後、このことを知った真一郎だが、それでもさくらを愛することを誓った真一郎は、その後に起きた事件も乗り越え、さくらとの絆を深めていったのである。
さて、そんな複雑な星のもとに生まれたさくらとの仲を簡単には認めてもらえないと考えていた真一郎だったが、予想は良い方に外れ、さくらの両親からは、大歓迎を受け、両親に至ってはさくらの味方と化し、もし、さくらを泣かせたらただじゃ済まないぞと脅される始末であった。
そう、周りの人間は、その感情は様々だったが彼らが恋人、そして婚約者となったことを祝福してくれた、たった一人を除いて・・・。
そう、さくらの義理の兄にあたる彼だけは二人の仲を認めていなかったのだ。
闘え!!護身道仮面(あるいはお義兄さんは心配性)
さて、さくらと2人で優雅な朝食を取った後、手を繋いで登校する。
真一郎もさくらも、系統は違うが少々幼めの整った外見をしているため、いかにもラブラブバカップルっぽいこの行動を見る周りの人達も清純な幼い恋を連想するのか、微笑ましい表情で二人を優しく見守っている。
しかし、この2人、その外見に反して清純などではなく、しっかりと大人のナイトライフを営んでいるのだが……。
学校に着いても、二人の手が離れる事はなかった。
なぜなら、この2人全校生徒からも公認カップルとして認められ、婚約までしている事を公表しているからである。
さすがにここまで来ると、からかっても惚気られるだけなので、からかったりする者も出てこない。
2人が困るのは、ナイトライフの事を微にいり細にいり聞き出そうとする無粋な連中と、きちんと婚約しているにも関わらず、不純異性交友だと言って顔をしかめて彼らを眼の敵にする一部の教師ぐらいである、しかし、この教師は何を考えているのだろうか、夫婦が子孫を残すために行うための大切な行為を「嫌らしい」とか「汚らわしい」とか言うのは、人類に滅びろといっているのも同じである。
真一郎もさくらも、まだ結婚をしていないので夫婦とは呼べないが、近い未来には必ず結婚すると言うことを約束している婚約者同士である二人に対しこう言うのは間違っているのだが……。
まあ、そんな困った連中は少数なので大したことはないのだが、一人だけ困った人物がいる、「氷村遊」さくらの義兄である彼は二人の交際に大反対だった。
「そこ!!何手を繋いでいる!!」
朝のHRまでまだ時間があったため少し話していようかと、2人で話していた所に無粋な声がかかる、まったく馬にけられるべき行為である。
「でさ、今日もお昼は図書室で食べようね。」
「はい、友達も一緒に来てもらっても良いですか?」
もっとも、まーーーーーーーたく相手にされていないようだが。
「こら!!君達、人の話しを聞かないか!!」
一向に自分に注意を払わない2人に彼が怒って近寄っていく。
「いいよ、俺も大輔とか連れていくから。」
「ありがとうございます。」
「そんな、お礼を言われるようなことじゃないよ。」
「でも、私はお礼を言いたかったんです。」
彼の存在をまったく無視したまま、2人の世界を構成しつづける真一郎とさくらに、訂正真一郎に向かって、思わず「ギャラクティ●マ▲ナム」と叫んでしまいそうな必殺の一撃が放たれる。
しかし、その一撃は外れる事となる、真一郎を抱えてさくらが飛びのいたからだ。
「遊、いきなり出てきて先輩に殴りかかるなんて、何を考えているんですか?」
さくらが(真一郎を抱きかかえたまま)、これでもかと言うほど冷たい視線で遊を睨む。
しかし、遊よ、おまえ存在感ないな。
「と、突然だと!!あれほど大声で呼びかけていたのに気がつかなかったのか?」
ちょっと呆れたような遊の声に、(真一郎を抱きかかえたまま)可愛らしく首を傾げて、考え事をした後、おもむろに声を返した。
「遊、朝っぱらから大声で騒ぐのは、みっともないですし、近所迷惑ですよ。」
……的外れなところに。
一瞬、馬鹿面で呆ける事となった遊が、大声でさくらを非難し始める。
「だいたいだ、綺堂の家ほどの名家の娘でありながら、そんなどこの馬の骨とも知れぬ小僧にうつつを抜かすとは感心できないな。」
その言葉に頭にきたのか、真一郎はさくらの腕の中から飛び出る(あ、さくら残念そう)と、遊に向かって反撃を始める。
「どこの馬の骨だろうが、あんたには関係ないだろ!!第一さくらの御両親にはもう結婚の許可だってもらっているのに、あんたは口出しする立場でもなければ権利だってないだろ!!」
「フン、俺はな、おまえみたいな、男か女かわからないようなチビが、可愛い義妹に近づくのが我慢ならんのだ!!」
遊も負けじと叫び返すと、真一郎と遊は激しく睨み合う。
あわや激突というところで、遊の背後に突如として現れた謎の人物が渾身の一撃を遊に叩き込む、「ブーメ●ンテ▲オス!!」
背後からの一撃になすすべもないまま高く宙に飛ばされ、そのまま顔面から地面に激突する遊、綺麗なまでの車田落ちである。
「先輩、授業が始まりますから行きましょ。」
いきなりの事にあっけにとられている真一郎の袖をつかむとそのまま校舎の中に入っていった。
謎の人物もそのまま立ち去り、後には遊の屍あるのみ。
昼休み、朝の約束通り真一郎とさくらは図書室で昼食を食べる事になった、お供は大輔&ななかのカップルだった。
「さくら、はい、お弁当。」
真一郎は鞄の中から弁当箱を2つ取り出すと、小さい方をさくらに渡した。
「ありがとうございます。」
それを見た大輔がななかを小突く。
「こら、マメダヌキ、おまえはああいう事をなんでしない。」
大輔もななかも見事なまでのパン食だ。
「そ、そんな事言ったって、私は朝練があるから、相川先輩みたいに大輔さんが作ってくれるべきでしょ。」
「馬鹿やろう!!俺にこんな事できるか!!」
好対照な2組のカップルが食事している所に新たな人物がやってきました。
「真一郎、さくらさん、ついでに井上さんと端島君、こんにちは。」
片方のカップルをあからさまにぞんざいに扱いながら現れたのは、昨年の護身道部主将で、風校のOGである、千堂瞳であった。
ちなみに、ぞんざいに扱われた2人は、画面?の隅で涙を流している。
「あっ、瞳姉さん!!直接会うのは久しぶりだね。」
さて、なぜ真一郎が瞳を姉と呼ぶのかと言うと、ゲーム本編においてさくらルートを選びつつも瞳ルートをある程度進めた結果、仲良くなった2人はお互いの容姿が似ている事も手伝って、義姉弟の契りを交わしたからである。
「瞳さん、こんにちは。」
この義姉弟の契りと、もとよりさくらの秘密を知っていたことも手伝って、2人は急速に仲良くなっていた。
「今日は大学どうしたの?」
普段なら、近場にある海鳴大学に通っているはずの瞳が現れたのを不思議に思った真一郎の疑問に瞳が明快に答える。
「今日の午後の講義が休講になったのよ、それでちょっと様子見にね。」
「そうですか、それでは一緒にお昼にしましょう。」
さくらがそう誘うと、瞳は嬉しそうに鞄から弁当箱を取り出すのだった。
「そう言えば、今日あの馬鹿、大学に出てこなかったんだけど、どうしたか知ってる?」
食事中に瞳がさくらに声をかける。
「遊の事ですか?」
そう、と瞳が肯く。
「知りません、朝方私達の中を邪魔しようとしていた所を、背後から何者かに殴り飛ばされて車田落ちしたのを見た後さっさと校舎に入りましたから。」
「ふーん、そうなの、まあ、うるさい奴がいないと静かでいいけどね。」
さて、遊と瞳は海鳴大学英文学部に共に所属しており、2人とも第2外国語にドイツ語を選んでいたため、比較的同じ講義を受ける事が多かった。
瞳としては、非常に不満なのだが同じ高校の同じクラス出身の眉目秀麗な2人は学内では早くもカップルのように噂されており、瞳は否定しているのだが、噂になっているもう片方がまったく否定しないため、噂がなかなか消えないのであった。
「それにしても、まだ2人の邪魔をしてるの、あの男。」
「はい、まったく急に私のことを可愛い義妹とか言い出して、一体どうしてなんだか、見当もつきません。」
瞳の質問にさくらが、顔をしかめながら答える。
「そうそう、人の事馬の骨呼ばわりするしさ。」
真一郎が、憮然としてそういうと、瞳の目の色が変わった。
「なに、私の可愛い義弟を馬の骨呼ばわりしたの、あの馬鹿、1度きっちり話しをしないといけなそうね。」
殺気を振りまく瞳に脅える、台詞がほとんどないカップル。
反対に、すでに慣れてしまった真一郎と、この程度の事ではまったく動じないさくら。
図書室は異様な空間と化していた。
放課後、真一郎とさくらが連れ立って帰ろうと校門のあたりに差し掛かると、どこからともなく馬鹿笑いが聞こえてくる。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、可愛い義妹をたぶらかし、あまつさえ、その両親も騙して婚約する、人それを外道と呼ぶ!!」
近くにある民家の屋根上に立つ1つの影、そうロム兄さんではなく遊義兄さんだ。
「相川真一郎、今日が貴様の命日だ!!」
とう、とばかりに民家の屋根から飛び降りる遊、さすが夜の一族だけあって、このくらいは屁でもないらしい。
「遊、一体どういうつもり?」
真一郎を庇うかの様にその前に立つさくらが、遊に質問する。
「さくら、その質問の答えはこれだ!!」
そう言うと、着ていた、ジャケットの内ポケットから数枚の写真を取り出しさくらに渡す、その写真は真一郎がさくらではない女の子と2人で写っている盗撮写真だった。
「見るがいいさくら、これがこの男の本性だ!!おまえは騙されているんだ!!今からでも遅くないそんな女たらしを捨てて家に帰って来るんだ!!」
さくらは、じっくりその写真を眺めた後、遊に写真を渡してから、おもむろに一言。
「遊、この程度の合成写真で私を騙そうだなんて甘いですよ。」
「く、ば、ばれてしまっては仕方がない!!だが、そんな男と早く別れるべきだと言うのは変わらない。」
遊はそう言うと真一郎を睨みつける。
「ところで遊……。」
さくらがそう呼びかけた時遊がさっとその言葉をさえぎる。
「待て、さくら、前から言おうと思っていたのだが、義兄を呼び捨てにするのは良くない、これからは義兄くんと呼びなさい。」
「「はぁ!!」」
この台詞に、思わず声をあげる真一郎&さくら。
「いや、お義兄さまでもOKだぞ、それにな、さくら、今時代の最先端は兄を愛し慕う妹だ!!お前もこのゲームをやってもっと勉強しなさい!!」
そう言いつつも、再びジャケットの内ポケットからゲームソフトのパッケージを取り出す遊。
そのゲームソフトのタイトルは、「シ●タープリ▲セス」であった。
そして、そのゲームを手に持ちさくらに迫る遊、その時どこからともなく飛来した真紅のバラの花が、アスファルトに突き刺さる。
「ただ1人の男性を慕い、愛する乙女を脅かすものは誰?」
先程、遊が立っていた民家の屋根の上に今度は、一際異彩を放つ格好をした女性が立っている、長い緑の髪を白いリボンで纏め、護身道の胴着を模したレオタードで、その女性らしい肢体を包み、腰には、紺色の超ミニ袴をはき、美しいであろうその顔を夜会などでたまに使われる目元を隠す仮面で隠したその女性は、真一郎達の視線が集まるにつれ、ここぞとばかりに名乗りをあげる。
「護身道仮面ただいま推参!!」
ボケーっと、その女性を眺めていた(特に胸の辺り)真一郎にさくらが声をかける。
「先輩、あの人、今朝遊をやっつけてくれた人ですよね。」
「ああ……朝は気付かなかったけど、あれ……瞳姉さんだよな(あの大きな胸は)?」
「とにかく、正体を隠したそうなので、知らない振りをしてあげましょう。」
そう言いつつ、真一郎の目線からどこを見ているかを探り当て、片腕を自らの胸に掻き抱きつつ、お尻をつねるさくらであった。
一方、遊は全然正体に気付いていなかった。
「貴様!!義兄と義妹の、愛あるコミュニケーションを邪魔するとは無粋な奴め!!」
「ふ、笑止千万、妹が嫌がっているのがわからないのか?それに、そちらの可愛い少年を馬の骨呼ばわりとは……呆れてしまう。」
「ふん、どの道お前は敵という事か、ならば、死ね!!」
一気に飛びかかる遊、しかし、護身道仮面は慌てず騒がず、先程も投げたバラを遊に向かって投げつける。
見事に額にバラが突き刺さる。
「ぬお!!」
バランスを崩して倒れる遊の内懐に素早く護身道仮面が入り、次の瞬間一本背負いで遊を投げ飛ばす。
「があ!!」
それでも立ちあがって来る遊を今度は護身道仮面が、いつのまにか引抜いていた鉄鞭が襲う。
「スペシャル・■ーリング・サ●ダー!!」
瞬時に人体の五ヶ所の急所を鉄鞭で突かれて、朝に続いて再び空高く舞い上がる遊。
「ウゲ!!」
そして、朝に引き続き。見事な車田落ちで顔面から地面に激突し、そのまま立ちあがる事はなかった。
「ありがとうございます、護身道仮面様。」
さくらが、真一郎の背中に抱き着いて、胸を押し付けながら護身道仮面に向かって礼を言うと、真一郎もそれに続く。
「ありがとうございます、いつもいつもあの男には迷惑をかけられていたんです、助かりました。(おお!!小さいけど、このぷにぷに感がまた、たまらない)」
「いえ、いいのよ、あなた立ちの幸せを願う人がいる、だから私はあなた立ちを助けたのだから。」
そういいつつも、心の中では正体がばれてない事に安堵する瞳だった(実はバレバレ)。
立ち去ろうとした護身道仮面は足元に、ゲームソフトがおちているのを見つけ、戦利品として持ち帰ることにしたのだった。
翌日の夜、真一郎の部屋に電話がかかって来る、役割分担で、夕食はさくらが作る事になっているので、キッチンに立つさくらの手を煩わせないように素早く電話に出る真一郎。
「はい、相川ですが。」
かけてきたのは瞳だった。
「今晩は、真一郎、今大丈夫?」
「はい、大丈夫だけど、瞳姉さんどうしたの?」
瞳は、しばらくためらった後、口を開いた。
「ねえ、真一郎、これからは私のこと姉様って呼んでみない?」
END
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あとがき
今晩は、そして始めましての方は始めまして。
駆け出しのとらハSS作家の小島と申します。
さて、今回のギャグSSはいかがだったでしょうか?
結構古いネタとかも満載なので、わからない方もいたのではないでしょうか?
まあ、そこは勘弁してください、作者である私が古い人間なのですから。
今回書いた護身道仮面は、かなり前からイメージだけはあったネタなのですが(電波が無理やりイメージを見せるのです)、なかなか文章に表現する機会がなかったので、この場を借りて発表しようと思い、タイピングを始めました。
いや、登場する皆さん、どこか切れております。
こんな変なSSですが、もし良かったら感想ください。
面白いと言ってくださる方が多ければ、再び護身道仮面がSSに登場するかもしれません、何せこの護身道仮面、作者のお気に入りのキャラクターなので(笑)。
さて、短いのですが、これで終わりにしたいと思います、それではまた、アディオス!!
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