3104様作
必殺とらハ人(笑)
一掛け二掛け三掛けて
仕掛けて殺して日が暮れて
寮のベランダ腰おろし
遥か向こうを眺むれば
この世はつらいことばかり
片手にフライパン 鍋を持ち
にぃちゃんにぃちゃんどこ行くの
私は必殺管理人
神咲耕介と申します
「それで今日は、どこのどいつを
殺ってくれとおっしゃるんで」
ただしこの稼業 海鳴職業づくしには載っていない……(笑)
ここは海鳴市某所、氷村家の豪邸――
「それで、安次郎、例のものは?」
「ガハハハ、わかってるてそう急くなや、遊」
とある一室で会話する2つの影……1人はモデルと見まごうばかりの美青年、もう一方は太った
チャー○ー浜(笑)
「ほれ、これがそのブツや」
とか何とか言ってる間に、安次郎が例のものと呼ばれた1つの封筒を差し出した。
「本物か?」
「疑うんか? なんなら中身を確認してもエエで」
「是非そうさせてもらおうか」
遊は封筒を手に取ると、丁寧に封を開け、中身のものを取り出した――
どうやら中身は1本のビデオテープであるようだった。
「どや、ちゃんと依頼通りのもんやろ? もちろんダビングしたんやない、ちゃんとしたオリジナル
やで」
「眉唾だな、タイトルだけで本物かどうか判断するのは馬鹿のやることだ……」
そう言った遊は指を鳴らし、メイドを呼びつけた。
「お呼びですか遊様……」
と、そこに現われたのは、引きつった笑顔を見せる七瀬であった。
「ああ、今すぐビデオデッキを用意しろ、あまりボクを待たすなよ」
「かしこまりました……(く〜なんで私がこんなことやらなきゃいけないのよ)」
なんとなく♪
「このボケは〜(怒)」
「何か言ったか?」
「い、いえ、ではすぐに御用意いたしますので」
最低限な会話をし、七瀬はこの部屋を後にした。
――5分後
部屋には1台のテレビデオが用意されていた。
こほどの家の持ち主が何故にテレビデオ? なんてのはご愛嬌。
「準備、整いました。遊様」
「少し長い気もしたが、まあこんなもんだろう」
「申し訳ございません、次回からは注意いたします(次回なんかやんないわよ)」
「後のことは安次郎にやらせる、お前はもう下がっていいぞ」
「コラ遊、なんでワシがやらなあかんのや」
「ふっ、一族で大した力もないお前が口答えか? いい度胸だな……別にボクはお前に依頼しなくて
構わなかったのに、どうしてもと言うお前を使ってやったんだ……わかるかい、その意味が?」
「けっ、やりゃあエエんやろ」
遊の威圧的態度に怒りを覚えつつも、安次郎は言うがままにビデオをセットしていった。
「ほな、再生や」
再生ボタンを押しそこに映し出された画面には……
『うちの旦那様はお師匠様(ハート) *18歳未満及びおさるの閲覧禁止』
等と、どこかで見たことのある似たようなタイトルが映された。
「お師匠〜♪」
「今日は寝かさないぞ」
「いや〜襲われる〜♪」
……こんなシーンが流されていた。
「まさしく、本物……安次郎、よくやった」
「だから言うたやろ、本物やて。まあ疑われてもワシは金さへ貰えればそれでエエけどな」
「相変わらずガメツイやつだな……約束の金なら」
(ガタっ)
不意にドアの外から物音がした。
見ればドアには少しに隙間があいていた。
「誰だ!」
「あ、私は何も見てませんし聞いてもいません。ましてや遊様がその、ロリィなご趣味が御有りだな
んて知りません」
「自爆しとるで、ねーちゃん」
安次郎のツッコミに七瀬は気付いたが時すでに遅く、七瀬の眼前には遊が迫っていた。
「メイドの分際で覗き見とは感心できないな。気の毒だけど君には死んでもらうよ」
「そ、そんなっ」
「ちょっと待った! 遊、そのねーちゃんの始末ワシに任せてんか」
「お前が? 何が望みだ」
「もちろん決まっとるやないか、報酬の上乗せや」
「ふん、まあそうだろうな……よかろう、お前に任せてやる」
「さすがは遊、話がわかるな。おい出て来い」
安次郎に呼ばれて出てきたのは、イレイン?
「はいは〜い、なんの御用でしょうかご主人様?」
って、こんなキャラだってけ?
「このイレインは一味違うで、なんつたってセーフティを解除しても暴走せんように回路を組みこん
でもらったからな」
おー、それは凄い……で誰に取り付けてもらったの?
「そ、それは……に土下座してやな、それに●△■×」
「おい、さっきから誰と話てるんだ、梅毒か?」
「誰がや! イレイン、そこのねーちゃんを殺ってまえ」
「かしこまりました、ご主人様〜♪ あれ? 誰もいませんけど」
イレインの言う通り、そこに七瀬の姿は見えなかった。
「いつの間に」
「お前が独り言呟いている時だ、この役立たずが! もういい、トラップを起動させる」
遊が服からスイッチを取り出しボタンを押すと、屋敷の門付近から爆音が轟いた。
「……火薬多すぎたかな?」
爆煙がおさまり爆心地を見ながらのセリフであった。
ちょっと後悔する遊がそこにいた。
――その頃、さざなみ寮では
「婿殿! 早く神咲家の後継ぎを・・・・・・」
「耕介さん、もっとシャンとしてください!」
「うう〜、お義母さんと薫……怖いんですけど」
鹿児島から薫の婿、つまり耕介を視察に薫の母がさざなみ寮にやって来ていた……のが1週間前。
ところが、あまりの耕介の天然プレイボーイぶりに不安を感じたのか、『1日も早く薫との間に
後継ぎを!』ということで、当初1日の予定を延長し寮に居座っていた。
そして、薫は薫で母にたじろぐ耕介に対して、もっとしっかりするよう口を酸っぱくしていた。
「(限界だ……)ちょっと夜風にあたってきます」
耕介はそう言い残し、寮から夜の闇へと消えていった。
「婿殿! どこへ行くのですか」
「耕介さんっ!」
夜の海鳴へと身を置いた耕介は1人街外れを歩いていた。
「(まったく、お義母さんにも困ったもんだ……しかも薫まで)はぁ〜、今の海鳴に俺の安息の地
はないんだろうか……ん?」
1人ぼやく耕介の前に、電柱の明かりが何やらうごめく影がを照らしだしていた。
「うううっ、誰か……」
七瀬である。
やはりあの時の爆発に巻き込まれていたらしかった。
「おい、大丈夫か? しっかりしろ! 待ってろ、今救急車を呼んでくるから」
「あ、ありがとうございます。でももう手遅れでしょう……だからこれで、このお金で氷村邸の主
氷村遊・その血族、安次郎・そして安次郎を警護するイレインを葬るために、恨みを晴らしてくれる
という方達に渡してくださ……(ガクッ)」
なんだか余裕のある息の引き取りかたの気もしたが、七瀬はそう言い残し、ヴァルハラへと旅立っ
た。
「ああ、わかった。 その恨み俺が晴らしてやる」
耕介は七瀬の握ったお金を貰いうけると、再び夜の闇が覆う海鳴の街へと姿を消した。
ところで、死体そのままでいいのか?
「あー、疲れた♪ 早く学校に帰って寝ましょう」
と、しゃべっているのは七瀬さん。
死んだじゃなかったんかい。
「え、だってわたし、もともと死んでるもん♪」
……納得。
――七瀬の死?から数時間後
耕介は西町の神社へと場所を移していた。
「というわけで、今回の依頼は氷村家メイドからだ……仕事の標的は言った通り、氷村遊・
月村安次郎・イレインの3人だ……それじゃあ依頼料だ」
淡々と説明する耕介の前には、美由希・フィリス・なのは&久遠が、説明を聞くこともなく、
おしゃべりに花を咲かせていた。
「それでねクロノ君が〜♪」
「へぇ〜、クロノ君がねぇ」
「うう、なのはばっかり……」
「クロノ、大胆」
「って、聞けよオイ」
威厳のない元締めの耕介であった。
「だ〜、もう行くぞ! 役割はなのはちゃんと久遠が門を破壊、そして高町さんとフィリスと俺が
侵入してそれぞれを仕留める。 仕事をこなしたら各自解散ということで」
「「「は〜い」」」
これで大丈夫なのだろうか?
――氷村邸門前
「……門、ないな」
「そうですね〜」
氷村邸に到着した4人の前には、無残に爆破された門の破片らしきものが転がっていた。
「それじゃあ、なのはとくーちゃんの仕事は終わりということで、くーちゃん帰ろ♪」
「くぅ〜ん」
「いいのかこれで?」
「あ、はのは〜、恭ちゃんに今日は遅くなるって言っといて」
「わたしからも、恭也さんに病院へ来るよう伝えておいてくださいね」
「は〜い」
そんなわけで、高町なのは&久遠 帰宅。
「じゃ、じゃあ、気を取り直して……行くぞ!」
いや、耕介だけなんだけどね、取り直すのは。
「耕介さん、何をしてるんですか? ほらさっさと行きますよ」
「よし、うまく侵入できたな。ここからはそれぞれ別行動でいくぞ!」
「わかりました、耕介さん」
「了解です」
こうして3人はそれぞれの行動を開始した。
――フィリス
フィリスはある和室の前に立ち、聞き耳を立てていた。
何故に和室と言うのは気にしないように。
「ふぅ、まったく安次郎のアホのおかげで余計な門の修理費が……」
どうやらこの部屋には遊がいるようであった。
「さて、明日も早いですし、ささっと終わらせましょう♪」
そうフィリスは呟き、腕を鳴らした。(ここから例のBGMで)
「む、誰だ!」
「誰でしょうね」(ひゅっ)
遊の問いにおどけた応えを返したフィリスは、鳴らした右手を障子に映る影に向って伸ばし、影、
つまりは遊の体へ突き刺した。
「ぐっ」
「お命終わります」(ゴキッ)
キャラが違うが、フィリスはそのセリフと同時に骨をはずし、遊はあっさりと絶命した。
「さぁ帰りま……あら、このテープは何かしら?」
と、テープを手に取りタイトルを……そして再生……
「うふふふ」
笑っていない笑いが木霊した。
――美由希
「う〜、おトイレどこかな〜?」
一方、美由希は標的ではなくトイレをさがしていた。
「昼間にジュース飲みすぎちゃったからな〜……あ、おトイレ発見♪」(コンコン)
トイレを発見した美由希ではあったが、どうやら先客がいたようである。
「おう、入っとるで」
しかも、その先客とは他ならぬ標的の1人、安次郎であった。
「う〜、まだですか〜?」
「いや、中々の難産でな……悪いな」
って、気付けよ美由希。
「他におトイレってありませんか?」
「たしか、突き当たって左行ったところに、も1つ便所があったはずや」
「ありがとうございます」
美由希は気付かぬまま、トイレに向ってダッシュして行った。
「え、気付いてましたよ」
あ、そうなんだ……なら仕留めろよ。
色々とあって、ようやく美由希は安次郎の背後につけていた。(BGMスタート)
「じゃあ、鋼糸を首にかけて……と」
「なんや!」
美由希は、鋼糸を安次郎の首にかけると柱を通して持ち上げようとした。(三味線屋の勇次の技)
が、しかし……
「お、重いっ」
どうやら事のほか安次郎が重く、しまいには……
(ビンっ)
という音と共に鋼糸が切れてしまった。
鋼糸が切れるなんて、重すぎるぞ安次郎! ダイエットしろ。
「ゲホゲホっ、やかましいわ、ボケ! ようもこのねーちゃんは〜」
「閃っ!!」
「がっ」(ガク)
奥義の極み一発、美由希はあっさりと安次郎を葬った。
「あーもう、せっかくカッコよく決めたかったのに〜。わたしもう帰って寝る」
――耕介
「はぁ〜、これ終わって帰ったら……」
等と、午前様で帰った後の2人の小言を想像し、げんなりとしていた。
「いかんいかん、こんな心持ちでどうする俺。殺された七瀬さんの恨みを晴らさねば……でもなぁ」
「あれ? お兄さんどうしたんですか、こんなところで?」
「いやお嬢さん、ちょっと嫁さんと義母との間に揺れる……あ゛ーーーイレイン!」
「ど、どうしたんですか一体? 何で私の名前を知ってるんですか?」
「なんでだろうな、個人的な恨みはないが、お前には死んでもらう」
「え? え?」
耕介が刀を振り上げたその時、
「あ、ごめん。イレインは何もやってないわ」
ふと、七瀬の声がし、耕介は手を止めた。
「はい? どこかから死んだはずの人間の声が」
しかし、周りには耕介とイレインの2人しかいなかった。
「やめてくださいーーー」
「あ〜イレイン、質問だ。お前ここのメイドさんを手にかけたか?」
「そんな人知りません。やっぱり殺されるんですか私は?」
耕介は一瞬考え、
「どうやら君は違うらしいからな、どこへなりと行くがいいさ。ちなみに君のご主人様は死んでるだ
ろうが」
「では、警察に……」
「だ〜、待った。それはまずい! そうだ家に来い、うんそれがいいそうしよう」
「え、そちらにお世話になっていいんですか? ありがとうございます、あなたが私の新しい
ご主人様です♪」
「ご主人様はよせ、ご主人様は! 俺には愛する妻が」
「大丈夫ですよ、不倫は男の甲斐性の1つです。さぁ、2人の愛の巣へと帰りましょう、ご主人様」
そう言うと、イレインは耕介を引きずり、一路さざなみ寮を目指して行った。
「いや、マジで家の嫁さんは怖いんだって! なんで寮の場所知ってんだよオイ」
「もちろんサテライト・・・・・・」
「んなもんねーだろうがよお前には!」
こうして、真夜中の海鳴に耕介の絶叫が響きわたっていった。
――その後
「婿殿!」
「耕介さん!」
案の定、玄関には鬼2人……
「いや〜ん、ご主人様怖い〜♪」
(ぴしっ)
世界は凍りついた……
―― 一方、翌朝
「おはようございます〜」
「あれ、どうしたんですか、フィリス先生? 忍さんや那美さんまで」
「ちょっとこのテープを見ていただきたくて」
フィリスの手には例のものが……
「なんのテープですか、一体?」
「まあ、みなさんで見てみましょう……あ、レンちゃんとは呼ばなくていいですから」
「はぁ……」
そして上映後……
「恭ちゃん!」
「恭也!」
「高町先輩!」
「高町くん!」
「あのカメっ!」
「ま、恭也ったら♪」
「はやや、おにいちゃんにレンちゃん」(///)
こちらの世界は爆発した……
――恭也の部屋
「レン」
「お師匠〜♪」
迫り来る恐怖に気付く由もなかった……
〜終わり〜
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■後書き■
どもども〜、初めましての方はお初ですの、3104です。
今回は方言SSではないですね。
ネタもちろん僕の好きな「必殺シリーズ」です。
ちなみに、冒頭のナレーションは「仕事人」とただし〜の部分は「仕掛人」のアレンジです。
役柄は、フィリス=念仏の鉄
美由希 =三味線屋勇次
耕介 =中村主水 です。
次回はおそらく方言SSとなるでしょう。
ではでは〜。