公認野球規則(2007年版)

10・00 記録に関する規則

10・01  公式記録員
  (a) リーグ会長は、各リーグの選手権試合のために公式記録員を任命する。
 記録員は、新聞記者席内の所定の位置で試合の記録をとり、たとえば打者が一塁に生きた場合、それが安打によるものか、失策によるものかなどを、独自の判断で決定する権限を持つ。
 記録員は、右の決定を手で合図するか、記者席用拡声器によって記者席及び放送室に伝達し、また要求があれば、そのような決定事項について場内放送員に助言を与える。、br>  記録員は、試合終了後(フォーフィッテッドゲーム及びコールドゲームを含む)、リーグ会長が規定した様式に従って、次の各項を記載した報告書を作成する。すなわち、試合の日時、球場名、試合したチーム名および審判員名、試合のフルスコア、記録に関する規則に特に規定した方式に従って作成した各プレーヤーの個人記録。記録員はこの報告書を試合終了後36時間以内にリーグ事務局に提出する。
 記録員は、一時停止試合が完了するか、またはプレイに関する規則によって、コールドゲームとなった試合は、いずれも36時間以内にその報告書を提出する。(10・03参照)
  (b)(1) 記録員は、選手権試合の記録をとるにあたっては、記録に関する規則を厳重に守り、その記録がまちまちにならないように心がけなければならない。
 記録員は、本規則に明確に規定されていない事項に関しては、自己の裁量でその決定を下す権限が与えられている。
 (2) 三人アウトになっていないのに攻守交代が行なわれた場合には、記録員はただちにその誤りを審判員に知らせなければならない。
      【注】 本項(5)に規定されるように、助言をしてはならないときを除いて、ボールカウントが2−3のときに球審が四球と思って打者に一塁を許した場合とか、代わることが許されていない投手に代わって他のプレーヤーが出場しようとした場合などには、記録員は審判員に助言を与える。
   (3) 提訴試合または一時停止試合となった場合には、記録員は、提訴または一時停止になったときの状態を、得点、アウトの数、各走者の位置、打者のボールカウントにいたるまで、詳細かつ正確に報告しなければならない。
    【付記】 一時停止試合で重要なことは、停止されたときと全く同じ状態から再開されなければならないことである。提訴試合において、提訴されたプレイ以後は無効として、やり直しが命じられた場合は、そのプレイの直前と全く同一の状態から再開されなければならない。
   (4) 記録員は、プレイに関する規則または審判員の裁定に反するような決定を下してはならない。
 (5) 記録員は、リーグの公式代表者であって、その職務に関する限り、尊敬を受け、しかも威厳が保てるようにリーグ会長が十分な保護を加えなければならない。
 記録員は、その任務の遂行にあたり、監督、プレーヤー、クラブ役職員から侮辱的言動を受けた場合には、如何なるものでもリーグ会長まで報告しなければならない。
   
10・02  リーグ会長が公式記録の報告書を指定する場合、次に列記する各項目の数字が記入でき、かつつねに変わることなく記録統計を作成するのに便利な様式のものを採用しなければならない。
  (a) 打者または走者の記録の項目は次のとおりである。
   (1) 打撃を完了した回数、すなわち打数(アットバット・・・・・・AB)
 ただし、次の場合は打数には算入しない。
 (@)犠牲バント及び犠牲フライ (A)四球 (B)死球 (C)妨害(インターフェア)または走塁妨害(オブストラクション)によって一塁を得た場合。
      【注】 打者の打球に対して野手が選択守備を終わった後、その打者がオブストラクションによって一塁を許された場合には、打者に打数を記録する。また打者がオブストラクションによって一塁を得た場合でも、記録員がその打球を安打と判断したときには、打数を取り消さないで、打者に安打を記録する。
   (2) 得点(ラン・・・・・・R)の数
 (3) 安打(ヒット・・・・・・H)の数
 (4) 打点(ランズバッテッドイン・・・・・・RBI)の数
 (5) 二塁打(ツーベースヒット・・・・・・2B)
 (6) 三塁打(スリーベースヒット・・・・・・3B)
 (7) 本塁打(ホームラン・・・・・・HR)
 (8) 塁打(トータルベース・・・・・・TB)
 (9) 盗塁(ストールンベース・・・・・・SB)
 (10) 犠牲バント(サクリファイスバント・・・・・・SH)
 (11) 犠牲フライ(サクリファイスフライ・・・・・・SF)
 (12) 四球(ベースオンボールズ・・・・・・BB)の総数
 (13) 故意の四球を区別して記載する。(インテンショナルベースオンボールズ・・・・・・IB)
 (14) 死球(ヒットバイピッチ・・・・・・HP)の数
 (15) 妨害(インターフェア・・・・・・Int)または走塁妨害(オブストラクション・・・・・・Ob)で一塁を与えられた数
 (16) 三振(ストライクアウト・・・・・・SO)
  (b) 各野手の記録の項目は、次のとおりである。
   (1) 刺殺(プットアウト・・・・・・PO)の数
 (2) 補殺(アシスト・・・・・・A)の数
 (3) 失策(エラー・・・・・・E)の数
 (4) 併殺(ダブルプレイ・・・・・・DP)に関与した数
 (5) 三重殺(トリプルプレイ・・・・・・TP)に関与した数
  (c)各投手の記録の項目は次のとおりである。
   (1) 投球した回数(イニングピッチド・・・・・・IP)
    【付記】 投手の投球回を求めるにあたっては、アウト一つを1/3回とする。先発投手が六回一死のとき退けば、その投手には5回1/3の投球回を記録する。先発投手が六回無死のとき退けばその投手には5回の投球回と六回に面した打者の数の説明をつける。救援投手が打者二人をアウトにしただけで退けば、その投手には2/3回の投球回を記録する。
      【注】 投手の連続イニング無失点を決定するにあたって、たとえば、五回まで無失点、六回一死をとった後に走者を残して退き、この走者が得点(自己の責任)した場合には、この1/3回を加算せず、無失点イニングは5回とする。これに反して、六回一死、走者二塁のとき、救援に出て次打者に安打されて二塁走者に得点(前任投手の責任)を許しても、それ以後この回に自己の責任となる得点を与えず、アウト二つをとった場合は、この2/3回は加算する。
   (2) 各投手のもとにおける打者数
 (3) 各投手のもとにおける打数(10・02aの1参照)
 (4) 各投手が与えた安打の数
 (5) 各投手が与えた得点の数
 (6) 各投手が与えた自責点(アーンドラン・・・・・・ER)の数
 (7) 各投手が与えた本塁打の数
 (8) 各投手のもとにおける犠牲バントの数
 (9) 各投手のもとにおける犠牲フライの数
 (10) 各投手が与えた四球の総数
 (11) 各投手が与えた故意四球の数
 (12) 各投手が与えた死球の数
 (13) 各投手が奪った三振の数
 (14) 各投手の暴投(ワイルドピッチ・・・・・・WP)の数
 (15) 各投手のボークの数・・・・・・Bk
  (d) 次の細目を付加する。
   (1) 勝投手名(ウィニングピッチャー・・・・・・W)
 (2) 敗投手名(ルージングピッチャー・・・・・・L)
 (3) 各チームの先発及び交代完了の投手名(ゲームスタート、ゲームフィニッシュ・・・・・・GS・GF)
 (4) セーブを与えられた投手名(セーブ・・・・・・S)
  (e) 各捕手の逸球(パストボール・・・・・・PB)の数
  (f ) 併殺及び三重殺に関与したプレーヤーの氏名
 【例】 併殺 = ジョーンズ ― ロバーツ ― スミス(2)。三重殺 = ジョーンズ ― スミス。
  (g) 各チームの残塁(レフトオンベース・・・・・・LOB)の数
 残塁数とは、走者となって、得点もせず、アウトにもならず、塁に残った全走者の数をいい、たとえば、内野ゴロを打って他の走者をアウトにしたため第三アウトが成立し、一塁に達するまでにその回が終わったときの打者走者を含む。
  (h) 満塁本塁打を打った打者の氏名
  (i ) フェアゴロによる併殺打(GIDP)を打った打者の氏名、すなわちフォースダブルプレイまたはリバースフォースダブルプレイとなるゴロを打った打者の氏名(2・23a、b参照)
      【注一】 たとえば、走者一塁のとき、一塁手が打者のゴロを捕って3−6−3のダブルプレイを行なえば、フォースダブルプレイとなり、アウトをとる順序を変えて3−3−6のダブルプレイを行なえば、リバースフォースダブルプレイとなる。
 また、走者満塁のとき、三塁手が打者のゴロを捕って三塁に触れた後、5−2で三塁走者をタッグアウトにしたときのように、第一アウトが一塁以外の塁でのフォースアウト、第二アウトがフォースアウトにされるはずであった走者が、塁に達する前にタッグアウトになったときも同様、リバースフォースダブルプレイである。
 なお、打者の打った飛球、ライナーを野手が落として(故意落球ではなく)前述のような併殺を行なっても、併殺打とはみなさない。
      【注二】 打者が併殺打となるようなゴロを打ったとき、第一アウトが成立した後、第二アウトに対する送球を野手が捕え損じたためにその野手に失策が記録されたときのように、併殺が完成されなかった場合でも、その打者には併殺打を記録する。
  (j ) 盗塁刺(コートスティーリング・・・・・・CS)を記録された走者の氏名
  (k) 最終回の裏三死以前に、勝敗が決まった場合には、決勝の得点が記録されたときのアウトの数
  (l ) 各チームの各イニングにおける得点
  (m) 次の順序で審判員名 ― (1)球審 (2)一塁塁審 (2)二塁塁審 (3)三塁塁審
  (n) 天候状態、停電による遅延を差し引いた正味の試合時間
   
10・03  公式記録の報告書の作成
  (a) 公式記録の報告書の作成にあたって、記録員は、まず各プレーヤーの氏名をその守備位置とともに、打撃順に従って記載する。また途中で代わって出場して、試合が終わるまでに一度も打撃につく機会がなかったプレーヤーの氏名は、予定の打撃順によって記載する。
    【付記】 プレーヤーが、他の野手と守備位置をかえたのではなく、ただ特別の打者のために自分の守備位置と違った場所に移動した場合には、これを新しい守備位置として報告書に記載しない。
【例】 (1)二塁手が外野に行って外野手が四人になった場合。
    (2)三塁手が遊撃手と二塁手の間に移動した場合。
  (b) それぞれのチームの打順表に代打者または代走者として各プレーヤーを記入した場合には(そのまま守備についた場合にも)、特殊の符号であらわし、そのチームの記録表の下方にその符号とともに交代事情の説明を加える。
 この場合にはa、b、c、d・・・・・・の符号を用いて、たとえば、aは三回Aに代わって安打した、bは六回Bに代わってフライアウトとなった、cは七回Cに代わってDをフォースアウトにした、dは九回Dに代わってゴロを打ってアウトとなった、eは九回Eの代走をした・・・・・・のような説明を加える。
 一度代打者または代走者として発表されただけで実際に試合には出場せず、さらに他の代打者または代走者と代わった場合には、fは七回Fに代わったと発表された旨を記入する。このような二番目の代打者または代走者の行為については、gは代打者と発表されたfに代わって安打した・・・・・・のように記入する。
  (c) ボックススコアの検算には次の方法を用いる。
 各チームの打数、四死球、犠牲バント及び犠牲フライ、妨害(インターフェア)及び走塁妨害(オブストラクション)による出塁数の合計と、そのチームの得点、残塁及び相手チーム刺殺(プットアウト)の合計とが、ともにそのチームの打者数と等しいかどうかを確かめ、その結果、それが一致しておれば各数字が正しいという証明になる。
   
  打撃順に誤りがあったときの記録法
  (d) 打順を誤った打者が、その誤りを指摘されないまま、打撃を完了してアウトになった後に、アピールが成立して正位打者がアウトの宣告を受けたときには、不正位打者のアウトの状態をそのまま正位打者に記録する。たとえば、不正位打者Aが遊ゴロで一塁アウトになった後、アピールによって正位打者Bがアウトになれば、Bは遊ゴロして一塁アウトになったものと記録する。
      【注一】 右は、不正位打者が、単独で一塁に触れるまでにアウトにされた場合の記録法と解し、たとえば、不正位打者が他の走者とともに併殺された場合などに、アピールがあれば、正位打者がアウトを宣告されて、不正位打者の行為は取り消されるから、その打者のアウトの状況をそのまま正位打者に記録するわけにはいかない。従ってこのような場合には、次によって捕手に刺殺を与える。
   不正位打者が走者となって出塁した後アピールがあって、正位打者がアウトの宣告を受けたときは、捕手に刺殺を与え、正位打者には打数1を記録する。従って、不正位打者がセーフとなった記録は抹殺する。
 数人の打者が、続けざまに打順を誤ったために打順が乱れた場合は、各プレイが行なわれたままを記録する。
      【注二】 たとえば、一番の打順に二番が打って三振、次に一番が中飛で二死、三番を抜かして四番、五番と続いて安打を放ったときの記録法は、一番の二死と二番の一死とアウトの順は前後するが、そのまま打者のところへ記録し、抜かされた三番をとばしたまま四番、五番と記録する。したがって、三番の打数は一つ少なくなるのは当然である。
   
  コールドゲーム及びフォーフィッテッドゲーム
  (e)(1) コールドゲームが正式試合となった場合、4・10及び4・11の規定に従って、試合終了となるまでに記録された個人とチームとの記録を、すべて公式記録に算入する。ただし、コールドゲームがタイゲームであった場合は、投手に対する勝投手、敗投手の記録だけは除く。
 (2) 試合が正式試合となった後に、フォーフィッテッドゲームになった場合は、試合終了となるまでに記録された個人及びチームの記録を、すべて公式記録に算入する。
 フォーフィッテッドゲームによって勝ちを得たチームが、相手チームよりも多くの得点を記録していたときには、10・19の規定に従って投手に対する勝投手、敗投手を決定して、公式記録に算入する。
 フォーフィッテッドゲームによって勝ちを得たチームの得点が、相手チームの得点よりも少ないか等しかった場合には、投手に対する勝投手、敗投手を記録しない。
 試合が正式試合となる前にフォーフィッテッドゲームになった場合、すべての記録は公式記録に算入しない。このさいは、フォーフィッテッドゲームとなった事情を報告する。
   
打  点
10・04  打点の記録
  (a) 打者が、安打、犠牲バント、犠牲フライ、または内野のアウト及び野手選択によって走者を得点させるか、あるいは満塁で四死球、妨害(インターフェア)および走塁妨害(オブストラクション)によって打者が走者となったために、走者に本塁が与えられて得点が記録された場合には、打者に打点を与える。
 (1) 無走者のとき、打者が本塁打を打てば、打点1を記録する。また走者を置いて、打者が本塁打を打てば、本塁打で走者とともにあげた得点の数と等しい打点を記録する。
 (2) 無死または一死で、打者の打球に対して失策があったとき三塁走者が得点した場合は、その失策がなくても、走者は得点できたかどうかを確かめ、失策がなくても得点できたと認めれば、打者には打点を与える
  (b) 打者がフォースダブルプレイまたはリバースフォースダブルプレイとなったゴロを打って走者を本塁に迎え入れても、その打者には打点は与えられない。
  (c) 打者がフォースダブルプレイとなるようなゴロを打ち、第一アウトが成立した後、一塁(または一塁以外の塁)での第二アウトに対する送球を野手が捕え損じたために、その野手に失策が記録されたときに走者が得点しても、その打者には打点は与えられない。
  (d) 野手がボールを持ちすぎたり、あるいは塁へ無用な送球をするようなミスプレイの間に走者が得点した場合には、記録員が打者に打点を与えるかどうかは、次の基準を参酌して決する。
 すなわち、このようなミスプレイにもかかわらず、この間走者が走り続けて得点した場合には、打者には打点を記録するが、いったん止まった走者が、このミスプレイを見た上で、走り直して得点した場合には、野手選択による得点と記録して、打者には打点を与えられない。
   
安  打
10・05  次の場合には安打が記録される。
  (a) フェアボールが、野手に触れる前に、フェア地域に落下するか、フェア地域の後方フェンスに当たるか、あるいはフェア地域のフェンスを越えたために、打者が安全に一塁(またはそれより先の塁)に生きた場合。
  (b) フェアボールが強すぎるか、または弱すぎたために、野手がその打球を処理しようとしたがその機会がなくて、打者が安全に一塁に生きた場合。
    【付記】 たとえば、遊撃手が処理すればアウトにできたかもしれないと思われる打球に対して、三塁手が飛び出してデフレクトしたり、あるいは途中でカットして処理しようとしたが、結局プレイができずに終わったような場合には、安打と記録する。
      【注】 "デフレクト" とは、野手が打球に触れて球速を弱めるか、あるいは打球の方向を変えたことを意味する。
  (c) フェアボールが不自然にバウンドしたために、野手の普通の守備では処理することができないか、または野手に触れる前に、投手板あるいは各塁(本塁を含む)に触れたために、野手の普通の守備では処理できなくなって、打者が安全に一塁に生きた場合。
  (d) 野手に触れないで外野のフェア地域に達したフェアボールによって、打者が安全に一塁に生きることができ、しかもその打球は、野手の普通の守備ではとうてい処理できなかったと記録員が判断した場合。
  (e) 野手に触れていないフェアボールが、走者、審判員の身体または着衣にフェア地域で触れた場合。
    【付記】 走者がインフィールドフライに触れてアウトを宣告されたときには、安打は与えられない。
  (f ) 打球を扱った野手が、先行走者をアウトにしようと試みたが成功せず、しかもその打球に対して普通に守備をしても、一塁で打者走者をアウトにできなかったと記録員が判断した場合。
    【付記】 本条各項の適用にあたって疑義のあるときは、つねに打者に有利な判定を与える。
 打球に対して非常な好守備を行なったが、続くプレイが十分でなくアウトをとることができなかった場合などには、安打を記録するのが安全な方法である。
   
10・06  次の場合には安打を記録しない。
  (a) 打者の打球で、走者が封殺(フォースアウト)されるか、または野手の失策によって封殺を免れたような場合。
  (b) 打者が明らかに安打と思われるボールを打ったにもかかわらず、進塁を義務づけられた走者(打者が走者となったため)が、次塁の触塁を誤って、アピールによってアウト(封殺)になったときは、その打者には安打を与えず、打数を記録する。
  (c) 打球を扱った投手、捕手または内野手が、次塁を奪おうとするか、もとの塁へ帰ろうとする先行走者をアウトにした場合、あるいは普通の守備でならアウトにできたにもかかわらず、失策のためにアウトにできなかった場合には、打者に安打を与えず、打数1を記録する。
      【注一】 走者がオーバースライドなどのために、いったん触れた塁を離れてアウトになったときには、打者は走者を進めることができたものとみなして、打者に安打を記録する。
      【注二】 本項でいう内野手とは、内野手が普通の守備範囲内で守備した場合だけを指し、内野手がその守備範囲を越えて外野で守備した場合には、内野手とはみなさない。たとえば走者二塁のとき、打者が遊撃手と左翼手との中間に小飛球を打ち上げた。二塁走者は、捕球されるのを懸念して離塁が少なかった。落球を見て三塁へ走ったが、遊撃手からの送球で三塁アウトになったような場合には、本項を適用しないで打者に安打を記録する。
 また外野手が打球を扱った場合には、走者がフォースアウトにされない限り、打者に安打を記録する。
  (d) 打者が一塁でアウトになるだろうと記録員が判断したとき、打球を扱った野手が先行走者をアウトにしようとして行なった送球または触球行為などが不成功に終わった場合。
    【付記】 打球を扱った野手が、ただちに打者走者に向かわないで、わずかに他の走者をうかがったり、または他の塁へ送球するふりをした(実際には送球せず)ために送球が遅れて、打者を一塁に生かした場合などには、本項を適用しないで、打者に安打を記録する。
  (e) 打球を処理しようとする野手を妨害したために、走者がアウトを宣告された場合。
 ただし、走者が守備妨害でアウトになった場合でも、記録員がその打球を安打と判断した場合には、打者には安打の記録を与える。
   
単打・長打の決定
10・07  安打を単打と記録するか、二塁打、三塁打または本塁打と記録するかは、次によって決定する。(失策またはアウトをともなった場合を除く)
  (a) 次の(b)(c)の場合を除いて、打者が一塁で止まれば単打、二塁で止まれば二塁打、三塁で止まれば三塁打、本塁に触れて得点すれば本塁打と記録する。
  (b) 塁に走者を置いて、打者の打った安打を扱った野手が、先行走者をアウトにしようと企てている間に、打者が数個の塁を奪った場合には、記録員は、打者が自らの打撃だけで得ることができた塁数ならびに野手選択によって進塁した塁数を参酌して、単打、二塁打、三塁打または本塁打を決定する。
    【付記】 先行走者が本塁でアウトになるか、失策のためにアウトを免れた場合は、打者が三塁を得ていても三塁打とは記録しない。一塁走者が三塁へ進もうとしてその塁でアウトになるか、または失策のためにそのアウトを免れた場合には、打者が二塁を得ていても二塁打とは記録しない。
 しかし、先行打者がアウトにされる機会がなかったときは、先行走者が進んだ塁に関係なく、その打者の塁打数を決定する。すなわち先行走者が一個の塁しか進めなかったり、あるいは一個も進めなかったときでも、打者には二塁打と記録される場合もあり、また先行走者が二個の塁を得ても、打者には単打しか記録されない場合もある。
【例】 走者一塁のとき、打者が右前に安打、右翼手は三塁に送球したが、走者は三塁に生き、打者は二塁を得た。 ― 記録は単打。
 走者二塁、打者がフェア飛球の安打を放った。走者は捕球を懸念してリードが少なく、三塁を得たにすぎなかった。この間に打者二進 ― 記録は二塁打。
 走者三塁、打者の打球は高いフェア飛球となる。一度リードをとった走者は、球が捕えられるとみて帰塁した。ところが球は捕えられずに安打となったが、走者は得点できず、打者はこの間に二塁を得た。― 記録は二塁打。
  (c) 長打を放った打者が、二塁または三塁を得ようとしてスライディングを試みたときには、進んだ最後の塁を確保してはじめて、二塁打または三塁打と記録する。打者がオーバースライドして塁に戻る前に触球アウトになった場合には、打者が安全に確保したと同数の塁打を与える。すなわち、打者が二塁をオーバースライドして触球アウトになれば単打を与え、三塁をオーバースライドして触球アウトになれば二塁打と記録する。
    【付記】 打者が二塁あるいは三塁をオーバーランして、その塁に戻ろうとして触球アウトになったときには、二塁打が与えられ、打者が三塁を踏んで通過し、引き返そうととして触球アウトになったときには、三塁打が与えられる。
  (d) 打者が安打を放ったが、触塁に失敗してアウトになった場合は、安全に得た最後の塁によって、単打、二塁打、三塁打を決定する。すなわち、打者が二塁を踏まないでアウトになったときには単打、三塁を踏まないでアウトになったときには二塁打、本塁を踏まないでアウトになったときには三塁打を、それぞれ記録する。一塁を踏まないでアウトになたっときには、打数1を記録するだけで、安打を記録しない。
      【注】 本項は、安打を放った打者が触塁に失敗してアウトになった場合だけでなく、前位の走者に先んじてアウトになった場合にも適用される。
  (e) 打者は、7・05または7・06(a)の規定に基づいて、二個または三個の塁あるいは本塁が与えられた場合には、打者が進んだ塁によって、それぞれに塁打、三塁打、本塁打と記録する。
   
  サヨナラ安打の塁打決定
  (f ) 10・07(g)の場合を除いて、最終回に安打を放って勝ち越し点をあげた場合、打者には勝ち越し点をあげた走者がその安打で進んだ塁と同じ数だけの塁打しか記録されない。しかもその数だけの塁を触れることが必要である。
    【付記】 6・09及び7・05中の諸規定によって、打者には数個の安全進塁権が認められて、長打が与えられたときにも、本項は適用される。
      【注】 打者は正規に前記と同数の塁に触れることが必要である。また、たとえば、最終回、走者二塁のとき、打者がバウンドでスタンドへ入るサヨナラ安打を放った場合、打者が二塁打を得るためには、二塁まで正規に進むことを必要とする。
 しかし、走者三塁のとき、打者が前記の安打を放って二塁に進んでも、単打の記録しか与えられない。
  (g) 最終回、打者がフェンス越えの本塁打を放って試合を決した場合は、打者および走者があげた得点の全部を記録する。
   
盗  塁
10・08  走者が、安打、刺殺、失策、封殺、野選、捕逸、暴投、ボークによらないで、一個の塁を進んだときには、その走者に盗塁が記録される。この細則は次のとおりである。
  (a) 走者が投手の投球に先立って、次塁に向かってスタートを起こしていたときは、たとえその投球が暴投または捕逸となっても、暴投または捕逸と記録しないで、その走者には盗塁を記録する。
    【付記】 盗塁を企てた走者が暴投、捕逸のために余分の塁を進むか、他の走者が盗塁行為によらないで進塁した場合には、盗塁を企てた走者に盗塁を記録するとともに、暴投または捕逸もあわせて記録する。
      【注一】 本盗が企てられたときだけ、三塁走者がたとえ暴投または捕逸となった投球前にスタートを起こしていても、その暴投または捕逸の助けをかりなくても得点できたと記録員が判断した場合だけ、その走者に盗塁を記録する。ただし、本塁を得た走者の進塁に対して暴投または捕逸と記録しても、その走者に盗塁を記録することはもちろんである。
      【注二】 次の場合、暴投または捕逸があっても、走者が投球に先立って盗塁を企てていれば、その走者には盗塁が記録される。
 @ 打者への四球目(フォアボール)のとき、打者の四球によって次塁が与えられなかった走者が、次塁に進むかあるいはそれ以上に進塁した場合。
 A 打者の三振目のとき、打者または走者の進塁に対して、暴投または捕逸が記録された場合。ただし、二死後、走者一塁、一・二塁、一・二・三塁のときの各走者の進塁、および走者一・三塁のときの一塁走者の進塁に対しては、盗塁は記録されない。
      【注三】 打者が捕手またはその他の野手に妨害されたときに、走者が盗塁を企てていたので、7・04(d)が適用されて次塁への進塁を許された場合、その走者には盗塁を記録する。
  (b) 走者が盗塁を企てたとき、投手の投球を受けた捕手が盗塁を防ごうと悪送球しても、盗塁だけを記録して捕手には失策を記録しない。ただし、盗塁を企てた走者が、その悪送球を利してさらに目的の塁以上に進むか、あるいは、その悪送球に乗じて他の走者が一個以上の塁を得た場合には、盗塁を企てた走者に盗塁を記録するとともに。その捕手にも失策を記録する。
  (c) 盗塁を企てるか塁を追い出された走者が挟撃されて、失策を記録されない守備側の不手ぎわからアウトを免れて、次塁に進んだ場合には、その走者に盗塁が記録される。そのプレイ中、他の走者も進塁した場合には、その走者にも盗塁を記録する。
 また、盗塁を企てた走者が挟撃され、失策を記録されない守備側の不手ぎわからアウトを免れて、もとの塁に帰ったプレイの間に、他の走者が進塁した場合、進塁した走者には盗塁を記録する。
  (d) 重盗、三重盗にさいして、ある走者が奪おうとした塁に達する前か、あるいは、塁に触れた後オーバースライドして、野手の送球によってアウトにされたときは、どの走者にも盗塁は記録されない。
      【注】 現実にアウトになった場合だけでなく、当然アウトになるはずの走者が失策によってアウトを免れたと記録員が判断した場合も同様、どの走者にも盗塁は記録されない。
  (e) 盗塁を企てた走者が、奪おうとした塁をオーバースライドした後、触球アウトにされた場合には、その塁に戻ろうとしたか、あるいはさらに次の塁を奪おうとしたかに関係なく、すべてその走者には盗塁を記録しない。
  (f ) 野手が好送球を明らかに落としたために、盗塁を企てた走者がアウトを免れたと記録員が判断した場合には、送球を落とした野手に失策を、送球した野手に補殺を記録し、走者には盗塁を記録しないで盗塁刺を記録する。
  (g) 走者が盗塁を企てた場合、これに対して守備側チームがなんらの守備行為を示さず、無関心であるときは、その走者には盗塁を記録しないで、野手選択による進塁と記録する。
      【注】 たとえば、走者一・三塁のとき、一塁走者が二塁を奪おうとした場合、捕手が三塁走者の本塁への突入をおそれて、送球しなかったときなどには、たとえ守備行為がなくても、本項を適用しないで、盗塁を記録する。
   
  盗 塁 刺
  (h) 次に該当する走者が、アウトになるか、失策によってアウトを免れたと記録員が判断した場合にはその走者に盗塁刺を記録する。すなわち、
 (1)盗塁を企てた走者 (2)塁を追い出されたために次塁へ進もうとした走者(もとの塁に戻ろうとした後に次塁へ進もうとした走者も含む) (3)盗塁を企ててオーバースライドした走者がそれである。
    【付記】 捕手が投球をそらしたのを見て走り出した走者が、アウトになるか、失策によってアウトを免れたときは、その走者に盗塁刺を記録しない。
 走者がオブストラクションによって、一個の塁を与えられた場合、その走者に盗塁刺を記録しない。
      【注一】 本項は、前記の走者が走塁をはじめたとき、次塁に走者がいなかった場合、または走者がいてもその走者も盗塁を企てていた場合だけに適用される。
      【注二】 塁を追い出された走者が、もとの塁に戻ろうとしてアウトになるか、失策によってアウトを免れた場合には、その走者に盗塁刺を記録しない。
   
犠牲バント及び犠牲フライ
10・09  犠牲バント及び犠牲フライの記録
  (a) 無死または一死で、打者のバントで一人または数人の走者が進塁し、打者は一塁でアウトになるか、または失策がなければ一塁でアウトになったと思われる場合は、犠牲バントを記録する。
  (b) 無死または一死で、バントを扱った野手が、次塁で走者をアウトにしようと試みて、無失策にもかかわらず、その走者を生かしたときは、次の〔例外〕の場合を除いて犠牲バントを記録する。
    【例外】 失策のない守備をもってしても、とうてい打者を一塁でアウトにすることは不可能であると記録員が認めたとき、バントの打球を扱った野手が、先行走者をアウト(タッグアウト、フォースアウトの区別なく)にしようとして不成功に終わった場合には、打者には単打を記録して、犠牲バントとは記録しない。
      【注】 バントを扱った野手が、ただちに打者走者に向かわないで、わずかに他の走者をうかがったり、または他の塁へ送球するふりをした(実際には送球せず)ために送球が遅れて、打者を一塁に生かした場合には、打者に単打を記録して、犠牲バントとは記録しない。
  (c) 打者のバントの打球で次塁へ進もうとする走者のうち一人でもアウト(フォースアウト、タッグアウトの区別なく)にされたときには、打者に打数を記録するだけで、犠牲バントとは記録しない。
      【注一】 たとえば、バントで二進した一塁走者が二塁をオーバーランまたはオーバースライドして野手に触球されてアウトになった場合には、打者が走者を安全に次塁に送っているにもかかわらず、走者自身の失敗でアウトになったもので、打者はその責任を果たしているから犠牲バントを記録する。
      【注二】 走者がアウトになった場合だけでなく、当然アウトになるはずのときに、野手が悪送球、落球、ファンブルなどのミスプレイによって走者を生かした場合も同様、犠牲バントとは記録しないで、その野手に失策を記録する。しかし、このようなミスプレイがあった場合には、そのミスプレイがなくても走者が進塁することができたかどうかを判断して、ミスプレイがなくても進塁することができたと判断した場合には、犠牲バントを記録し、また、このミスプレイでその走者が余分の塁を得た場合には、失策も合わせて記録しなければならない。
  (d) 打者がバントをしたとき、一人または数人の走者を進めるためでなく、安打を得るためであったことが明らかであったと記録員が判断したときには、打者には犠牲バントを記録しないで、打数を記録する。
    【付記】 本項の適用にあたって疑義のあるときには、つねに打者に有利に扱う。
  (e) 犠牲フライの記録。
 無死または一死で打者が飛球またはライナーを打って、外野手または外野の方まで廻り込んだ内野手が、
 (1) 捕球した後、走者が得点した場合、
 (2) 捕球し損じたときに走者が得点した場合で、かりにその打球が捕えられていても、捕球後走者は得点できたと記録員が判断した場合、
には、犠牲フライを記録する。
    【付記】 捕球されなかったので打者が走者となったために、野手が他の走者をフォースアウトにした場合も、本項(2)にあたるときは、犠牲フライを記録する。
      【注一】 ファウル飛球の場合も、(1)にあたるときには、犠牲フライと記録する。
      【注二】 たとえば、一死、走者一・三塁で、打者が右翼フライを打ち上げたので、二走者はともに、自己の塁にタッグアップしていたとき、右翼手はこのフライを捕球し損じた。三塁走者はやすやすと得点したが、右翼手はただちに二塁へ送球して、一塁走者をフォースアウトにした。この場合、三塁走者が、右翼手の落球または二塁でのフォースアウトを利して(フライアウトを利したのではない)得点したと記録員が判断した場合には、打者には犠牲フライを記録しない。これに反して、三塁走者は、たとえこのフライが捕えられても、捕球後できた(フォースアウトまたは落球を利したのではない)と記録員が判断した場合には、打者には犠牲フライを記録する。
   
プットアウト
10・10  刺殺(プットアウト)は、次の場合に記録される。
 野手が、(1)フェアまたはファウルの飛球、ライナーを捕えて打者をアウトにした場合。(2)送球を受けて打者または走者をアウトにした場合。(3)正規に占有した塁を離れている走者に触球してアウトにした場合。
  (a) 次の場合には、規則による刺殺(現実に刺殺者がない場合、特に定めた刺殺者をいう)を捕手に与える。
   (1) 打者が反則打球によって、アウトの宣告を受けたとき。
 (2) 打者が2ストライク後に試みたバントの打球を、野手がフライとして捕えないでファウルボールとなったため、6・05(d)によってアウトの宣告を受けたとき。(ファウルバントが飛球として野手に捕えられた場合については、10・17(a)(4)の〔付記〕参照)
 (3) 打者が自らの打球に触れて、アウトを宣告されたとき。
      【注】 本塁付近で触れた場合に本項を適用し、一塁付近で触れた場合は一塁手に刺殺を与える。
   (4) 打者が捕手を妨害(インターフェア)して、アウトを宣告されたとき。
 (5) 打者が打撃順を誤って、アウト宣告されたとき。(10・03d参照)
 (6) 4・09(b)でペナルティの適用を受けて、打者がアウトになった場合。
 (7) 4・09(b)でペナルティの適用を受けて、三塁走者がアウトになった場合。
      【注】 前記のほかに、次の場合も捕手に刺殺を与える。
 @ フェアの打球にバットが再び当たったために、打者が6・05(h)の適用を受けてアウトを宣告されたとき。
 A フェア飛球またはファウル飛球に対する捕手のプレイを、打者または攻撃側プレーヤーが妨害してアウトを宣告されたとき。
 B 無死または一死で、走者が一塁にあるとき、打者が三振のアウトを宣告され、捕手がこれを捕えなかった場合。
 C 2ストライク後、空振りしたボールが打者の身体に触れるか、空振りした後に振りもどしたバットに投球または捕手に触れて、打者が三振のアウトを宣告されたとき。
 D 飛球を捕えようとしている捕手が観衆の妨害行為のために捕球できなかたったが、その理由で打者がアウトを宣告されたとき。
 E 打者が一方から他方のバッタースボックスに移ったために、アウトを宣告されたとき。
 F 無死または一死で、三塁走者に対する本塁における捕手のプレイを打者が妨害したために、走者に対してアウトが宣告されたとき。
  (b) 次の場合は、それぞれ規則による刺殺(プットアウト)を記録する。(通常補殺は記録しないが、特殊の場合には、補殺をも記録する)
   (1) 打者がインフィールドフライの宣告でアウトになったが、誰もこれを捕えなかった場合 ― 記録員がその打球を捕えたであろうと判断した野手に刺殺を与える。
 (2) 走者がフェアボール(インフィールドフライを含む)に触れて、アウトを宣告された場合 ― その打球の最も近くにいた野手に刺殺を与える。
 (3) 走者が野手の触球を避けて、線外を走ったのでアウトの宣告を受けた場合 ― 走者が避けたその野手に刺殺を与える。
 (4) 後位の走者が、前位の走者に先んじて、アウトの宣告を受けた場合 ― 走者が先んじた地点に最も近い野手に刺殺を与える。
      【注】 後位の走者が前位の走者に先んじてアウトになったときに、現実にプレイが行なわれていれば、これに関与した野手に刺殺と補殺とを与える。現実にプレイが行なわれなかったときでも、記録員が刺殺と補殺とを与えることができると推定すれば、それらの野手に刺殺と補殺とを与える。補殺を与えることができないと記録員が判断した場合には、刺殺だけを与える。
   (5) 走者が逆走してアウトの宣告を受けた場合(7・08i) ― 逆走しだした塁をカバーした野手に刺殺を与える。
 (6) 走者が野手を妨害してアウトを宣告された場合 ― 妨害された野手に刺殺を与える。
 (7) 6・05(m)により、前位の走者の妨害行為に基づいて、打者走者がアウトの宣告を受けた場合 ― 一塁手に刺殺を与える。
 前項および本項によって、送球を妨げられた野手には補殺を記録するが、一つのプレイ中に同一野手が数回送球を扱った場合、すなわち挟撃に類するプレイ中に、送球を扱った野手が次の送球行為を妨げられたようなときには、ただ一個の補殺を記録するだけである。(10・11参照)
   
アシスト
10・11  補殺(アシスト)は、あるプレイでアウトが成立した場合、または失策がなければアウトにできたと思われる場合に、そのアウトが成立するまでに、またはその失策が生じるまでに、送球したり、打球あるいは送球をデフレクトして送球を扱った各野手に与える。
 ただし、挟撃のときのように、一プレイ中に同一プレーヤーが数回送球を扱っていても、与えられる補殺はただ一個に限られる。
    【付記】 "デフレクト" とは、野手がボールに触れて球速を弱めるか、あるいはボールの方向を変えたことを意味するものであるから、ただ単にボールに触れたということだけでは、そのプレイを援助したものとみなされない。したがって、補殺は与えられない。
  (a) 走者がインターフェアまたはラインアウトでアウトになったプレイ中、送球したり、ボールをデフレクトした各野手には、補殺が与えられる。
  (b) 三振が記録された場合には、投手に補殺は与えられない。ただし、捕手が捕えなかった第三ストライクの投球を投手が守備して塁に送球し、打者または走者をアウトにした場合には、投手に補殺が与えられる。
      【注】 本項後段の場合で、投手の送球が悪送球となって打者または走者を生かしたとき、送球がよければアウトにできたと記録員が判断すれば、その投手に失策を記録する。
  (c) 次のような正規の投球に基づくプレイの場合には、投手に補殺は与えられない。
 すなわち、投球を受けた捕手が、野手に送球して、離塁しているかまたは盗塁を企てた走者をアウトにしたり、あるいは本盗を試みた走者を触球アウトにした場合がそれである。
      【注】 投手が投手板をはずして送球したときは、それが本盗を試みた走者を捕手が触球アウトにした場合でも、投手には補殺が与えられる。
  (d) 野手の悪送球を利して、走者が次塁を奪おうと試み、続くプレイでアウトにされても、悪送球した野手には補殺は与えられない。
 あるプレイ中に、失策と記録されるかどうかに関係なく、ミスプレイがあり、それに続いてさらにプレイが行なわれても、そのミスプレイ後のプレイは新たなプレイとみなすべきで、ミスプレイをした野手は、改めて新たなプレイにたずさわらない限り、補殺の記録を得ることはできない。
   
ダブルプレイ ― トリプルプレイ
10・12  ボールが投手の手を離れてからボールデッドとなるまでか、あるいは、ボールが投手の手に戻って投手が次の投球姿勢に移るまでの間に、途中に失策またはミスプレイ(失策と記録されない)がなく、二人または三人のプレーヤーをアウトにした場合、このプレイ中に刺殺または補殺を記録した各野手には、ダブルプレイ、トリプルプレイに関与した旨が記録される。
    【付記】 ボールが投手の手に戻った後であっても、次の投球姿勢に移るまでに、アピールプレイによって先のアウトに引き続いてアウトが成立した場合も同様、ダブルプレイまたはトリプルプレイが成立したものとみなす。
      【注一】 定められた期間内に二つのアウトがあっても、双方のアウトに関連性がないときには、ダブルプレイとはしない。つまり第一プレイの刺殺者が第二プレイの補殺者とならないかぎり、ダブルプレイとはならない。トリプルプレイの場合も同様である。
      【注二】 たとえば、走者一塁のとき、打者が一塁にゴロを打ち、打球と捕った一塁手は、遊撃手に送球した。これ受けた遊撃手は、二塁に触れて一塁走者をフォースアウトにし、さらに一塁手に転送球して打者も一塁でアウトにした。このダブルプレイにおいて、一塁手と遊撃手はそれぞれ補殺と刺殺を各一個ずつ記録しているが、ダブルプレイに関与した数に関しては、各一個を与えられるにすぎない。
   
失  策
10・13  打者の打撃の時間を延ばしたり、アウトになるはずの走者(打者走者を含む)を生かしたり、走者に一個以上の進塁を許すようなミスプレイ(たとえばファンブル、落球、悪送球)をした野手に、失策を記録する。
    【付記一】 はっきりとしたミスプレイをともなわない緩慢な守備動作は、失策とは記録しない。
    【付記二】 次のような場合には記録員が失策を記録するにあたって、野手がボールに触れたか否かを判断の基準とする必要はない。たとえば、平凡なゴロが野手に触れないでその股間を通り抜けたり、平凡なフライが野手に触れないで地上に落ちたようなときには、野手が普通の守備行為をすれば捕ることができたと記録員が判断すれば、その野手に失策を記録する。
    【付記三】 頭脳的誤り、または判断の誤りは、失策と記録しない。ただし、本規則で特に規定された場合を除く。
  (a) 野手がファウル飛球を落として、打者の打撃の時間を延ばした場合は、その野手に失策を記録する ― その後打者が一塁を得たかどうかには関係しない。
      【注】 野手が普通の守備行為でなら捕えることができたと記録員が判断したときだけ、失策を記録する。(10・14e参照)
  (b) 野手がゴロを捕るか、送球を受けて、一塁または打者走者に触球すれば十分アウトにできたにもかかわらず、触球し損じたために打者走者を生かした場合には、その野手に失策を記録する。
  (c) フォースプレイにおいて、野手がゴロを捕るか、送球を受けて、一塁または打者走者に触球すれば十分アウトにできたにもかかわらず、触球し損じたために走者を生かした場合には、その野手に失策を記録する。
      【注】 前記のフォースプレイによるアウトの場合だけに限らず、タッグアウトの場合でも、野手が走者に触球すれば十分アウトにできたにもかかわらず、触球し損じたために、走者を生かしたときには、その野手に失策を記録する。
  (d)(1) 送球がよければ走者をアウトにできたと記録員が判断したときに、野手が悪送球をしたために走者を生かした場合には、その野手に失策を記録する。ただし、走者が盗塁を企てたとき、盗塁を防ごうとした野手が悪送球をしても、本項の失策は記録されない。
 (2) 野手が、走者の進塁を防ごうとして悪送球した場合に、その走者または他の走者が、その送球とは関係なく進塁できたと思われる塁よりも余分に進塁したときには、その野手に失策を記録する。
 (3) 野手の送球が、不自然なバウンドをしたり、各塁、投手板、走者、野手あるいは審判員に触れて変転したために、走者に進塁を許した場合には、このような送球をした野手に失策を記録する。
    【付記】 この規則は、正確に送球した野手にとっては酷にすぎるように見えるが、走者の進んだ各塁については、その原因を明らかにしなければならない。
      【注】 夜間照明のライトまたは太陽の光線が、プレーヤーの目を射て、捕球が妨げられた場合にも、前記と同様、送球した野手に失策を記録する。
   (4) 前述の場合、悪送球によって進塁した走者の数および塁数には関係なく、常にただ一個の失策を記録する。
  (e) 時機を得たしかも正確な送球を野手が止め損なうか、または止めようとしなかったために、走者の進塁を許した場合には、その野手に失策を記録し、送球した野手には失策を記録しない。もしそのボールが二塁に送られたときには、記録員は、二塁手または遊撃手のうちのどちらかがその送球を止めるはずであったかを判断して、その野手に失策を記録する。
    【付記】 野手が送球を止め損なうか、止めようとしなかったために、走者の進塁を許したが、その送球が時機を失したものと記録員が判断した場合には、このような送球をした野手に失策を記録する。
  (f ) 審判員が打者または走者に妨害もしくはオブストラクションで進塁を許したときには、このような妨害行為を行なった野手に失策を記録する。この場合、進塁を許された走者の数および塁数には関係なく、常にただ一個の失策を記録する。
    【付記】 審判員がオブストラクションによって、打者または走者に与えた塁と、プレイによって打者または走者が進むことができたと思われる塁とが一致したと記録員が判断したときには、オブストラクションをした野手には失策を記録しない。
      【注】 たとえば、打者が三塁打と思われる打球を放って一塁を経て二塁に進むとき、一塁手に走塁を妨げられ、審判員が打者に三塁を与えた場合などには、打者に三塁打を記録し、一塁手には失策を記録しない。
 一塁走者が一・二塁間でランダウンされたとき、二塁手がオブストラクションをしたために、審判員がその走者に二塁を与えた場合などには、その二塁手に失策を記録する。
   
10・14  次の場合には、失策を記録しない。
  (a) 走者が盗塁を企てたとき、投手の投球を受けた捕手が盗塁を防ごうとして悪送球しても、その捕手には失策を記録しない。ただし、盗塁を企てた走者がその悪送球を利して、さらに目的の塁以上に進むか、あるいはその悪送球に乗じて、他の走者が一個以上進塁したと記録員が判断した場合には、その捕手には失策を記録する。
  (b) 野手が普通に守備して、しかも好球を送っても、走者をアウトにすることはできなかったと記録員が判断した場合には、野手が悪送球しても、その野手には失策を記録しない。ただし、その悪送球によって、その走者または他のいずれかの走者が、送球がよくても進塁できたと思われる塁以上に進塁したときには、その野手には失策を記録する。
      【注】 野手が難球に対して非常に好守備をしたが、体勢が崩れたために悪送球した場合には、送球がよければ、打者または走者をアウトにできたかもしれないと思われるときでも、その野手には失策を記録しない。ただし、本項後段のような状態になったときには失策を記録する。
  (c) 野手が、併殺または三重殺を企てた場合、その最後のアウトをとろうとした送球が悪球となったときは、このような悪送球をした野手には失策を記録しない。ただし、その悪送球のために、いずれかの走者が余分な塁に進んだときには、このような悪送球をした野手に失策を記録する。
    【付記】 併殺または三重殺のとき、最後のアウトに対する好送球を野手が落としたときには、その野手には失策を記録し、好送球をした野手には補殺を与える。
  (d) 野手が、ゴロをファンブルするか、飛球、ライナー、送球を落とした後、ただちにボールを拾って、どの塁ででも走者を封殺した場合には、その野手には失策を記録しない。
      【注一】 本項は、アウトが成立した場合だけでなく、塁に入った野手が送球を捕え損じて封殺しそこねた場合にも通用する。このさいは、送球を捕え損じた野手に失策を記録する。
      【注二】 送球を受けた野手が、塁または走者に触球すれば十分アウトにできたにもかかわらず、触球し損じたために走者を生かしたが、ただちに他の塁に送球して走者(打者走者を含む)を封殺した場合にも本項を適用する。
  (e) 無死または一死のとき、三塁走者がファウル飛球の捕球を利して得点するのを防ごうとの意図で、野手がそのファウル飛球を捕えなかったと記録員が判断した場合には、その野手には失策を記録しない。
  (f ) 投手及び捕手は、他の野手にくらべてボールを扱う機会が非常に多いので、投球に関連するミスプレイは "暴投" または "捕逸" と呼んで、その記録上の処理については、10・15に明示する。したがって、このような暴投及び捕逸は、失策と記録しない。
 (1) 打者が四死球で一塁を許されるか、暴投または捕逸によって一塁に生きた場合には、投手または捕手には失策を記録しない
  (@) 第三ストライクが暴投となり、打者が一塁に生きた場合は、三振と暴投とを記録する。
  (A) 第三ストライクを捕手が逸したために打者が一塁に生きた場合は、三振と捕逸とを記録する。
      【注】 第三ストライクを捕え損じた捕手が、ただちに投球を拾いなおして一塁に送ったが、悪送球となって打者走者を生かした場合、送球がよければアウトにできたと記録員が判断すれば、暴投または捕逸を記録しないで、捕手に失策を記録する。
 ただし、捕手の悪送球とは関係なく、打者走者が一塁に生きたと記録員が判断すれば、捕手には失策を記録しないで、暴投または捕逸を記録する。もっともこの悪送球によって打者走者が二塁以上に進むか、他の走者が送球がよくても進塁できたと思われる塁以上に進んだ場合には、暴投または捕逸を記録するとともに、悪送球した捕手に失策を記録する。
   (2) 走者が、捕逸、暴投またはボークによって進塁した場合には、投手または捕手には失策を記録しない。
  (@) 打者に対する四球目(フォアボール)が暴投または捕逸となったために、打者または走者が進塁して、次のどれかに該当した場合には、四球とともに暴投または捕逸を記録する。
   @ 打者が一挙に二塁に進んだ場合。
   A 走者が打者の四球によって進塁を許された塁以上に進んだ場合。
   B 打者の四球によって進塁を許されなかった走者が、次塁に進むか、あるいはそれ以上の塁に進んだ場合。
  (A) 第三ストライクの投球を捕え損じた捕手が、ただちにボールを拾い直して一塁に送るか、または触球してアウトにする間に、他の走者が進塁した場合には、その走者の進塁を暴投または捕逸による進塁とは記録しないで、アウトになったプレイに基づく進塁と記録する。従って、打者には三振を、各野手にはそのプレイに応じて刺殺、補殺を記録する。
      【注】 前記の場合、捕手が打者走者をアウトにする代わりに、他のいずれかの走者をアウトにしたときも同様に扱う。ただし、無死または一死で、一塁に走者がいたので、打者が規則によってアウトとなったとき、走者が暴投または捕逸で進塁した場合には、走者には暴投または捕逸による進塁と記録し、打者には三振を記録する。
   
暴投 ― 捕逸
10・15  暴投と捕逸の記録
  (a) 投手の正規の投球が高すぎるか、横にそれるか、低すぎたために、捕手が普通の守備行為では止めることも処理することもできず、そのために走者を進塁させた場合には、暴投が記録される。
 (1) 投手の正規の投球が、本塁に達するまでに地面に当たり、捕手が処理できず、そのために走者を進塁させた場合には、暴投が記録される。
  (b) 普通の守備でなら保持することができたと思われる投手の正規の投球を、捕手が保持または処理しないで、走者を進塁させたときには、捕手に捕逸が記録される。
   
四球 ― 故意四球
10・16  四球と故意四球の記録
  (a) ストライクゾーンの外に四個の投球が投げられて、打者が球審から一塁を与えられたときには、四球が記録される。しかし、四球目(フォアボール)の投球が打者に触れたときは、死球が記録される(一個の四球に対して二人の投手が関与した場合については、10・18hに規定がある)。10・17(b)に規定されているように、一つの四球に二人以上の打者が関与したときは、最後の打者に四球の記録が与えられる。
  (b) 故意四球は、投球する前から立ち上がっている捕手に四球目(フォアボール)にあたるボールを、投手が意識して投げた場合に、記録される。
 (1) 四球を与えられた打者が一塁に進まなかったためにアウトを宣告された場合には、四球を取り消して、打数を記録する。(10・10aの6、7参照)
   
三  振
10・17  三振の記録
  (a) 次の場合には、三振が記録される。
   (1) 捕手が第三ストライクを捕えたので、打者がアウトになった場合。
 (2) 無死または一死で走者が一塁にいるときに、第三ストライクが宣告されて、打者がアウトになった場合。
 (3) 捕手が第三ストライクを捕えなかったので、打者が走者となった場合。
 (4) 2ストライク後、打者がバントを企ててファウルボールとなった場合。
    【付記】 そのバントがファウル飛球として野手に捕えられた場合には、三振と記録せず、そのファウル飛球を捕えた野手に刺殺を記録する。
  (b) 打者が2ストライク後退いて、代わった打者が三振に終わったときには、最初の打者に三振と打数を記録し、代わって出場した打者が三振以外で打撃を完了した(四球を含む)場合には、すべてその代わって出場した打者の行為として扱う。
      【注】 一打席に三人の打者が代わって出場し、三人目の打者が三振に終わったときには、2ストライクが宣告されたときに打撃についていた打者に、三振と打数を記録する。
   
自 責 点
10・18  自責点とは、投手が責任を持たなければならない得点である。
 自責点を決定するにあたっては、次の二点を考慮する
 まず、イニングについて、同一イニングに二人以上の投手が出場したときの救援投手は、出場するまでの失策(捕手の妨害を含む)または捕逸による守備機会を考慮されることなく、それまでのアウトの数をもとにしてあらためてイニングを終わらさなければならない。(i項参照)
 ついで、走者が進塁するにあたって失策があったときは、その失策がなくても進塁できたかどうかに疑問があれば、投手に有利になるように考慮する。
  (a) 自責点は、安打、犠牲バント、犠牲フライ、盗塁、刺殺、野手選択、四死球(故意四球も含む)、ボーク、暴投(第三ストライクのときに暴投して打者を一塁に生かした場合も含む)により、走者が得点するたびごとに記録される。ただし、守備側が相手チームのプレーヤーを三人アウトにできる守備機会をつかむ前に、前記の条件をそなえた得点が記録された場合に限られる。なお、守備側の妨害は、ここでいうアウトにできる守備機会に含まれる。
 (1) 暴投は投手の投球上の過失であって、四球またはボークと同様、自責点の決定にあたっては、投手が責任を負う。
      【注一】 ここでいう "攻撃側プレーヤーをアウトにできる守備機会" とは、守備側が打者または走者をアウトにした場合と、失策のためにアウトにできなかった場合とを指し、以下これを "アウトの機会" という。
 本項後段は、守備側に相手チームのプレーヤー二人に対するアウトの機会があった後、前記の得点があっても、次に該当する場合は、投手の自責点とならないことを規定している。すなわち、
 @ その得点が三人目のアウトを利して記録された場合、あるいはそのアウトが成立したとき、またはそれ以後に記録された場合。
 A その得点が三人目のプレーヤーが失策のためにアウトにならなかったときに記録されるか、またはそれ以後に記録された場合である。
 たとえば、無死A中前安打、B投前バントを試みたとき、投手よりの送球を一塁手が落球して走者一・二塁となり、Cの三前バントで走者を二・三塁に進めた後、D中堅手にフライを打ち、Aはこのフライアウトを利して得点し、E三振に終わった。このイニングには投手の自責点はない。
 無死A三ゴロ失に生き、B三振、Cの二ゴロでAをフォースアウトにしようとした二塁手からの送球を遊撃手が落球して走者一・二塁、D本塁打、E投ゴロ、F三振に終わった。このイニングには投手の自責点はない。
       攻撃側プレーヤーに対する "アウトの機会" を数えるにあたっては、種々の場合があるので、次に列記する。
 @ 打者がファウルフライ失によって打撃時間を延ばされたとき、妨害または走塁妨害で一塁を得たとき、捕手の第三ストライクの後逸によって一塁を得た(第三ストライクのときの投手の暴投を除く)とき、野手の失策によって一塁を得たとき、失策のためにアウトを免れた走者に対して打者の行為に起因した野手の選択守備の結果一塁を得たときは、いずれも打者に対するアウトの機会は一度と数える。
 A ファウルフライ失によって打撃時間を延ばされた打者が、アウトになったとき、または野手の失策によって一塁を得たとき、アウトの機会は二度あったように見えるが一度と数える。
 また、この打者の打撃行為に起因した野手の選択守備の結果打者が一塁を得たときは、守備の対象となった走者がすでにアウトの機会があったどうかに関係なく、このプレイにおけるアウトの機会は二度と数える。(打者についてはアウトの機会が一度あったことになる)
 B 一度アウトの機会のあった打者または走者が、他の打者の行為とみなされない原因、たとえば盗塁またはこれに類する行為あるいは余塁を奪おうとした行為でアウトになったとき、または失策のためにそのアウトを免れたときは、アウトの機会は二度あったように見えるが、一度と数える。
 C 一度アウトの機会のあった打者または走者が、他の打者の行為に起因した野手の選択守備でアウトになったとき、または失策のためにそのアウトを免れたときは、アウトの機会は二度と数える。
 D 一度アウトの機会のあった打者または走者が、他の打者とともに併殺となったときは、アウトの機会は三度あったように見えるが、二度と数える。
      【注二】 @自責点となるべき要素は、安打、犠牲バント及び犠牲フライ、盗塁、刺殺、野手選択、四死球(故意四球)、ボーク、暴投であり、A自責点に含んでならない要素は、守備失策、捕手または野手の妨害、走塁妨害、捕逸、ファウルフライ失である。
 Aの要素で一塁に生きたり、または本塁を得た場合はもちろん、二塁、三塁を進むにあたっても、Aの要素に基づいた場合には、自責点とはならない。ただし、二塁、三塁をAの要素で進んだ走者が得点した場合でも、これらのミスプレイの助けをかりなくても得点できたと思われるときには、自責点とする。(10・18d参照)
 さらに、アウトになるはずの走者が、失策によってアウトを免れた後に得点した場合には、自責点とはならない。
 また、守備側の失策があった場合でも、その走者は失策と無関係に進塁したと記録員が判断したときは、Aの要素で進んだものとならないで自責点となる。右の二点に特に注意を要する。
  (b) 次の理由で打者が一塁を得た後、得点することがあっても、自責点とはならない。
   (1) ファウル飛球の落球によって打撃の時間を延ばされた打者が、安打その他で一塁を得た場合。
 (2) 妨害または走塁妨害で一塁を得た場合。
 (3) 野手の失策で一塁を得た場合。
      【注】 失策によってアウトを免れた走者に対して、打者の行為に起因した野手の選択守備の結果、打者が一塁を得た場合も、本項同様に扱う。
  (c) 失策がなければアウトになったはずの走者が、失策のためにアウトを免れた後、得点した場合は、自責点とはならない。
      【注】 本項は、原則として走者に対する守備が現実に行なわれ、失策によってアウトを免れた場合に適用すべきであるが、フォースプレイで、野手が走者をアウトにしようとするプレイをしないで失策した場合(たとえば、ファンブル、後逸など)、その失策によって走者が明らかに封殺を免れたと記録員が判断したときには、本項を適用してもさしつかえない。
  (d) 失策、捕逸、あるいは守備側の妨害、または走塁妨害の助けをかりて進塁した走者が得点した場合、このようなミスプレイの助けをかりなければ得点できなかったと記録員が判断したときだけ、その走者の得点は自責点とならない。
      【注一】 走者が得点したさい、自責点とするかどうか否かを決定するにあたっては、ミスプレイの助けがなかったら進塁もまた得点もできなかったと記録員が判断した場合だけに本項を適用し、その他の場合、すなわち、現実にミスプレイの助けをかりて進塁していたが、もし、そのミスプレイの助けがなくても、その後の自責点となる要素に基づいて当然進塁して得点できたと記録員が判断した場合には、自責点とする。
        【例一】 安打で出塁して一塁走者Aが、捕逸で二塁に進んだ後、Bの単打で得点したような場合には、自責点としないで(単打でなく、三塁打以上の長打で得点した場合には自責点となる)が、Bが四球で出塁し、Cの単打で得点したような場合には自責点とする。
        【例二】 A四球、B三ゴロ失で走者一・二塁の後、C、D四球を得て、Aが得点したような場合、失策のためアウトを免れたBがいなければ、AはDの四球によって得点できなかったから、Aの得点を自責点としない。しかし、Dが二塁打以上の長打を打って、A、Bが得点した場合には、Aを自責点とする。
        【例三】 A四球で出塁し、捕逸で二塁に進み、Bは三ゴロでアウトになり、Aは二塁にとどまっていた後、Cの単打で得点したような場合、Aは、Bの内野ゴロアウトを利して二塁に進むことができたとはみなさないで、Aの得点は自責点としない。もっとも、Cの三塁打以上の長打で得点したような場合には、自責点とする。
      【注二】 満塁のとき、打者が捕手または野手の妨害によって一塁を得たために三塁走者が得点した場合には、三塁走者の得点は自責点としない。
      【注三】 ファウルフライ失によって打撃時間を延ばされた打者の打撃を完了したプレイに基づく走者の進塁は、ミスプレイの助けをかりた進塁とみなす。
  (e) 投手の守備上の失策は、自責点を決定する場合、他の野手の失策と同様に扱って、自責点の要素からは除かれる。
  (f ) 走者が進塁するにあたって野手の失策があったとき、その走者の進塁が失策に基づくものかどうかを決める場合(失策による進塁ならば自責点とはならない)には、もし無失策の守備だったら、はたしてその塁に進むことができたかどうかを仮想して決めるのであるが、そこに疑問の余地があれば、投手に有利になるように判定すべきである(すなわち失策によって進塁したように決める)。
  (g) ある投手が回の途中で走者を残して退いた後を救援投手が受け継ぎ、その任務中に、前任投手が残した走者が得点した場合はもちろん、救援投手に対した打者の打球が、野手の選択守備で前任投手が残した走者をアウトにしたために、塁に出た打者が得点した場合にも、その得点は(いずれの場合も自責点、非自責点を問わない)前任投手のものとして数える。
    【付記】 ここでは、残された走者の数が問題であって、走者が誰であったかにこだわる必要はない。前任投手が走者を残して退き、救援投手が出場して、その回の任務中に得点が記録されたときは、次の例外を除いて、たとえ残した走者がアウトにされることがあっても、その残した走者の数までは、前任投手が責任を負わなければならない。
すなわち残された走者が盗塁に類する行為または妨害など、打者の行為によらないでアウトになったときは、残された走者の数は減ぜられる。例としてFがある。
    【例】 @ 投手甲、四球のAを塁に残して退き、投手乙が救援、Bがゴロを打ってアウトになり、Aを二塁に進める、Cはフライアウト、Dが単打してAが得点 ― 投手甲の失点。
 A 投手甲、四球のAを残して退き、乙救援、BはAを二塁で封殺、Cゴロを打ってアウトになり、Bを二塁に進める。Dの単打でB得点 ― 投手甲の失点。
 B 投手甲、四球のAを残して乙と代わる。B単打して、Aを三塁に送る、C遊ゴロしてAを本塁でアウトにする。この間B二進、Dフライアウト、E単打してB得点 ― 投手甲の失点。
 C 投手甲、四球のAを残して乙と代わる。B四球、Cフライアウト、Aは捕手からの送球で二塁を追い出されてアウト(これで甲の走者はいないことになる)、D二塁打して、B一塁から得点 ― 投手乙の失点。
 D 投手甲、四球のAを残して乙と代わる。B四球後さらに丙と代わる、Cの打球でAを三塁に封殺、Dの打球もBを三塁に封殺、E3点本塁打する ― 投手甲、乙、丙ともに失点各1。
 E 投手甲、四球のAを残して乙と代わる。B四球、C単打して満塁、DはAを本塁に封殺、Eは単打してBとCを本塁に送る ― 投手甲、乙ともに失点各1。
 F 投手甲、四球のAを残して乙と代わる。B単打したが、Aは三塁を奪おうとしてアウト、その間にBは二進、C単打してB得点 ― 投手乙の失点。
      【注一】 例@ 投手甲、二ゴロ失に生きたAを残して乙と代わる。B四球後、Cの打球はAを三塁に封殺、D3点本塁打する ― Cが投手甲の失点(非自責点)となり、B、Dが投手乙の失点(自責点)となる。
 例A 投手甲、三ゴロ失に生きたAを残して乙と代わる。B四球後、Cの打球はAを三塁に封殺、D単打してB得点、E、F凡退 ― Bが甲の失点(非自責点)となる。
       【注二】 本項〔付記〕の後段に述べられている前任投手の残した走者の数が減ぜられる場合には、前任投手の残した走者が救援投手に対した打者と共に併殺されるか、または救援投手に対した打者の行為で前任投手の残した二走者が併殺された(このさいは、一が減ぜられるだけ)場合、及び前任投手の残した走者が余塁を奪おうとしてアウトになった場合も含む。
  (h) 前任投手が打者の打撃を完了させないで退いたときには、次の要項によって各投手の責任が明らかにされる。
   (1) 投手が代わって出場した当時、ボールカウントが次のようなときであって、その打者が四球を得た場合には、その四球を得た打者を前任投手が責を負うべき打者として記録し、救援投手の責任とはならない
     
ボ ー ル  ・・・・・・  2  2  3  3  3
     |  |  |  |  |
ストライク  ・・・・・・  0  1  0  1  2
   (2) 前記の場合、打者が四球以外の理由、すなわち安打、失策、野選、封殺、死球などで一塁に生きたときは救援投手の責任とする。(打者がアウトになったときも救援投手の責任となる)
    【付記】 このことは10・18(g)に抵触するものではない。
   (3) 投手が代わって出場した当時、打者のボールカウントが次のような場合には、その打者及びその打者の行為はすべて救援投手の責任とする
     
ボ ー ル  ・・・・・・  2  1  1  1  0  0
     |  |  |  |  |  |
ストライク  ・・・・・・  2  2  1  0  2  1
  (i ) 同一イニングに二人以上の投手が出場したときの救援投手は、そのイニングでの自責点の決定にあたっては、出場するまでの失策または捕逸によるアウトの機会の恩恵を受けることはできない。
    【付記】 本項の目的は、救援投手が自責点にならないことを利用して、無責任な投球をするのを防ぐためのものである。
 救援投手にとっては自責点となっても、チームにとっては自責点とならない場合がある。
    【例一】 二死、投手甲、四球のAと失策で出塁したBとを残して投手乙と代わる。Cが三点本塁打する。 ― 投手甲の自責点はなし。投手乙の自責点は1。
【例二】 二死、投手甲、四球のAとBを残して投手乙と代わる。C失策で出塁。D満塁本塁打する。 ― 投手甲、乙とも失点2、自責点はなし。
【例三】 無死、投手甲、四球のAと失策で出塁したBとを残して投手乙と代わる。C3点本塁打する。D、Eともに三振。F失策で出塁。G2点本塁打する。 ― 投手甲失点2、自責点1。投手乙失点3、自責点1。
      【注】 イニングの途中から出場した救援投手の自責点の決定にあたって本項が適用されるために、チームの自責点より、投手個人の自責点のほうが多くなる場合がある。なお、救援投手が自責点となる走者を残して退いても、それ以後の失策または捕逸によるアウトの機会の恩恵を受けることはできる。
   
勝投手、敗投手の決定
10・19  勝投手、敗投手の決定
  (a) 先発投手は、最少五回を完投した後に退いたこと、しかもそのとき自チームがリードの状態にあって途中タイまたはビハインドになることなく、そのリードが試合の最後まで持続されたこと、などの条件がそろったときはじめて、勝投手の記録が与えられる。
  (b) 勝投手を決定するのに、先発投手は少なくとも五回の投球が必要であるという規則は、六回以上の試合にはすべて適用される。試合が五回で終了した場合には、先発投手は、最少四回完投して退いたこと、しかもそのとき自チームがリードの状態にあって、途中タイまたはビハインドになることなく、そのリードが試合の最後まで持続されたこと、などの条件がそろったときにはじめて、勝投手の記録が与えられる。
  (c) 勝チームの先発投手が本条(a)(b)の各項目を満たさないために、勝投手の記録を得ることができず、二人以上の救援投手が出場した場合には、次の基準に従って勝投手を決定する。
   (1) 先発投手の任務中に、勝チームがリードを奪って、しかもそのリードが最後まで保たれた場合には、勝利をもたらすのに最も有効な投球を行なったと記録員が判断した一救援投手に、勝投手の記録を与える。
 (2) 試合の途中どこででも同点になれば、投手の勝敗に関しては、そのときから新たに試合が始まったものとして扱う。
 (3) 相手チームが一度リードしたならば、その間に投球した投手はすべて勝投手の決定からは除外される。ただし、リードしている相手チームに対して投球している間に、自チームが逆転して再びリードを取り戻し、それを最後まで維持したときは、その投手に勝の記録が与えられる。
 (4) ある救援投手の任務中に自チームがリードを奪い、しかもそのリードが最後まで保たれたときに限って、その投手に勝の記録が与えられる。
 ただし、この救援投手が少しの間投げただけで、しかもその投球が効果的でなかったときは、勝の記録が与えられないで、彼に続いて出た救援投手が、リードを保つのに十分な効果的な投球をしたならば、この投手に勝を与えなければならない。
  (d) 投手が、代打者または代走者と代わって退いた回に得点があり、退いた投手が次に該当すれば、この得点をその投手が任務中に得たものとして記録する。すなわち、その投手が退くまでにリードしていたか、または退いた回にリードを奪い、しかもそのリードが最後まで維持された結果、退いた回にあげた得点をその投手が任務中に得たものとして記録すれば、勝投手となることができるような場合がそれである。
  (e) 投手がビハインドで退くか、退いた後に自己の責任となる得点があったためにビハインドになり、その後自チームが同点とするかリードしなかった場合には、投球回数の多少にかかわらず、最初にビハインドを招いた投手に敗が記録される。
  (f ) 完投投手でなければ、シャットアウト(無得点勝利)の記録は与えられない。ただし、第一回無死無失点のときに代わって出場した投手が、無失点のまま試合を終わった場合にかぎって、完投投手ではないが、シャットアウトの記録が与えられる。投手が二人以上リレーしてシャットアウトしたときは、リーグの公式投手成績にその旨の説明をつける。
  (g) 選手権試合でないオールスターゲームのような場合には、前もって投球回数が二〜三回と決められていることがある。このような試合の勝投手の記録は、勝チームが試合の最後までリードを保ったときは、そのリードを奪った当時投球していた投手(先発あるいは救援)に与える習慣である。ただし、勝チームが決定的リードを奪った後でも、その投手がノックアウトされ、むしろ救援投手が勝投手としての資格があると考えられるときは、この限りではない。
      【注】 前述のような試合の勝投手の記録を決定する場合、リードを奪った当時投球していた投手(先発あるいは救援)に与えるのが習慣となっているが、記録員が、その投手より他の投手が勝利をもたらすのに最も有効な投球を行なったと判断した場合には、後者に勝投手の記録を与えることはさしつかえない。
   
救援投手のセーブの決定
10・20  救援投手に与えるセーブの決定
  次の三項目のすべてをみたした投手には、セーブの記録を与える。
  (1) 自チームが勝を得た試合の最後を投げ切った投手。
  (2) 勝投手の記録を得なかった投手。
  (3) 左の各項目のいずれかに該当する投手。
    (a) 自チームが3点のリードのときに出場して、しかも最低1イニングを投げた場合。
(b) 塁上に走者が残されているとき、その走者か、走者及び相対する打者、または走者と相対する打者及び次打者が得点すれば、タイとなる状況のもとで出場してリードを守り切った場合。
 塁上に走者が残されていないとき、相対する打者か、または相対する打者及びその次打者が得点すれば、タイとなる状況のもとで出場してリードを守り切った場合。
(c) 最低3イニング投球してリードを守り切った場合。
   セーブの記録は、一試合一救援投手に限って与えられる。
   
統  計
10・21  リーグ会長は、公式統計員を任命し、リーグ選手権試合に出場した全プレーヤーの打撃、守備、投手成績(10・02に規定された)の記録の集計にあたらせる。公式統計員は、シーズン末には選手権試合の個人、チームの記録が記載されている記録表を作成し、リーグ会長に提出する。この記録表には、各プレーヤーの姓名を明示し、打者には、右打、左打、左右打の区別、野手、投手には、右投左投の区別を記録する。
 ビジティングチームの打順表に記載されたプレーヤーが、一回の裏の守備につかないで交代した場合、守備に関しては、試合に出場したとの記録が与えられない。
 公式打順表に記載されるか、交代して出場すると発表されたプレーヤーは、すべて、攻撃に関しては、試合に出場したとの記録が与えられる。
      【注】 ホームチームの打順表に記載されたプレーヤーが、一回の表の守備につかないまま交代した場合、守備に関しては、試合に出場したとの記録が与えられない。
   
率の決定
10・22  各率は次の計算による。
  (a) 勝率を出すには、勝、敗の合計数で勝試合数を割る。
  (b) 打率を出すには、打数で安打数を割る。
  (c) 長打率を出すには、打数で塁打数を割る。
  (d) 守備率を出すには、刺殺、補殺、失策の合計数で、刺殺、補殺の合計数を割る。
  (e) 投手の防御率を出すには、その投手の自責点の合計に9を掛け、それを投球回数で割る。
    【付記】 投手の防御率を計算するにあたって、投球回の端数を含む全投球回を基礎とする。
 例 ― 投球回9回1/3、自責点3の場合、防御率は、3×9÷9 1/3=2.89
      【注】 率の算出にあたって割り切れない場合は、小数点以下四位まで求めて四捨五入する。防御率は小数点以下三位まで求めて四捨五入する。
  (f ) 出塁率を出すには、打数、四死球、犠飛の合計数で、安打、四死球の合計数を割る。
    【付記】 出塁率の算定にあたって、妨害(インターフェア)、走塁妨害(オブストラクション)による出塁は除く。
   
最優秀の各プレーヤー決定の基準
10・23  プロフェッショナルリーグの打撃、投手、守備における各最優秀プレーヤーの決定は、次の細目による。
  (a) リーグの首位打者または最高長打率打者は、最高の打率または長打率をあげたプレーヤーに与えられる。ただし、メジャーリーグではそのシーズン中の一クラブあたりに組まれている試合総数の3.1倍以上、マイナーリーグでは2.7倍以上の打席数を必要とする。
 打席数とは、打数、四死球、犠牲バント、犠牲フライ及び妨害または出塁妨害による出塁数の各々の合計をいう。
    【例外】 必要打席数に満たない打者でも、その不足数を打数として加算し、なお、最高の打率または長打率になった場合には、この打者がリーグの首位打者または最高長打率打者となる。
    【例】 一クラブあたり162試合が組まれているメジャーリーグでは、その3.1倍の502、一クラブあたり140試合が組まれているマイナーリーグでは、その2.7倍の378が必要打席数である。
      【注】 両リーグでは、自己の所属チームが一シーズンに行なった試合数の3.1倍以上の打席数を必要とする。数の算出にあたっては、端数を切り捨てる。
  (b) 最優秀防御率投手は、少なくともそのリーグで一クラブあたりに組まれている試合総数と同数以上のイニングを投球していなければならない。
 マイナーリーグでは、少なくともそのリーグで一クラブあたりに組まれている試合総数の80パーセントの数と同数以上のイニングを投球していなければならない。
      【注】 両リーグでは、自己の所属チームが一シーズンに行なった試合数と同数以上のイニングを必要とする。
  (c) 守備の最優秀プレーヤーは、各ポジションにおける最高の守備率を得た野手に与える。
   (1) 捕手は、少なくともそのリーグで一クラブあたりに組まれている試合総数の半数以上の試合の、捕手として出場しなければならない。
      【注】 両リーグでは、自己の所属チームが一シーズンに行なった試合数の半数以上の試合数を必要とする、数の算出にあたっては端数を切り捨てる。
   (2) 内野手及び外野手は、少なくともそのリーグで一クラブあたりに組まれている試合総数の2/3以上の試合に、そのポジションの守備につかなければならない。
      【注】 両リーグでは、自己の所属チームが一シーズンに行なった試合数の2/3以上の試合数を必要とする、数の算出にあたっては端数を切り捨てる。
   (3) 投手は、少なくともそのリーグで一クラブあたりに組まれている試合総数と同数以上のイニングを投球していなければならない。
    【例外】 規定投球回数に満たない投手が、規定に達した投手よりも守備機会数(刺殺、補殺、失策の合計)をより多く記録し、なお守備率が最高の場合には、その投手が最高守備率投手となる。
      【注】 両リーグでは、自己の所属チームが一シーズンに行なった試合数と同数以上のイニングを必要とする。
   
連続記録の規定
10・24  連続記録の規定
  (a) 連続安打の記録は、四死球、打撃または走塁妨害、および犠牲バントによって中断されない。しかし、犠牲フライはその記録を中断する要素となる。
  (b) 連続試合安打の記録は、すべての打席が四死球、打撃または走塁妨害および犠牲バントのいずれかであったとき、中断されたことにはならない。しかし、犠牲フライはその記録を中断する要素となる。
 プレーヤー個人の連続試合安打の記録は、そのプレーヤーが連続出場した試合の結果によって決定される。
      【注】 プレーヤーが試合に出場していたが、打席がこないうちに試合が終わった場合及び塁上の走者がアウトになって攻守交代となったためなど打席に入ったが打撃を完了できなかった場合は、連続安打及び連続試合安打の記録が中断されたものとはみなさない。
  (c) プレーヤーが連続試合出場を記録するためには、少なくとも自チームのあるイニングの守備(回の初めから終わりまで)に出場するか、あるいは塁に出るかアウトになって打撃を完了しなければならない。代走として試合に出ただけでは、連続試合出場を記録したことにはならない。
 プレーヤーが本項の要件を満たさないうちに、審判員によって試合から除かれた場合は、この連続試合出場の記録が中断されたことにはならない。
  (d) サスペンデッドゲームで、本条各項を適用するにあたっては、その続行試合ですべてのプレイは、一時停止されたもとの試合日に記録されたものとみなす。
 
<< 目次に戻る  << 9・00(審判員)へ  付記(野球規則適用の沿革)へ >>