娘よ



今現在、2階の寝室で娘さん1号と2人で寝て、
階下でかみさんと娘さん2号は寝てマス。
相変わらず、寝相が悪い事、この上なしの娘さん1号。
あっちへゴロン、こっちへゴロンとひとりで夜中運動会デス。
なんどカカト落としを喰らった事か。


で、娘さん1号、突然ぐずりだす事しばしば。
怖い夢でも見てるんでしょーか。
ムクッと起きだし、ひとしきり泣いた後、決まって、

「ママのとこ、いこー!!」

と大騒ぎ。
夜中に起きるのが面倒臭いわし、
抱っこして誤魔化す。
しばらくぐずりながらも、眠気には勝てず、やがて寝に入る。
体重10数キロの娘さん1号。

なんなんでしょーか。
この重みから来る安らぎと言うか、安心感は。
全幅の信頼を寄せ、わしに身を預ける娘さん1号。
何の躊躇いも無く、何の不安も無く、わしを信用しきってる娘さん1号。
その10数キロの重さを感じながら、
ふと、今この幸せを噛み締めるのデス。



いずれこの子もヨソに嫁ぐ日が来るのでしょーか。


「おとーさん、長い間、お世話になりました。」


って。
普通に考えれば、20数年後の話。


「おとーさんの娘で幸せでした。」


って、言ってくれるのでしょーか。
社交辞令じゃなく、心の底から。


その前段階、見知らぬオトコがわしを訪れ、


「娘さんをください。」


って言うのでしょーか。
20数年後の常識がどーなってるかは、知る由も無いですが、
きっとそー言うに違いないデス。


その時のわしは?
どんな態度で?
どんな言葉を?


・・・・・。




決めてる事がひとつ。
その娘が連れてきたオトコの運転する車に乗ってみよかな、と。
助手席にわし、後部座席に娘。
そのオトコがどんな運転をするのか?
このオトコに愛する娘を預けてもダイジョーブなのか?


ひとりで運転する時はともかく、誰かを乗せた時の運転って、
結局はその運転手に自分の全てを預けるのと一緒だと思うんですネ。


一蓮托生。
一心同体。


きっとその時の運転を見て、そのオトコの想いが伝わる気がするんですネ。
間違いなくその時の運転っぷりって、大人しいものに違いない。
少しでもミスの無い様、不快感の無い様に、丁寧に、丁寧に・・。
でも。
きっと何かがわかるに違いないと思ってマス。




そんな日がいつか。
そんな日が来るまで。
1日1日をこの目に、この脳裏に焼き付けていきたい。


わしの胸で寝息を立てている娘を見て、
夜中にふと考えている自分。
ちっと切ないデス。












それ以前に誰ももらってくれなかったりして。








オチつけてどーする。




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