出生届





 ・・・紙切れの上に名前を連ねる大人達のあの儀式を、
  夢見て憧れる無邪気な二人・・・


(『僕たちの結婚』 辻仁成)



今日はそんな手続きをしてきました。
別に結婚した訳じゃなくて、娘さん2号の出生届を提出してきたんですが。
これで2度目の出生届になるのだが、確かにたった紙切れ一枚の提出だけ。
これを提出して初めて、『家族』として認められる。
これを提出してないと、極端な話、『ヒト』としてすら認めてくれないんですよネ。
現にここに人間の形をしているのにも関わらず。
おかしな話デス。


こちらは仰々しい気持ちで、普段は書かないよーな真面目な書体できっちり書いた書類を、
神妙な面持ちで平伏すかのよーに係りの人に差し出す。
ただ、向こうはあくまでも日常業務。
書類を見ながら、なにやらキーボードで入力作業。
そしてあっけらかんと、

「はい。もう、いーですよー。」

だって。
あら簡単。
もう、おしまい?


入籍届けの時もそーでしたけど。
なんか、こぅ、もっと、もったいぶって欲しいって思うのは、わしだけでしょーか。


で、ふと周りを見渡すと、わしが訪れた市役所の人間、
みんな制服を着ていないんですネ。
確か、昔は着用してたよーな気がするのだけど。
これも規制緩和の影響なんでしょーか?
なんだか真っ赤な頭をしたオニーチャンもいるし。
随分来てなかった間に、役所の雰囲気も変わったもんですネ。
対応も、昔の「事務的」な雰囲気じゃなかったし。
まぁ、いいことなんでしょーネ。



ただし。
昼時に行ったわしも悪いが、人が書類を書いている目の前で、
ガツガツとカレーを食べまくるのは、やめて欲しいものデス。
役所のフロアー全体にカレーの匂いは違和感ありまくりデス。

ヒトの大事な書類の上に、カレーのシミを作らないでくださいネ。




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