平成16年4月
警察庁交通局

道路交通法施行規則等の改正試案



1 小型特殊自動車の規格の見直し等

(1) 改正の内容
ア. 運転者の安全性の向上及び作業効率の向上の観点から小型特殊自動車の車体の大きさ等の見直しの要望が寄せられていることを踏まえ、道路交通法上の小型特殊自動車の規格を次の表のとおり改正します。

  現行 改正案
車体の大きさ 長さ 4.70m以下 4.70m以下
1.70m以下 1.70m以下
高さ 2.00m以下 2.00m以下
(ヘッドガード等を備えた自動車
で、ヘッドガード等を除いた部分
の高さが2.00m以下のものについ
ては、2.80m以下(注) )
最高速度 15q毎時以下 15q毎時以下
原動機の総排気量 1,500t以下 制限なし
(注)
ヘッドガード等とは、ヘッドガード、安全キャブ、安全フレームなど、運転席の周囲に取り付けることにより転倒時等における運転者の安全性を向上させるための装置をいいます。

改正案は、ヘッドガード等を備えることによって高さが2.00mを超える自動車であっても、ヘッドガード等を除いた部分が2.00m以下の自動車については、運転特性に大きな差がないことから、小型特殊自動車として扱うこととするものです。
また、原動機の総排気量が1,500tを超える自動車についても、同様の理由により小型特殊自動車として扱うこととします。

イ. アの改正に伴い、小型特殊自動車であるロータリ除雪車を規定するほか、大型特殊自動車又は小型特殊自動車に該当する自動車の特殊な構造についての規定を整備します。

(2) 施行時期
平成16年7月を目途として施行します。



2 AT(オートマチック・トランスミッション)限定二輪免許の導入

※ AT限定二輪免許とは、AT二輪車(オートマチック・トランスミッションその他のクラッチ操作を要しない機構がとられており、クラッチの操作装置を有しない自動二輪車)のみを運転できる二輪免許をいいます。

(1) 改正の内容
ア. 自動二輪車の出荷台数に占めるAT二輪車の占める割合が約6割、自動二輪車の保有台数に占めるAT二輪車の占める割合が約3割と、AT二輪車の普及が進み、AT限定二輪免許の導入を求める要望が高まっていることにかんがみ、AT限定二輪免許を導入します。
具体的には、AT限定大型二輪免許、AT限定普通二輪免許及びAT小型限定普通二輪免許(小型二輪車(総排気量125t以下の普通自動二輪車)であるAT二輪車のみを運転できる普通二輪免許)を導入します。

イ. AT限定二輪免許に係る技能試験において使用する自動車は次のとおりです。

技能試験に係る免許の種類 技能試験において使用する自動車
AT限定大型二輪免許 総排気量600t以上650t以下のAT二輪車
(注)
AT限定普通二輪免許 総排気量300t以上400t以下のAT二輪車
AT小型限定普通二輪免許 総排気量100t以上125t以下のAT二輪車

(注)
現行の大型二輪免許の技能試験において使用する自動車は、総排気量700t以上の自動二輪車とされていますが、総排気量700t以上のAT二輪車が国内で生産されていないため、AT限定大型二輪免許の技能試験においては総排気量600t以上650t以下のAT二輪車を使用することとし、当該免許で運転できるAT二輪車を総排気量650t以下のAT二輪車に限定することとします。

ウ. AT限定二輪免許に係る技能教習の教習時間の基準を定めます。
現に運転免許を受けていない者の技能教習の教習時間は次の表のとおりです。

教習に係る免許の種類 教習時限数 (参考)現行の二輪免許
AT限定大型二輪免許
29
36
AT限定普通二輪免許
15
19
AT小型限定普通二輪免許
9
12

なお、他の運転免許を受けている者については、その受けている運転免許に応じて教習時限数を短縮します。

エ. AT二輪車の普及が進んでいることにかんがみ、現行の二輪免許に係る教習においても、AT二輪車の特性に応じた運転について教習を行うこととします。
なお、現行の二輪免許に係る教習時間の基準は変更しません。

(2) 施行時期
平成17年6月を目途として施行します。



3 運転免許試験成績証明書の交付対象者の拡大


(1) 改正の内容
近年、学科試験及び技能試験に合格した後、取得時講習を受ける前に他の都道府県に住所地を変更する方が増えている現状にかんがみ、これらの方が新住所地を管轄する都道府県公安委員会において学科試験及び技能試験の免除の手続を円滑に行えるようこれらの方に対しても運転免許試験成績証明書を交付することとします。

(2) 施行時期
平成16年7月を目途として施行します。



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