平成14年6月1日施行 改正道路交通法の概要

(参照 警察庁HP http://www.npa.go.jp/)

第1 免許証の更新関係
1 免許証の有効期間(法第92条の2第1項及び令第33条の7関係)

(1)一般運転者に係る免許証の有効期間
ア 改正の内容
 一般運転者(優良運転者又は違反運転者等以外の方)に係る運転免許証(以下「免許証」といいます。)の有効期間が、従来の3年から、原則として5年に延長されます。
イ 対象となる方
 免許証の更新期間の初日が平成14年6月1日以降(つまり、その方の誕生日が7月1日以降であることを意味します。以下同じです。)の免許証の更新を受けようとする方から適用されます。
 一般運転者とは、過去5年間の違反歴が軽微違反(3点以下の違反のことです。)1回のみである方(人身事故等を起こしていない方に限ります。)をいいます。


(2)やむを得ない理由により免許証の更新を受けなかった者に係る措置
ア 改正の内容
 やむを得ない理由により免許証の更新を受けなかった方が、失効後6か月以内に運転免許(以下「免許」といいます。)を再取得した場合には、失効した免許を受けていた期間を、継続して免許を受けている期間に含むこととするようになります。これにより、過去の運転経歴が基準に適合したものであれば、優良運転者又は一般運転者とされるようになります。

イ 対象となる方
 平成14年6月1日以降に運転免許試験(以下「試験」といいます。)又は免許証の更新期間の初日が平成14年6月1日以降の免許証の更新を受けようとする方から適用されます。ただし、この規定の適用を受けた場合に優良運転者又は一般運転者となる方は、運転免許申請書又は運転免許証更新申請書にやむを得ない事情を証明する書類を添付しなければなりません。
 なお、やむを得ない事情とは、次のような場合です。
@ 海外旅行
A 災害
B 病気にかかり、又は負傷していること。
C 法令の規定により身体の自由を拘束されていたこと。
D 社会の慣習上又は業務の遂行上やむを得ない用務が生じたこと。


(2)更新時講習の内容等
ア 改正の内容
 更新時講習については、運転者の過去の違反・事故等の状況に応じてきめ細かく安全教育を行っていくため、優良運転者、一般運転者又は違反運転者等の区分に応じ、優良運転者に対する講習(30分)、一般運転者に対する講習(1時間)、違反運転者に対する講習(2時間)及び初回更新者に対する講習(2時間)の4種類になります。
 また、更新申請前6か月以内に、公安委員会が行う一定の任意講習や更新時講習と同等の効果があるとの認定を受けた運転免許取得者教育を受けた方は、更新時講習を受ける必要はないこととされました。ただし、違反運転者に対する講習と同等の効果があるとの認定は予定されていないので、違反運転者については、運転免許取得者教育による更新時講習の免除を受けることはできません。

イ 対象となる方
 優良運転者等の区分に応じた講習については、免許証の更新期間の初日が平成14年6月1日以降の免許証の更新を受けようとする方から適用されます。
 また、更新時講習の免除については、平成14年6月1日以降、公安委員会が行う一定の任意講習や更新時講習と同等の効果があるとの認定を受けた運転免許取得者教育を受けた方から適用されます。(平成14年6月1日より前に公安委員会の行う一定の任意講習を受けた方については、従前と同様に、更新前1年以内に当該講習を受けたのであれば、更新時講習が免除されることとなります。)



2 免許証の更新期間(法第92条の2及び第101条関係)
(1)改正の内容
 免許証の更新期間が、従来の誕生日の1月前から誕生日までの1か月間から、誕生日をはさんだ2か月間に延長されます。

(2)対象となる方
 免許証の更新期間の初日が平成14年6月1日以降の免許証の更新を受けようとする方から適用されます。これらの方の旧免許証には、誕生日まで有効と記載されていますが、免許証の記載事項の変更等を行うことなく、有効期間の末日が1か月延長されることとなります。


3 住所地以外の都道府県公安委員会を経由した更新の申請(法第101条、第101条の2の2、第101条の3及び第101条の4関係)
(1)改正の内容
 免許証の更新を受けようとする方のうち、優良運転者(一定の条件が付された方等を除きます。)については、更新期間の前半の1か月間に更新の申請をする場合には、住所地を管轄する公安委員会(以下「住所地公安委員会」という。)以外の公安委員会を経由して更新申請を行うことができるようになります。また、併せて、その公安委員会の行う更新時講習又は高齢者講習を受けることができるようになります。

(2)対象となる方
 免許証の更新期間の初日が平成14年6月1日以降の免許証の更新を受けようとする方から適用されます。
上記の「一定の条件が付された方等」とは、@免許に身体の状態に応じた条件(眼鏡等又は補聴器を使用すべきこととするものを除きます。)が付されている方、Aやむを得ない理由で免許証の更新を受けなかった方で、失効した免許を受けていた期間が継続して免許を受けている期間に含まれることとされることにより優良運転者となる方とされています。

(3)問合せ先等
@ 各都道府県警察における経由申請窓口については、経由申請受付窓口設置予定場所(平成14年6月1日現在)を御参照下さい。
A 申請の受付期間は誕生日の1か月前から誕生日当日までの1月間です。
B 住所地公安委員会において改めて適性検査を実施する場合があります。実施する場合には、改めて当該公安委員会から通知されます。
 また、更新申請書の病気の症状等の申告事項(参考:下記第3の2)に該当項目がある方の場合には、住所地公安委員会から症状等についてさらに詳しくお伺いする(後日当該公安委員会に行かなければならない)場合があります。
C 更新申請時に住所変更等記載事項変更の届出や免許証の再交付申請を併せて行おうとする場合には、住所地公安委員会にしか更新申請をすることができませんので、注意してください。




4 失効後6月以内に運転免許試験を受けることができなかったやむを得ない理由がある場合の免許再取得(法第97条の2第1項第3号関係)
(1)改正の内容
 これまで、免許証の更新を受けなかった方で、やむを得ない理由のため、免許の失効後6月以内に試験を受けることができなかった方については、そのやむを得ない事情がやんだ日から1月を経過しない場合には、免許の失効後3年を超えた場合でも試験の一部免除(技能試験の免除)を受けることができることとされていましたが、この3年を超える場合については、試験の一部免除が認められなくなります。

(2)対象となる方
 やむを得ない事情がこの法律の公布日(平成13年6月20日)前に生じた方については、これまでどおり、失効後3年を経過した場合でも試験の一部免除が認められます。



5 失効後6か月を超え1年以内の場合の免許再取得(法第97条の2第1項第4号関係)
(1)改正の内容
 これまで、やむを得ない理由がなく、免許失効後6月を超えたときに免許を再取得しようとする場合は、試験の一部免除を受けることはできませんでしたが、大型自動車又は普通自動車を運転することができる免許について免許証の更新を受けなかった方が、免許の失効後6月を超え、1年を経過しないときに免許を再取得しようとする場合には、仮免許試験の一部が免除される(適性試験のみを受ければよい)ようになります。
 なお、やむを得ない理由がなく、免許失効後6月以内に免許を再取得しようとする方については、現在も、試験の一部が免除されています(適性試験のみを受ければよいこととされています。)。

(2)対象となる方
 平成14年6月1日以降に試験を受けようとする方から適用されます。



第2 悪質運転者対策関係
1 罰則に関する規定の整備(法第117条、法第117条の2、法第117条の3及び法第117条の4関係)
 酒酔い運転等悪質・危険な運転をした者に対する罰則が次のように引き上げられました。
違反行為【改正後の罰条】 改正前 改正後
救護義務違反
(第72条第1項前段)【第117条】
3年以下の懲役又は20万円以下の罰金 5年以下の懲役又は50万円以下の罰金
飲酒(酒酔い)
(第65条第1項)【第117条の2第1号】
2年以下の懲役又は10万円以下の罰金 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
酒酔い下命容認
(第75条第1項第3号)【第117条の2第2号】
2年以下の懲役又は10万円以下の罰金 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
飲酒(酒気帯び)
(第65条第1項)【第117条の4第2号】
3月以下の懲役又は5万円以下の罰金 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
酒気帯び下命容認
(第75条第1項第3号)【第117条の4第5号】
3月以下の懲役又は5万円以下の罰金 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
過労運転(麻薬等)
(第66条)【第117条の2第1号の2】
2年以下の懲役又は10万円以下の罰金 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
過労運転(麻薬等)下命容認
(第75条第1項第4号)【第117条の2第3号】
2年以下の懲役又は10万円以下の罰金 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
過労運転(その他)
(第66条)【第117条の4第3号】
6月以下の懲役又は10万円以下の罰金 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
過労運転(その他)下命容認
(第75条第1項第4号)【第117条の4第6号】
6月以下の懲役又は10万円以下の罰金 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
無免許運転
(第64条)【第117条の4第1号】
6月以下の懲役又は10万円以下の罰金 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
無免許運転下命容認
(第75条第1項第1号)【第117条の4第4号】
6月以下の懲役又は10万円以下の罰金 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
不正手段による免許証取得
【第117条の4第7号】
1年以下の懲役又は10万円以下の罰金 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金
共同危険行為等
(第68条)【第117条の3】
6月以下の懲役又は10万円以下の罰金 2年以下の懲役又は50万円以下の罰金
(注)「酒気帯び」については、今回、対象が呼気中のアルコール濃度0.25mg/l以上から0.15mg/l以上に引き下げられました。


2 極めて悪質・危険な運転者に対して指定する欠格期間の延長(令第33条の2第1項、第33条の4、第38条第5項及び第6項、別表第2並びに別表第2の2関係)
  極めて悪質・危険な運転者(例えば、酒酔い運転をして専ら自己の不注意によって死亡事故を起こした方)に対しては、1回目の取消し等であっても、5年の欠格期間が指定されることとなりました。


3 悪質・危険な違反に付する基礎点数等の引上げ
  悪質・危険な違反に付する基礎点数等が次のように引き上げられました。
(1)基礎点数の引上げ(令別表第1の1の表関係)
違反行為 改正前 改正後
酒酔い運転、麻薬等運転又は共同危険行為等禁止違反  15点  25点
無免許運転 12点 19点
酒気帯び運転 0.25以上 6点  13点
0.15以上
0.25未満
 −  6点
過労運転等  6点  13点
(注)「0.25以上」とは呼気中のアルコール濃度0.25mg/l以上を、「0.15以上0.25未満」とは呼気中のアルコール濃度0.15mg/l以上0.25mg/l未満をいいます。この「0.15以上0.25未満」の部分については、今回新たに酒気帯び運転の対象となったところです。



 (2)交通事故を起こした場合の付加点数の引上げ(令別表第1の2の表関係)
交通事故の種別等 改正前 改正後
死亡事故 専ら 13点  20点
専ら以外  9点  13点
治療期間が3か月以上の傷害事故又は後遺障害を伴う傷害事故 専ら  9点 13点
専ら以外 6点  9点
(注)「専ら」とは交通事故が専ら違反行為をした方の不注意によって発生したものである場合を、「専ら以外」とはそれ以外の場合をいいます。



 (3)措置義務違反をした場合の付加点数の引上げ(令別表第1の3の表関係)
措置義務違反の種別 改正前 改正後
救護義務違反(ひき逃げ) 10点  23点



(参考)
  運転免許の取消し・停止等の処分の基準点数(過去3年以内に処分を受けたことがない場合)は次の表のとおりです。
運転免許の停止 運転免許の取消し
欠格期間1年 欠格期間2年 欠格期間3年 欠格期間5年
6点〜14点 15点〜24点 25点〜34点 35点〜44点 45点以上





 4 点数累積等の特例の要件となる期間の限定(令第33条の2第2項及び別表第2関係)
 1年間無事故無違反の場合の点数累積等の特例(1年間無事故無違反であれば、点数制度上、それ以前の違反や運転免許停止歴をなかったものとして扱うという特例)の要件となる1年間の無事故無違反期間について、従来は、免許停止期間や免許が失効した期間も含めて1年間とされていましたが、これを運転が可能な期間に限ることとされました。つまり、運転可能期間が1年間以上あり、かつ、その期間無事故無違反である場合に限り、点数累積等の特例の適用を受けることができることととなります。




第3 障害者に係る欠格事由の見直し等関係
1 欠格事由の廃止等(法第88条、第90条第1項及び第103条第1項並びに令第33条の2の3及び第38条の2関係)

(1)改正の内容
 これまで、一定の病気にかかっている方等に対して免許が取得できない(受験資格もない)としていた欠格事由が廃止され、免許を受けようとする方が自動車等の安全な運転に支障があるかどうかを個別に判断することとなりました。具体的には、試験に合格しても、一定の病気にかかっており、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある方等の場合には、道路交通の安全の確保の観点から、免許が取得できない場合もあります。(試験に合格した方に対しては免許の拒否や保留が、免許を取得している方に対しては、免許の取消しや停止がなされることとなります。)
 免許の拒否、保留、取消し又は停止の対象となる病気は、次のとおりです。
@ 精神分裂病(自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。)
A てんかん(発作が再発するおそれがないもの、発作が再発しても意識障害及び運動障害がもたらされないもの並びに発作が睡眠中に限り再発するものを除く。)
B 再発性の失神(脳全体の虚血により一過性の意識障害をもたらす病気であつて、発作が再発するおそれがあるものをいう。)
C 無自覚性の低血糖症(人為的に血糖を調節することができるものを除く。)
D そううつ病(そう病及びうつ病を含み、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈しないものを除く。)
E 重度の眠気の症状を呈する睡眠障害
F @からEまでに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する病気

 また、これらのもののほか、次のものが免許の取消し又は停止の対象となります。
@ 痴呆
A 以下の身体の障害
@ 目が見えないこと
A 体幹の機能に障害があって腰をかけていることができないもの
B 四肢の全部を失ったもの又は四肢の用を全廃したもの
C @からBまでに掲げるもののほか、自動車等の安全な運転に必要な認知又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるもの(法第91条の規定により条件を付し、又はこれを変更することにより、その能力が回復することが明らかであるものを除く。)

(2)対象となる方
 平成14年6月1日以降適用となります。(平成14年6月1日以降は、これまで、欠格事由に該当するとされていた方も試験を受けることができることとなります。)

(3)問合せ先等
 具体的な処分基準等については、都道府県警察(運転適性相談窓口一覧表(平成14年6月1日現在)をホームページに掲載中)にお問い合わせ下さい。
 なお、各都道府県警察においては、運転適性相談窓口を開設し、一定の病気にかかっている場合を含め、免許の取得等が可能かどうかについての相談を随時受け付けています。
 免許を取得しようとお考えの方は、免許申請や自動車教習所への入所等を行う前に運転適性相談窓口に相談していただくことをお勧めします。




2 免許申請時及び更新申請時の症状等の申告(府令第17条、第29条及び第29条の2関係)
(1)改正の内容   
 免許申請や更新申請時に、以下のような申請書の項目について記載をお願いすることとなります。この項目に該当する方、あるいは、自動車等の安全な運転に支障があると思われる方に対しては、職員が症状等について具体的にお話を伺うことになります。
 なお、運転免許申請書等の様式については、病気の症状等の項目が他人から見えにくくするための措置を講じ、また、申請窓口においても適切な対応をするなどプライバシーの保護には十分注意いたします。
・ 病気を原因として、又は原因は明らかではないが、意識を失ったことがある方
・ 病気を原因として発作的に身体の全部又は一部のけいれん又は麻痺を起こしたことがある方
・ 十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず、日中、活動している最中に眠り込んでしまうことが週3回以上ある方
・ 病気を理由として、医師から、免許の取得又は運転を控えるよう助言を受けている方

(2)対象となる方
 平成14年6月1日以降免許の申請や更新の申請を行う方が対象となります。





3 適性検査を行う場合の免許の拒否等(法第90条第1項及び第6項、第102条第1項、第103条第1項及び第5項並びに第104条の2の3関係)
(1)改正の内容 
@ 公安委員会は、免許を取得している方に加えて、試験に合格した方に対しても、一定の病気にかかっているなどの可能性がある場合には、臨時適性検査ができることとなります。
A 試験に合格した方に対して、臨時適性検査の通知をした場合には、免許の保留処分ができることとなります。
 また、臨時適性検査の通知を受けた方が、その通知に係る適性検査を受けないと認めるときは、公安委員会は、試験に合格した方に対しては免許の拒否や保留の処分を、免許を取得している方に対しては免許の取消しや停止の処分をすることができることとなります。
B 公安委員会は、免許の保留や停止を行う場合に必要と認めるときは、その処分の際に、その方に対して適性検査の受検又は診断書の提出の命令を行うことができることとなります。また、この命令を受けた方が、適性検査を受けない場合や診断書を提出しない場合には、公安委員会は、免許の拒否等の処分ができることとなります。

(2)対象となる方
 平成14年6月1日以降適用されます。
 なお、(1)A中の免許を取得している方が臨時適性検査を受けない場合の免許の取消しや停止については、平成14年6月1日より前に臨時適性検査の通知を受けた方であれば対象とはなりません。

(3)問合せ先等
 具体的な処分基準等については、都道府県警察にお問い合わせ下さい。





第4 高齢の運転者への対応関係
1 高齢者講習の受講対象者の年齢引下げ等(法第101条の4及び令第37条の6の2関係)
(1)改正の内容
 免許証の更新を受けようとする方で更新期間が満了する日における年齢が70歳以上の方は、更新期間が満了する日前3か月以内に高齢者講習を受けていなければならないこととされました。(現行では、更新期間満了日における年齢が75歳以上の方が対象となっており、更新期間が満了する日前2か月以内に高齢者講習を受けていなければならないこととされています。)
 また、更新申請前6か月以内に、公安委員会が行う一定の任意講習(*)や高齢者講習と同等の効果があるとの認定を受けた運転免許取得者教育を受けた方は、高齢者講習を受ける必要はないこととされました。
※ この講習には、チャレンジ講習を受けた結果、加齢に伴って生ずる身体の機能の低下が自動車等の運転に著しい影響を及ぼしていないと確認された方を対象とした「簡易講習」とそれ以外の方を対象とした「通常講習」があります。
(2)対象となる方
 更新期間が満了する日等が平成14年6月1日から起算して3か月を経過した日以降(具体的には、その方の誕生日が7月31日以降であることを意味します。)である免許証の更新を受けようとする方から、更新期間が満了する日における年齢が70歳以上であれば、高齢者講習を受けていなければならないことになります。

2 運転経歴証明書の交付(法第104条の4及び令第39条の2の4関係)
(1)改正内容
 免許の取消しを申請して、その免許を取り消された方(現に受けている免許がなくなった方に限ります。)は、免許を取り消された後1か月間、取消しを行った公安委員会に対し、運転経歴証明書の交付を申請することができることとされました。

(2)対象となる方
 平成14年6月1日以降、運転経歴証明書の交付を申請する方から対象となります。



3 高齢運転者標識の表示対象者の年齢の引き下げ(法第71条の5第2項関係)
 高齢者講習の受講対象者を70歳以上とすることと併せて、高齢運転者標識の表示の努力義務の対象年齢についても、75歳以上から70歳以上に拡大することとされました。






第5 第二種運転免許に関する規定の整備関係
1 第二種運転免許の運転免許試験(法第97条第2項関係)
(1)改正の内容
 自動車等の運転について必要な技能について行う大型第二種免許及び普通第二種免許の試験は、道路において行われることとなります。ただし、一部の課題については場内において行われます。

(2)対象となる方
 平成14年6月1日以降、大型第二種免許又は普通第二種免許の申請を行う方が対象となります。(平成14年6月1日より前に申請を行っている方は対象となりません。)



2 第二種運転免許を受けようとする方の義務(法第90条の2関係)
(1)改正の内容
 大型第二種免許又は普通第二種免許を受けようとする方は、公安委員会が行う応急救護処置に関する講習及び旅客自動車の運転に関する講習(危険予測運転、夜間や悪条件下における運転及び身体障害者等の乗車時の運転等についての講習)を受けなければならないこととなります。

(2)対象となる方
 平成14年6月1日以降に大型第二種免許又は普通第二種免許に係る試験に合格した方から対象となります。(平成14年6月1日より前に試験に合格した方は対象となりません。)
 なお、現に普通第二種免許を受けている方が大型第二種免許を受けようとする場合や指定自動車教習所の卒業証明書を有している方の場合(技能検定を受けた日から起算して1年を経過していない場合に限ります。)等については、受講義務が免除されます。


3 指定自動車教習所における第二種免許に係る教習及び技能検定制度(令第34条の6関係)
 指定自動車教習所制度の対象となる免許について、大型第二種免許及び普通第二種免許が加えられます。これにより、大型第二種免許又は普通第二種免許に係る指定自動車教習所の卒業証明書を有する方で卒業証明書に係る技能検定を受けた日から1年を経過しない方は、試験を受ける際の技能試験が免除されることとなります。





第6 その他
1 住所地以外の公安委員会が行う技能の検査(法第89条第2項及び第97条第1項第1号)

 住所地都道府県以外の都道府県に所在する届出自動車教習所において教習を受けた方が、当該教習所の所在地を管轄する公安委員会で仮免許を受け、その方が当該教習所で引き続き教習を受けている場合には、自動車の運転について必要な技能を有するかどうかについて当該公安委員会が行う検査を受けることができることとされ、当該公安委員会は、その方が自動車の運転について必要な技能を有すると認めるときは、検査合格証明書を交付することとされました。
この検査合格証明書を有する方でその検査を受けた日から起算して1年を経過しない方は、当該検査の時に受けていた仮免許の区分に応じ大型免許又は普通免許のいずれかに係る技能試験が免除されることとなります。




2 身体障害者標識の導入(法第71条の5第3項関係)
 肢体不自由であることを理由に免許に条件を付されている運転者は、普通自動車を運転する場合に、その肢体不自由が普通自動車の運転に影響を及ぼすおそれのあるときは、身体障害者標識を表示して普通自動車を運転するように努めなければならないこととされました。
 この場合、他の自動車の運転者は、当該身体障害者標識を表示している普通自動車に対する幅寄せや割込が禁止されます。


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