ツッコミどころ inside


あー、暑。
ナニこの暑さは。
4月ダヨ4月。
4月に入ったばかりで、もう真夏日デスカ。
この調子でいくと、5月頃には海水浴シーズン到来デス。
あー、暑。


こー天気が不順だったりすると、生徒様の中にもなかなか変わった感じの方が現れるよーデス。
本日普通車担当のわしの目の前に現れたのは、Kさん(18歳・♀)、
この4月から専門学校に通うオジョーサン。
2段階半ばの体験項目、「急ブレーキ」の体験デス。
本来なら一生お目にかからない方がいいにきまってる急ブレーキを踏んでみましょっつー時限デス。
それと抱き合わせで、「等速コーナリング」っつーのも合わせて体験してもらいましょ。
周回コースをノーブレーキのまま、減速せずにカーブに突っ込んでいく。
速度の早い状態でのコーナリングがいかに危険かっつーのを味わってもらいます。


「怖い怖いこーわーいーぃぃぃ!」


そー雄叫びをあげながらも、アクセルを緩めよーとはしないKさん、
怖がってるのとは裏腹に顔はとっても楽しそう。
概ね怖がってる演技の匂いがプンプンですが、なんとか無事終了。
さぁ、解説開始デス。


「なんで速度超過でカーブに進入するのが悪いことか、わかる?」

「えーっとぉ、わか〜んな〜い。」

「・・・・・・・。」


「えーっとぉ」と考える素振りを見せながらも、全然考えようとしてませぬ。
少しはちゃんと考えろっつーの。


「ほら、カーブを曲がる時、グラッとカラダが傾いたでしょ?」

「えー、わか〜んな〜い。」

「・・・・・・・。」


「遠心力」っつー言葉を期待しつつも、まったくその言葉が彼女の口から出てきませぬ。
ぶっとばしたくなるその口の利き方をグッと堪えて更に質問続行。


「バケツに水を入れて、グルグル振り回しても落ちてこないでしょ。それと一緒。」

「えーっとねぇ・・・。」


なんとか考えよーとする姿勢を見せ始めたKさん、
しかし数秒後、彼女の口からとんでもない言葉が。


「カーブを曲がる時に外に行こーとする力をなんて言う?」





「せーじょーい。(概ね自信満々)」







ハイ?







一瞬、彼女の口から飛び出してきた言葉に耳を疑う。

せーじょーい?

せーじょーいって、「制攘夷」でも「政情位」でも「清浄胃」でもないよねぇ。
もしかして正常位?
昼間っからナニを言い出すんデスカ。
それっぽい話を、今の今までこれっぽっちもしてないでしょ。
それ以前に「遠心力」と「正常位」、何一つ似てないでしょ。
確かにカーブを曲がる時、正常位を感じながら曲がったら危ないけどねぇー。
それじゃー、チェンジレバーの「P」と「N」の間は後背位とでも言うんでしょーか。


とんでもない言葉をおっしゃったにもかかわらず、
顔を赤らめるでもなく、否定するわけでもなく、淡々とした表情のKさん、
ABSは何の略の質問に、「えびす」って答えてみたり、
「方向変換」をカタカナで言えの質問に、「ヤジルシチェーンジ!」と胸張って答えたり、
もはやツッコミどころ満載で、逆に彼女の答が楽しみでいろんな質問をしてみる。

「空ってなんで青いのかな?」
「海の向こうには何があるのかな?」
「お月様にはホントーにウサギがいるのかな?」
「どーしてお腹が減るのかな?」

ハイ。
彼女の資質はこれでなんとなく把握できました。
通常モードから彼女に合わせた教習方法にわし自身がヤジルシチェーンジ!



季節は春。
運転してるとなんだかウキウキしてくる季節デス。
さぁ、がむばって教習だ。


でも、この虚脱感はいったい。




前頁
TOP