ハンドシェイク


初めての教習を受けよーと、わしの担当車両の横で待っていたO君(18歳・♂)、
本日のヤヤウケ君に決定デス。


O君、初めての教習にやや緊張気味で、それでいてそれを表に出さないよーにしよーといわんばかりの風情デス。
あまりオドオドしてるのも格好悪いし、かといってあまりにも高慢チキチキな態度もマズイでしょ。
そんな感じでわしの新担当車両の横で佇んでいる。
わしが近付くに連れて、どーやら

「記念すべき初めての教習、ボクの担当になる指導員はコイツだな!」

っつーことがわかったのか、わしをジーッと見てる。
笑うでもなく、睨むでもなく。
ひたすらジーッと。


うむ。
見てるネ。
見まくってるネ。
ココで目を逸らしたらわしの負け。
わしも笑うでもなく、睨むでもなくジーッと彼を見つめる。

あと5m、4m、3m、2m。
さすがに直前まで近付いてるのにお互いにジーッと見つめあうほど、
愛し合ってるよーな関係じゃありませぬ。
わしから声をかける。


「コンニチワ。」


そして原簿を受け取るため、手を差し出す。
彼も原簿ではなく手を差し出す。





いや、握手じゃなくて・・・。





まるで自国に訪れた他国の大統領を、空港で出迎えるよーな光景。
ニコヤカな握手が、今回のTOP会談の成功を予感させる。
そんな光景がまさか教習所で見られるとは。


教習開始時に握手をする必要はありませぬ。
どーしてもって言うならするけど。




前頁
TOP