マクロとミクロ


普通車担当。
最近、当校の白い教習車が黄色いデス。
まっ黄っ黄。
なんだかくすんだ色に見えなくもない。
朝、出勤するとフロントガラスなんかザラザラしてるし。

そーデス。
花粉デス。
毎年毎年、性懲りもなく騒ぎ立てられる花粉様デス。

わし、花粉症ではないので、それほど苦痛には感じないものの、
この時期になると、目と鼻を真っ赤にして涙目で教習をしている指導員。
そして生徒様。
もはや、車の運転どうこうよりも、そっちの方が気になっちゃって、
教習どころじゃありませぬ。
知ったこっちゃないとは思いつつも、花粉症って突然発症するらしいデスネ。
わしも気をつけよっと。


医学や生物学の世界では、死のメカニズムが徐々に解明され、
ヒトの寿命まで延ばしてしまおーとしている現代、
命に影響のないカラダの不具合には、なんだか未だに消極的なよーな気がシマス。
そっち方面の知識に長けてるわけではないので、具体的にはわからないけど。
30億ものヒトゲノムの解析も大切なんだろーけど、
それよりも水虫の痒みに頭を悩ませてるヒトの方が多いでしょ。
虫歯にならない技術の発見の方が身近でしょ。
足の匂いがなんとかならないもんかっつー悩みの方がリアルでしょ。
たぶん。



モノゴトを大局的に見よーとするのってヒジョーに大事だと思うんデス。
でも、もっともっと小さな部分も目をそらしちゃいけないはず。
だけど、小さなことばっかりでモノゴトの本質を見失っちゃうのも、もっとダメダメだと思うんデス。


「あ。今、進路変更の確認を1つ忘れた。」

「あ。左折する時にちびっと膨らんだ。」

「あ。自主経路で道を間違えた。」


指導員の中には、そのちびっとしたミスをまるで鬼の首を取ったよーに、騒ぎ立てるヒトがいる。
生徒の中には、そのちびっとしたミスでまるで死刑を宣告されたよーに、落ち込むヒトがいる。
逆に指導員の中には、全体像しか見ないで小さなことを無視してしまうヒトがいる。
生徒の中には、なんとなく出来るよーになってきた運転に満足して、法規に対してアバウトになってしまうヒトがいる。

ちびっとしたミスでもしかしたら重大事故を招く結果になるケースもあるかもしれない。
ちびっとしたことにこだわり過ぎて、全体像を見失ってしまった結果、ヒトに迷惑をかけてしまうかもしれない。

きっとどんなこともそーだろーけど、モノゴト全てバランスなんですよネ。
どっちのも傾倒し過ぎないバランスっつー奴が。


みきわめの時って、いつもこのあたりで頭を悩ませマス。
全体的に見てどーなのか。
部分的に見てどーなのか。
黙って生徒の運転を見てると、その生徒の性格や考え方、
そして極端な話、そのヒトのスタンスやポリシーまでが透けて見えてくることも。


小さなことにこだわり過ぎていないか。

全体的なことばかりで、小さなことをおざなりにしていないか。

ぴったり道路側端に寄せることばかり考えて、
後続車のことも考えずに寄せる前から減速をし始めてはいないか。

流れに合わせることばかり考えて、ペダル操作はラフになっていないだろーか。


なんとなくそんなことを考えて、助手席に座っているのデス。
いつもいつもじゃないけどネ。
ボーッとしてるよーに見えるかもしれないけど。


ホントにボーッとしてる時もあるけれど。 ←コラ




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