簡易暖房


今日から4連チャンのバイク担当。
ヒジョーに緩んだカラダには、へヴィーでハードなスケジュール。
おまけに天気はシトシトと雨模様で、カラダをしっぽりと濡らしマス。


ガタガタガタガタガタガタガタガタ・・。

寒いって。

寒いってば。

二輪教習をやってる自分に憤りを感じるくらい寒いって。



O君18歳、♂。
なんだかヒジョーに鼻っ柱が強いというか、自分に自信をお持ちというか、
若気の至りというか、ええかっこしー(古)というか、なんつーか。
でも、なんだか空回りっつーか、中身が伴わないっつーか、
「いや、それじゃダメダメだヨ!」っつーか、「押印出来ませぬ」っつーか。
そんな感じのオトコの子デス。


で、今日は急制動担当。
路面は雨で濡れているため、湿潤時の制動距離っつーことで14mで止まることになってマス。
説明開始。

「ふんっ! そんなの楽ショーでしょ!」

っつー感じで、ろくに説明を聞きやしません。
ヒトが説明をしてる最中からヘルメットをかぶり、バイクに乗ろうとしてるカレの後姿。

あ。
なんだか不思議デス。
カレのその態度を見て、カッカカッカとカラダが暖かくなってきました。

そこで説明をやめるのもひとつの手ですが、
あとで文句を言われるのも癪なので、事細かにきっちりと説明、そして教習開始。



ほらね。
出来ないでしょ。
っつーか、説明を聞いてないのは火を見るより明らか。


「あれぇー、O君、説明聞いてなかったぁ。」

「聞いてましたよ。ダイジョーブっす。」

「・・・・あ、そう。」


また、ちょっと暖かくなってきました。
出来ないヒトほど、ダイジョーブっつー言葉をまるで盾のように使いまくって虚勢を張りマス。


で、1時限終了。
ハイ、全然出来ませんでしたネ。
「んー、ハンコ押そうかなぁー。」
なんてちっとも迷うことなく、ダメ。却下。アウト。ペケ。
灰色じゃないデス。黒。クロ。真っ黒クロスケデス。
原簿の復習項目欄にデカデカと確信を持って、その旨を書き込むわしを覗き込むO君、
まるで青天の霹靂みたいな顔してマス。


「え! オーバーですか!」

―――ハイ、しっかりオーバーデス。

「ちゃんとやってましたけど。」

―――奇遇だね、わしもちゃんと見てました。

「出来たと思うんだけどなぁー。」

―――うちの指導員全員がきっと出来てないって判断すると思いマス。

「ちぇっ。」








「ちぇっ」だとぉぅ!?








あー、暖かい。
カッカカッカ、ポカポカと。
寒い日には、カレみたいな生徒がホッカイロ。
でも、カッカカッカ、ポカポカと同時に、
ムカムカもくっついてくるのが、タマニキズ。




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