生き残る


夕飯を食べていると、職場の先輩指導員からTEL。
出勤前日には予定を知らせる為に掛けてきてくれるのですが、
まだまだ明日も休みですヨ。
不審に思い、電話口に。


リストラ話が社長の口から出たそーで。


いや、今すぐにっつーわけではなく、このままの業績で行けばっつー話デス。


「ついにうちにも聖域なき改革の波がっ!」


っつー感じですネ。
なんでも朝礼の時に、普段は顔を見せない社長様が現れ、
ひとしりき指導員に対してケチをつけた後、ポロッと口からその発言がこぼれたとか。
どーやら利益に対する人件費のパーセンテージが膨らんできて、
このままいくと不健全な経営状態になりかねないらしいのですネ。

しかし問題は、社長様が指導員室に顔を出した直接の原因。
どーやら会社側に対する指導員の批判を耳にしたらしいのデス。
つまるとこ、指導員室での指導員の愚痴を、密告してる輩がいるらしいってこと。

パッと頭にとある人物が思い浮かぶ。
たぶんあのオトコに違いない。
自分を売り込み、他人を蹴落とす、まるで競争主義の申し子のようなオトコ。
盆暮れのツケトドケを忘れることはなく、上に対して見事なまでのへつらいっぷリのあのオトコ。
自分が生き残る為には、見事なまでに正直な生き方デス。
それが利口なのか卑劣なのかは、この際置いておいて。

そーいう生き方もあるんだねぇーって第三者的な目で見てたりもするのですが、
わしにはきっと真似できない生き方デス。
なんだか、性に合わないんですネ。
でも、正面切って上との対決姿勢を見せるっつーこともないでしょーけど。


当校には『組合』っつー組織はありません。
だもんで、権利を闘って勝ち取るのではなく、
擦り寄って生きていくしかないのかもしれません。
ココで長生きしたいのであれば。

会社側はあくまでも採算を常に念頭に入れている『営利企業』。
そして指導員の使命は、早くでも安くでもなく、『安全な運転者の育成』が目的。
この一見矛盾しつつ、相容れない二者のどこかに妥協点を見つけて、
働いていかなくちゃいけないんでしょーネ。
我々指導員は。

でも、あくまでも雇われ人なんデス。
わしは。
悲しいけども。



家と車のローンは、完済できるのでしょーか。




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