彼
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最終時限に彼は訪れた。
年の頃は20歳前後か。 が、しかし、間違いなく、あっち系。 とにかく普通に歩くのではなく、肩で風切る歩き方。 恰好も間違いなく、っつーかひと目でわかるっつー感じ。 彼の目。 「自分以外は全て敵!」 「でも、義理人情は大事!」 と言わんばかりに攻撃的ビームを発しまくり。 一触即発。 いつでも戦闘体勢に入ろうと言わんばかり。 (こいつは締めてかからねば・・・ゴクリ) と思いつつも、極めて普通に対応する。 「よろしくお願いします。」 「ヨロシクオネガイシマス・・・。」 おお。 挨拶はするのか。 挨拶は全ての始まり。 最初良ければ、全て良し。 その後の教習は順調に進んだわけデス。 最後にひとこと聞いてみた。 「なにかわからないこと、ありますか?」 「エンジンブレーキって、どれっすか?」 わしも見たこと、ないですヨ。 |