独り言


今日も公休。
取り立てて何もないデス。
っつーことで、わしの仕事について、普段思っていることを少々。


「教習所」「自動車学校」っつー名前を付けている施設が、
全国で1500箇所くらいあるらしいんですネ。
で、新規免許取得者の95%近くがそこで免許を取得してるのだと。
その数字が多いのか、多くないのかはどーでもいいのですが、
結局は、『免許=教習所』っつー図式は成り立つ訳デス。
それが結局、『車の事故』 → 『教習所が悪い』って感じでeasyに結びつける。
だもんで、教習所に対して批判的な意見が常に付きまとうのは仕方ないんですネ。
それに関しては、言い訳は今この場ではいたしませぬ。


検定合格、そして卒業。
で、免許センターでは技能試験免除。
これで運転許可がおりる訳デス。
じゃー、検定基準っつーのはどーなのか?
厳密に定められているには違いないけど、それを履行するかどーかは、検定員次第。
検定中止項目に関しては概ね厳密だと思いマス。
誰の目から見てもミスしたっつーのがハッキリするからネ。
しかし減点項目に関しては、わしが思うに相当アバウトだと思うんですネ。
何故かと言うと、一番わかりやすいのが免許センターで行われる『抽出検査』って奴。
本免試験の受験者から数名引っ張り出して、実際に免許センターのコースを走らせてみる。
そして教習所がどの程度のレヴェルで卒業させているかを検査するんですネ。
大抵マイナス数十点。ひどい人だとマイナス何百点だそーデス。
話を聞くと、そんなのク○ッタレ!ってわしは思うんですけどネ。
わしだって、そんなに厳密には出来ないですヨ。
まして初めて走るコースだったらなおさら。
でも、教習所を優秀な成績で卒業してきてるのには違いないんですネ。


最後の停車位置が道路側端から31cm離れていた。
その1cmが意味するものは?
左折進路変更時期が1秒遅かった。
その1秒が周囲に与える影響は?
検定員も人間。冷酷なロボットじゃありません。
迷い、葛藤、妥協、困惑・・・そして正義感。
そんなものを制服の内ポケットに入れて、検定に際する訳デス。
わしは検定員の資格は持ってないからわからないけどネ。


工業製品の検定基準、それこそ製品の種類によっては、
0.01mmの誤差が不合格になるものだってあるらしい。
そりゃそーデス。
その誤差で製品として動かなくなる可能性がある訳だから。
でもネ、よっぽどそっちの検定の方が楽に思えるんですよネ。
例えとして適切かどーかは別にして、車の運転もそれくらい厳密であったっておかしくないはず。
だって、命がかかってる訳だし。
工業製品だって場合によっては命に関わる場合もあるかもしれないけれど、
教習所っていう工場から出荷された製品である生徒が犯したミスは、
間違いなく、人間の尊厳に関わるケースがほとんど。
ただその検定の相手がモノか人かの違いってだけのことデス。
学科テストのように、それこそデジタル的に、『適』『不適』の判断が出来ればいいのだけどネ。
まー、現実的な考えじゃないのはわかってるつもりデス。

で、この文章を見て、きっと怒り出す人、いるんでしょーネ。
「ワタシは製品じゃない!!」
「なんて失礼な奴っ!!」
って。
そんなのコッチだってわかってるつもりデス。
わし達指導員だって、製品を作るロボットじゃないんだし。


ただネ、モノとの決定的な違いが一点。
我々が送り出した製品は、その後、自分達の手で進歩していくんですネ。
その進歩のベクトルが、間違った方向ではない事を信じるしかないのデス。
わしは仕事上でそのベクトルを良い方向に進める為のきっかけになればいいと思ってマス。
いろいろな面で限界を感じてはいるんですけど。


長いですネ。
今日の日記。
2時間近くかかりましたヨ。
コレだけの文章に。
最初に書いた文章、あまりにもヤバかったので殆ど消しちゃったけど。
たまには真面目なのもいいかっつーコトで。




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