予感


朝から雨が降っている。
まして今日は二輪担当だったので、ヒジョーに気が重い。
午後から晴れるだろーという気象予報士の言葉だけが頼りデス。
いつもの道を、いつも通りに出勤。
出勤の時に使う裏道、対向車が来たらどちらかが停まらないと行き違いが出来ない程狭い。
左右の見通しもあまりきかないんですネ。
で、走っていると、50mくらい先にある信号機が青。
歩行者用の信号を見ると、青色灯火が点滅開始。


(んーー、現状維持? 減速?)


キックダウンでもして、急げば黄色になる前に交差点には入れそう。
時間に追われていたら、たぶんキックダウンでしょーネ。
それほど時間に余裕がある訳ではなかったけど、
なぜだかこの時は、なんとなくイヤな予感がしたんですネ。


(まぁ、いいや。)


でアクセルオフ。
静かにブレーキング。
すると、こちらの信号がまだ青のうちに、
目の前の横断歩道を女子高生の乗る自転車が、えっらい勢いで通過!
見通しが悪かったので、彼女が交差点に進入して初めて姿が見えたって感じの状況。
勿論、彼女側の信号は、きっちり赤デス。


(・・・・・あ。あ、あぶ、あぶ、あぶねー!)


たぶんあの時に、「行こう!」って判断をしていたら、間違いなくわし、
彼女を轢いていたに違いないデス。
普通に考えれば、こっちは間違いじゃなくて、彼女のミス。
しかし車対人だと、やっぱり車の方が悪者になっちゃうんですネ。


人はこれを危険予測と呼びマス。
ただ、わしは自転車が出てくると思って減速した訳じゃないんだけどネ。
なんとなく無理をしたくなかっただけ。
なんとなく燃料が勿体なかっただけ。
そんな気持ちが、もしかしたら事故を防いだんでしょーか。
まー、結果おぅらぃっつーことで。


でも、指導員の運転がこんなもんだからネ。
こうやって、『ヒヤリッ!』っつー経験が、運転のレヴェルを上げていくんでしょーネ。


指導員になって7年半。まだまだ日々勉強デス。
車の運転技術に、『完成』はないんですネ。
気をつけたいものデス。




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