アリガトー


久しぶりのまとまった雨。
しかも、こんな時に限って二輪担当ですネ。
車の教習よりは好きだからいいんですけどネ。
ただ、これくらい強い雨だと、二輪の生徒さん、キャンセルする人がいるもんだから、
普通車になったり、二輪になったり。
カッパを着たり、カッパを脱いだり。
えっらい忙しくてかないませぬ。

そんな感じで、二輪の生徒が途切れたとある時限。
キャンセル待ちで来たのは、


「あぁ! 復活したんだねぇ・・・。」


と思わずにはいられない、Cさん(40代後半・♀)、中国国籍の方デス。
なぜ『復活』かと言うと・・・。
Cさん、ほとんど日本語が理解できないみたいなんですネ。
その為、学科試験で思いっきり教習が滞っていたのデス。
効果測定、仮免学科試験、あわせて20数回目で合格。
で、技能の方はというと、これも・・・。
規定の枠を軽くぶっちぎり、思いっきり張り紙が張ってありマス。
そしてCさん、困ったコトに何か言うと、とりあえず
『アリガトー。』
って言うんですネ。


「Cさん、それじゃーエンジンを始動してください。」


なぜか、いきなりギアを『D』の無理矢理入れようとする。
入らないのに。


「Cさん、ギアとサイドブレーキを確認してから、エンジンをかけてください。」


『ア、アリガトー。。。』


エンジンをかけた後、説明をしようとするわしを無視して、
いきなり『D』に放り込む。


「Cさん、発進はちょっと待って。話を聞いてください。」


全然、聞く耳持たず。


「Cさん! ちょっと待ってくださいっ!(語気強め)」


『ア、アリガトー。。。』


「・・・・・。」


説明が終わり、教習所出口を左に出ようと指示を出す。
しかし、Cさん、合図は右に出す。


「Cさん、左ですよぉぉぉ! ←半泣」


『アー、アリガトー。。。』


で、Cさん、合図を左に切り替えたにも関わらず、
ハンドルを右に切ろうとしてるし。


「(・・・・・もう、いいや。右で。)」


路上で。


「はい。Cさん、加速してー」


『アリガトー。。。』


「今度は速度出すぎですよー」


『アリガトー。。。』


「・・・・・・・。」


ずっと、こんな感じデス。

誰がCさんに日本語を教えたのでしょーか?
だいぶ言葉の使い方、間違ってるみたいなんですけども。




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