急制動


路上教習中の出来事。
Mさんはマツゲがバサバサ、化粧っ気バッチリのピッチピチの女子高生。
もう車の運転が楽しくて楽しくて仕方ないっつー感じデス。
それはそれでいいのですが、どーも女の子には似合わずにそこらじゅう飛ばしまくりなのデス。
こういう感じの娘には怖さを口で言ってもなかなか現実感が伴いません。

「わっかりましたぁ〜♪」

っつー感じでオシマイ。
何かいい手立てはないものかと思いつつ、助手席に乗ってました。

教習車は国道とはいえかなりタイトな片側一車線道路をひたすら直進デス。
自車線はガラガラ、しかし反対車線は大渋滞。
危険予測のお約束パターンって奴ですネ。
しかし、そんなことはお構いなしにMさんは口元に笑みを浮かべながらアクセル絶好調デス。
なんか嫌な予感がしていました。
で、案の定デス。
反対車線側の店から車が1台、もうなんの躊躇なく、
渋滞の車の間から「コンニチワ」って奴デス。
後続車がいないのを確かめておいたわし、それこそ遠慮なくMさんが踏む前に急ブレーキ。

「ガッガッガッガッガッ!!!」

(おぉ! ABS効きまくり。)

当然、飛び出してきた車とぶつからないことは、承知の上での急制動デス。
オプションでわざとギリギリで止まってみました。
Mさん、ブレーキに足を移動する事すらできません。
ちらっとMさんを見ると、化粧タップリのお顔が蒼白デス。

「ほらぁー、こーゆー事もあるんだよぉー。危なかったねぇー。ふぅ。

わざと溜息をついてみたりなんかして。

「・・・・・。ぅぅぅぅ・・。」

Mさん、言葉にならない言葉で頷くのが精一杯デス。
そしてそれからの茫然自失のMさんの運転は想像の通り。
これをいい経験にしてくれれば、きっといいドライバーになってくれることでしょー。
よしよし。




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