呼吸器の病気シリーズ

喀血・血痰

 喀血・血痰とは、血液そのものか、痰に血が混じっているかで、両者で本質的には疾患の差異はなく、気道系からの出血を起こす病気が最も考えられます。患者さんは、口から血液が出る劇的な症状のため動転し、短絡的に、肺がんや肺結核を心配し来院されます。事実、特に肺がんは、最も念頭に置かなければならない病気です。しかし絵印象的にはいろいろな病気が考えられ、呼吸器疾患では、気管支拡張症、肺炎・気管支炎など、循環器疾患・全身性疾患でも起こります。稀ですが、月経代償性出血・子宮内膜炎で生理中に喀血することもあります。出血が進行するのか、繰り返されるのか、発熱などの感染症の所見を伴うのかなどを参考にし、胸部の画像診断を行います。場合によっては気管支ファイバースコープ検査が必要になりますので、もとより医療機関でご相談ください。