文化庁芸術祭石川公演


W.A.モーツァルト  「魔笛」  1997.11.3

in 金沢市観光会館 



指揮  岩城 宏之
演出  栗山 昌良
合唱指揮  大谷 研二

ザラストロ  戸山 俊樹
タミーノ  吉田 浩之
夜の女王  亀田眞由美
パミーナ  大倉由紀枝
パパゲーノ  久岡 昇
パパゲーナ  斉藤 昌子
モノスタトス  牧川 修一






第1幕フイナーレ
(タミーノとパニーナの出会いの場)



OEK合唱団の練習終了後、「魔笛に出る次の方は残ってください・・○○さん・・」で、
名前を呼ばれてびっくり。私がオペラに出るだとぉ〜?!

選抜があったわけでなく、参加希望を取った時に私が休んでいただけらしい。
定演の練習をぬって「魔笛」の練習が始まる。


二期会オペラなのでドイツ語ではなく日本語、言葉を覚える苦労はそんなに無かったが、
原語に合わせて作られているメロディ(あたりまえ)と、
日本語のアクセントがつく
位置が微妙に違うのが何とも歌いにくかった。

男声は、モノタトスの部下達として「これは何とすばらしい音だ」,
ザラストロとの討論の場で「おお神よ」を歌うのに対し、
女声は民衆としてザラストロを迎える歌と終曲だけ。
楽といえば楽だが、ちょっとさびしかったりして・・。
(女声の数人は鳥さんを操る役として、‘黒子’になっている。)


大谷研二氏との合唱練習の他に、演出助手の岩田達示さん,十川 稔さんの演技指導が入る。
岩田さんは実に情熱的な指導をなさる方で、とても楽しかった。
立ち姿の向き,手の組み方だけで従順な態度,反抗的は態度,肯定する意志・・etc.
を表せる事を知った。
まずはザラストロとパミーナの対話を‘自分’はどんな気持ちで聞いているのか、だった。
(パミーナちゃんかわいそ〜、何とかならないかしら?・・・爆)

「仕草に困ったら、隣の人の肩に手を置いて顔を見合わせる」、
なんてえのが結構みんなの間で役立っていたが、
隣に立つ人といったいどっちがそれを先にやるかで緊張が走ったりして・・・。


あの頃はOEKは県庁南分室の練習場が本拠地だったので、
練習場,読売会館,中央公民館,本番の観光会館と、
あちこち飛び回りタイヘンだった。みぞれが降る夜に、ふたつ巡り歩いた事も。

本番も合唱団の控え室は舞台からはるかに離れた部屋。
モニターをむなしく眺めて出番の呼び出しを待つのは辛かった。

 

衣装は実に単純、頭からすっぽりかぶって着るぶかぶかワンピースに頭巾で、
まるで尼さんかオ○ムの信者風、おまけに男女一緒。
ザラストロとともに宗教集団を組んでいる風だからなのだが、ちょっとがっかり。

モノスタトスの部下達は黒くメイクしてムーア人風の衣装を着て、
で、またすぐメイクを落として民衆に戻る。
黒子さん達は、パパゲーノとパパゲーナのアリアが終わってから舞台ウラで速攻で着替えだった。
(もちろんみんなでとりかこんで)



        
                 手を胸の上に置いて登場のポーズ!


舞台は中央のお立ち台,門番の武士,三人の童子が立つ後ろの台と金属質の円柱の、
実にシンプルで機能的な舞台。
「このへんに立って」、と演出から立ち位置が決められた。

国から予算が下りている舞台であり、本格的なオペラであった。

 

「モーツァルトは終曲を合唱団にわざと振ったんです。」
「(観光会館二階席の前付近を指して)あそこにいらっしゃるだろう音楽の神様に
みなさんの歌を捧げるつもりで歌ってください!」

なんて言う岩田さんの言葉にのせられて歌い上げた時の爽快な気分!
終わってみれば実に楽しいオペラ初体験だった。

 






第2幕フィナーレ
みごとに揃った腕の角度を見てください!










カーテンコール