「あ・・・。」

「あ・・・。」

彼と彼女は待ち合わせの場所に辿り着いたのは同時だった。

思わず互いの姿をまじまじと見つめる。

いつもとは違う、なんだか借り物に身を包んでいるような気分だった。

「に・・・似合うよ。」

彼がまず、言葉を発した。

「あ・・・うん。」

彼女も・・・返事はいつものぶっきらぼうだったが、声のトーンは少し高かった。

彼は思いだしたかのようにコートのポケットに手をやった。

彼女もそれを見て思い出し、すぐにポケットの中身を探る。

手に触れたモノを掴み、二人は手のひらにのせた・・・と・・・・。

「あれ?!」

二人の手の中にあったのはさっき買ってきた物とは違うものだった。

小さな・・・手のひらサイズのクリーム色の卵が一つずつ。

淡いピンクの羽根を付けて、ちょこんと彼等の手に乗っている。

「こんなはずじゃ・・・。」

彼女は慌ててポケットの中を探るが、それだけであって、後は何もない。

「どういうことだ?」

その瞬間。

時間となり、二人の周りに光の洪水が押し寄せてきた。

「うわぁっ!」

思わず伏せた目を恐る恐る開けてみると、すぐ近くのオブジェが暖かい光を放ち、ちょうど彼等のスポットライトになっている。

「・・・あ・・・。」

そして二人はまた同時に。

大切な言葉を、伝えたかった言葉をその唇に乗せて発した。

 

「大好き。」

 

その様子は、オブジェの中でフワフワと浮かぶ、もうすぐ天使が孵化する予定の卵がずっと見ている。

 

 

作者、後書きという名の注意書き(笑)

     これは、私の知り合いの方にクリスマス用に依頼され、結局お蔵入りしてしまったモノです。(泣)
     元々は5分ぐらいのお芝居のネタとして小説化したモノでした。
     お蔵入りしてしまったのでここにひっそりと置いておきます。(笑)
     まぁ、少なくともこのサイトの性質上(爆)、オモテに堂々と置いておけるシロモノじゃないですしね。(苦笑)
     気付かれた方が暇つぶしに読んでみて下さい。
     高倉 雅、こんな砂吐きそうなモノまで書けるんだなぁ・・・と笑ってやって下さいませ。(だっはっはっ←てめえで笑ってどうする)
     ね?聖飢魔II信者への100の質問にちゃ〜〜んと書いてたでしょ?
     「頼まれたことはする。」って。(そこまで読んでない?あじゃぱ〜〜〜)
     でも残念でした〜〜〜・・・・。
     私を思いだして、私に頼んで下さった知り合いの方は、この小説を気に入っていると仰って下さいました。
     だから・・・残念でしたけど、嬉しかったです。

     それと。サイトの性質上、この小説に関する感想、苦情、その他諸々はメールに直接送ってやって下さい。
     やっぱり、この小説はここに置いておくべきではないと考えて下さった方も・・・です。
     掲示板には直接書かないで下さいね。(^−^)それだけ、よろしく御願い致します。