青 碧 の 迷 宮
数え切れない夢がある。
抱えきれない想いがある。
時には希望になり、そして、時には足枷となる。
自分の中で消化できない、何かを抱え込む。
それは、実体が無く、ただ漠然と・・・。
信じたい・・・何より、自分自身を・・・。
大きな溜息とともに、椅子に崩れ落ちるように座った。
会議が終わり、執務室へ戻ったデーモンは、いつも以上の疲労感を感じていた。
連日連夜、寝る間もない程の業務が押し寄せていた。
しかし、それを処理しなければ、魔界全体の業務が滞ってしまう。
そういう事態だけは避けなければならない。
だが、自分の身体の限界は既に過ぎている事は自覚していた。
このまま眠り込みたかった。
のろのろと手を伸のばし、秘書が渡してくれた今日のスケジュールを確認する。
「見なきゃ良かった。」
そのスケジュールによると、30分後に、情報局長官との打ち合わせが入っていた。
「ちょっとだけ・・・。場所はココだし・・・。」
そんな独り言を言いながら、デーモンの瞼は閉じていった。
あたり一面に広がる四角の羅列。
どこかで見た・・・。
しかし、こんなに大きくはなかったはず。
その四角は、規則正しく、ひとつずつ色を変化させていく。
音も無く動いていくそれは、別に危害があるわけではなく、ただ色が変わるだけ。
青から黒へ、青から赤へ。
これは何だ?
淡々とした繰り返す動きに、思わず目を逸らす。
が、目を閉じても、その光景は入り込んできた。
これは夢だ。
目を覚まさなければ・・・狂ってしまいたくなる。
重い瞼を持ち上げた。
これで抜け出せる。
夢なのだから、目さえ覚めてしまえば、この苦痛から逃れられる。
しかし、目の前に見えたのは・・・。
あたり一面に広がる四角の羅列。
どこかで見た・・・。
あ・・・、また夢・・・。
目を覚ましたのさえも、夢。
走り出す。
この空間から逃げ出したくて。
扉が見えた。
その先に何があるのか分からない。
だが、この狂気から逃れることが出来るのであれば、何が起ころうと構わない。
扉を開ける。
眩いばかりの光に思わず目を覆う。
目を慣らしながら、ゆっくりと目を開けた。
そこには・・・。
あたり一面に広がる四角の羅列。
どこかで見た・・・。
しかし、こんなに大きくは・・・。
「うわああああああああああ!!!!!!!!!!!」
「・・・モ・・・ン・・・。・・・デ・・・−・・・。デー・・・ン。デーモン!!!」
遠くで誰かが呼んでいる。
目を覚まさなければ。
しかし、瞼が上がらない。
「おい! デーモン!」
エースの声だ・・・、エース!!!
「あ・・・、エース・・・。」
「『エース』じゃないだろう? 何回呼んだと思ってるんだ。大丈夫か? 随分、魘されていたが・・・。」
心配そうに覗き込んでいるエースの顔があった。
「悪い。ちょっと眠くて・・・。顔洗ってくるから待っていてくれ。すぐ始めよう。・・・エース?」
立ち上がろうとしたデーモンの肩を掴んで、その動きを制する。
「今日は、帰れ。」
「馬鹿な事を言うな。どれだけの業務が残っていると思うんだ。」
溜息混じりにエースは言った。
「お前が倒れたら、それこそ業務が滞るだろう? 今、お前が休んだからって誰も責めはしないから。頼む・・・。」
あのエースに、こんな顔させて、ここまで頼まれて、否とは言えなくなる。
しかし、今休むことによって生じる負担は、自分の身にも降りかかってくる。
だが、それでも・・・。
甘えて良いのだろうか?
許されるのだろうか?
思い切って言った。
「久々に、飲まないか?」
デーモンの誘いに、エースは微笑んだ。
fin
presented by aoi
あとがき
私のちょっと前の現状を書いてみました。
別に疲れが堪ってるんではなくて、夢なのに夢ではないような、何度も何度も起き上がる夢。
それが繰り返されるんです。
繰り返し現れるコンピュータの中身みたいな、そうだな・・・。
PCを最適化するときに四角いものが移動するじゃないですか?
どれだけ最適化が進んでるかを表す、あれ。
あれがずっと眠っている間中繰り返されるんですよ。
眠ってるんだけど、起きた時の頭痛が最悪。
それでなくても寝起き悪いのに。
一晩中魘されてるのが分かるんです。
んで、起きなきゃって思って、目が覚めるんだけど、またその四角が現れて、また起きなきゃで起きて、でも一面四角が動いてて・・・、が一晩中。
だからって、眠ってないわけでは無いから、眠くはないけど、でも、ぐっすり眠りたいんだよね。
これって、ただ単に、寝苦しいだけなのかな?
それとも、夢見が悪いだけ?
誰か、夢占いしてくれません???
葵拝