モザイクのLove Maze 〜ARCADIA 7〜
「あ・・・・あ・・・・・・あああ・・・・ああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
手の中に入ってきたエースを見て、愕然とする。
剣は引き抜かれ、行き場を得た血液はあっと言う間に周りを汚す。
「エース長官!!エース・・・・・・!!!!!エース・・・・・・!!!!!!」
倒れこんできたエースの後ろには不気味な光が二つ。
ダミアンと同じ遺伝子をもつ猫目石の瞳。
「サタン様・・・・?まさかあなたが・・・。」
大魔王はベッドから降り立った。
初めて見る・・・彼の姿。
深いフードに顔全面を覆い、月に反射した瞳しか確認できない。
実体であって実体の無い者。
それがサタン。
魔界を統括する唯一の絶対者・・・。
精神体を病み、床に臥して何千年。
その弱った身体の中に見えるのは先ほどルークがダミアンの中から強引に抜き取った力天使の影だった。
デーモンは大魔王と対しながらエースを抱え、剣を構えた。
しかし。
デーモンは悩んでいた。
この剣で彼を貫くことは簡単だ。
だが・・・大魔王がこの衝撃によって消滅してしまったら?
デーモンは膝を付いたまま、じりじりと下がって行く。
ダメだ・・・自分には・・・できない!!!!
【デ・・・・モン・・・・・・・・・・!!!!!!臆するな・・・・・・・。】
どこからともなく声が聞こえる。
「?!・・・その声は・・・サタン様?!」
別の次元から飛んでくる精神の声。
そんな芸当ができるのは、そう、目の前でこちらに向って進んで来る大魔王だけ。
「サタン様!!!」
【実体があって実体がない私は・・・・その剣で貫かれようと滅せはしない。今、行動は彼奴に封じられてはいるらしいが、精神力は私のほうが上。
一瞬だけなら彼奴の動きを封じることができる・・・。一瞬を狙え。そしてその剣は・・・魔族を傷付けることはないから・・・。】
段々と声が小さくなる。
どうやら精神波の方に意識を集中させていった結果らしい。
デーモンのその予想通りに、大魔王の動きは完全な無防備の姿勢で一瞬だけ止まった。
「サタン様!!!!!」
右足を一歩踏み込む。
自然とエースを抱え込んだ腕にも力が入った。
下から上に・・・デーモンの剣は一条の閃光を描いた。
闇の影に飲み込まれていく刃先。
しかしその感覚に違和感はなかった。
「・・・・・・・・やったか・・・・・・?」
デーモンの呟き・・・。
その瞬間。
『げぇええええええええええ!!!!!ぐはぁあああ!!っぐぅっ!!!!!!!』
気味の悪い雄叫びが響いた。
明らかにそれは先ほどの天使の声。
大魔王の体内に自我を縛り付けられ、デーモンによって魔剣で貫かれる。
作戦は成功したのだ。
すぐにその天使は大魔王の中から這い出てきた。
そして傷口を腐らせながら絶叫と共にその身体を塵と化していく。
『デーモン・・・・・!!!!!!!!!!此れで済むと・・・思うな・・・・・・!!!!!我々の力は不滅・・・ミハエルさ・・・・・・ま・・・・・・・・・・・・・・。』
天使にあるまじき呪いの言葉を吐き、その力天使は天を掴もうと腕を伸ばしたが・・・その時には既に彼の腕は風の中に消えていった。
一陣の風・・・。
大魔王の身体を突き抜けて吹いた。
瞬間、力天使の身体は全て散り去った。
「・・・・エース・・・・・。大丈夫か?」
腕に抱く悪魔は息が細くなっている。
デーモンは必死で呼びかけた。
「エース!!エース!!終わったんだ!!エース!!!しっかりしてくれ!!」
うっすらとルビーの瞳が開く。
「・・・デーモン・・・・ああ・・やっと俺の名前を呼んで・・くれた。・・・でも・・・ちょっと・・・おそか・・・・ったか・・な?」
ゴボリと咳をするエースの口から、血潮が吹き出る。
「エース!!!!エース!!!!!!嫌だ!!エース!!!!!!!!!!」
喉から搾り出す悲鳴。
エースは苦しそうにしながら・・・ふっ・・・と笑った。そして・・・身体の力が急速に抜けていくのがありありと感じることが出来た。
「・・・エース・・・?」
デーモンは再び閉じてしまった瞳をあけようと必死で頬を叩いた。
肩も揺らした。しかし、それは無反応だった。
人形のようになってしまったエース・・・の抜け殻。
その身体の中にエースは・・・もういない。
「ああ・・・・・ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」
魂の叫びがデーモンの身体を突き抜けた。
「デーモン?!」
飛び込んできたルーク、そしてゼノンとライデン、ルークの肩に抱えられたダミアンが、デーモンの悲鳴を聞いた。
そして部屋の惨状を見つめ、背中を向けて座り込んだデーモンとダラリとだらしなく垂らした血まみれの腕を発見する。
「デーモン・・・それはエース・・・なのか?」
恐る恐る尋ねるダミアン。
デーモンの代わりに大魔王が静かに首を振る。
「え・・・・・・・・・・・・・・?」
ライデンが持っていた剣をカラリと落とす。
「死んだ・・・・の?」
ルークの台詞にデーモンがビクリと反応した。
「デーモン・・・エースを・・・こちらに。」
ゼノンが目の前に座り込み、手を差し出した。
「・・・・・・・だ・・。」
「え?」
ゼノンはデーモンの顔を見つめる。
「デーモン・・・?」
デーモンはエースの亡骸を強く抱き締めた。
「いやだ・・・・エースは吾輩のモノだ・・・渡すモンか・・・絶対に・・・渡さない!!エース!!!!!!!!!!!!!!!!」
瞬間、デーモンの力とは考えられないような強い風が部屋中を荒らした。
明らかにその中心はデーモンとエース。
「うあああああ!!!!!!!!あああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
「なんだ?!」
風に煽られて立っているのもやっとな状態だった。
「デーモン!!!どうしたんだ?!」
【静かに!!!】
大魔王の声がダミアンの台詞を遮る。
【見ろ・・・・。】
指さしたのはデーモンの身体。
金色のフレア。
デーモンの身体を覆い、更に光を放つ。
それは魔界においては限りなくタブーに近い色。
【目覚めの時だ・・・。】
「え?」
ダミアンの目が大きく開かれる。
そんな間にもデーモンの変化は進んでいった。
乳白色の肌を突き破って、背中から飛び出たモノは悪魔と天使の羽、右と左に一枚づつ。
なんとも不安定な身体だが・・・なぜか見るものを魅了し、目を離させない。
「なんだ・・・・?」
思わず零したライデンの声・・・。
「ちょっと待って・・・!あれは?!」
【彼も・・・・目覚める時がきたようだな・・・。】
こうなることは全て分かっていたのか?
大魔王の声は極めて穏やかだった。
デーモンの腕に抱かれたエースの身体も変化がおき始めていた。
ふわりとその手を離れ、宙に浮く。
今まで血液の出口だった傷はものすごい早さで塞がり、漆黒の髪が紅色にグラデーションのように染め変わっていく。
閉ざされた二つの眼の間・・・ちょうど額の中央に三つ目の瞳がその命を開花させていく。
完全に邪眼が開いた。
その時。
「・・・・・え?」
エースの瞳もゆっくりと開いた。
死んだ筈・・・だったのに。
信じられない顔つきでエースは自分の足元を見る。
「?!」
見たこともない姿の・・・しかし明らかにデーモンが、今まで噴出していた自分の血潮で我が胸を染め上げたまま、金色のオーラを発している。
穏やかで暖かな光。
どこか懐かしい。
エースの変化は完全に終わり、そのまま静かに床へと降り立った。
金色のオーラは止み、デーモンの身体は・・・ゆっくりと倒れこむ。
「っと!!」
エースは間一髪、床に落ちる前に受け止めた。
「・・・・エース・・・・!!!!」
ルークの声に我に返る。
「ルーク・・・。」
微笑を返そうとしたその時、
【目覚めの時は・・・誰にも止められなかったな・・・。】
聞いたことのない声が部屋の響く。
「誰だ!!!」
エースは辺りを見回すがどこにも声の発信者らしき姿はない。
「姿を見せろ!!」
【サタン・・・久しいな・・・。魔界創生の折より、もう、どのくらいになるのかね?】
天井一面がスクリーンのように誰かの顔を映し出した。
そこにいた全員が息を呑む。
それは・・・魔界創生の主、ルシフェルの姿だった。
「・・・まさか・・・そんな・・・。」
ルークが口を少しあけたまま呆気にとられて天井を見つめる。
「どういうことだ?」
エースだけは口調は変わらない。
それを見て、ルシフェルも苦笑する。
【そなたがジャガーの息子か?・・・大きくなったものだ。さて・・・その腕に抱くものがデーモン・・・だね?・・・我は今、ここにお前達の真実を告げね
ばならぬ。】
「真実?」
怪訝そうにエースはルシフェルを睨みつけた。
【真実。それは時として残酷なものになるやも知れぬ・・・。それでも我はそなた達に伝えねばならぬのだ。お前達・・・エース。そしてデーモン・・・
二名の悪魔に課せられた運命と共に。】
「エース・・・。」
心配そうにライデンがエースの肩を叩く。
振り向いて、エースはニコリと一瞬、笑った。
「大丈夫だ。」
そしてもう一度向き直ると再び天を睨みつける。
「話を聞こう。」
【私が天界から追放され、魔界へ堕ちたその時・・・。私は愛する者を失った。それが・・・エース、君の父上の生みの親、最初のB・Jだよ。】
「なに・・・?」
エースは眉を顰める。
【・・・私が追われる際に・・・その命を閉ざしてしまった・・・私を庇って・・・その時、彼女の中には既にB・J・・・君の父親がいてね。私はそれだけでも
助けようと・・・努力した。そして彼は生まれた。しかしその姿は、彼女の姿にも私の姿にも無い獣そのものだったよ。それは・・・君が一番良く知って
いるよね?・・・多分、彼は彼女の中で天使に対する嫌悪感、そしてそれに抗う為の力を無意識のうちに欲し、自らの望みによってその姿を獣と化し
たんだろう。】
「・・・。」
エースは唇を噛み締めて、自分の背中に刻まれた模様を思い出す。
その刻印の所為で・・・。
【そしてデーモン・・・彼は私と共に魔界に堕ちた者・・・後のデーモン一族の初代統領、デーモン殿の息子・・・とされているが。厳密には彼は悪魔で
はない。】
「なんだって?!」
大魔王以外、全員が驚愕の表情で天井を見つめた。
【彼は最後まで迷っていた。天を脱することを。裏切り者になることを・・・。そしてその迷いを全て・・・己が子供に宿すことで、彼は完全な悪魔となる
事が出来た。そしてその子供は・・・。天使と悪魔、その両性を担う身体となった。しかし、それではデーモン一族の後継ぎとして・・・その様に不安定
な状態、そして両性を秘めた想像もつかない、コントロールもままならない力を放出されたら魔界はおろか、未練を置いて来た天界さえも破壊するこ
とになるだろう。彼は・・・その力を剣と共に封印することにした。その封印を施したのが、ゼノン、君の父上だ。そしてもう一名。エース、君の父上だ
よ。】
「何故だ?何故我が父上がその様なことを・・・。」
そんな事実、一言も聞いたことがなかった。
【母を殺され、天界を憎んだ君の父上の相反する完全な力が必要だったのだ。相反する力が二つ、そして鬼族の強固な結界。完全な筈だった。
唯一つを除いては・・・。】
「何のことだ?」
【・・・君とデーモンだよ。相反するものは時として強烈に惹かれ合う。私達にはそれが・・・恐怖だった。二つの巨大な力、それが融合し、発動を
始め・・・・私達は君達二名を引き離そうとしたが、運命に勝てるわけがなかった。そう、君達は出会ってしまったのだから。・・・私達が恐れた通り、
君達は相反し、惹かれあった。・・・しかし出会ってしまったことは仕方がない。が、このまま君達が不安定なまま融合してしまったら・・・まだその
時ではないと感じた私は・・・デーモンから君の記憶を奪った。】
「てめぇか!!!全ての元凶は!!!」
エースは怒りを露に、デーモンを抱き締めたまま今にもルシフェルに掴みかかろうとしたが、ダミアンがそれを止めた。
「やめろ!!最後まで聞こう。」
【すまないことをしたと思っている。しかし・・・その時にはそれが必要だったのだ。少なくとも君の心の中からデーモンに対する理由のない相反する
感情を取り除く為には・・・。多分、その感情は君の父上から受け継いだ最後のプライドだったんだろう。君の父上は長い長い時間を過ごしていくう
ちに、天界への憎しみを少しづつだが消していった。あれだけ憎み、滅ぼしたいと思った対象を、許してしまったら・・・。それが怖かったんだろうね。
君が生まれる時にありったけの想いを・・・注ぎ込んだ。これは私の推測でしかないがね。】
「・・・そして・・・どうなるんだ?俺達は。」
一番聞きたかったことを問う。
【・・・デーモンの記憶は返しておくよ。それからは・・・もう、君達が決めることだ。私が分かっていた未来はここまでだからね。魔界のこれからを
担うのは君らだ・・・。過去の者はこれで消えることにするから・・・。サタン、お前はこれからも若者達を標す者として彼の地に命を留めよ。
・・・では・・・退散するとしようか・・・エース・・・そして、デーモン・・・・。時に彼方でまた会おうぞ。】
ルシフェルは最後の微笑を浮かべると銀色の光の粒と共に消えていった。
「・・・・・・エース・・・。」
ダミアンは不安げな表情を露にしてエースの名を呼んだ。
「・・・ダミアン殿下・・・。」
エースは未だに意識のないデーモンを抱きかかえると立ち上がった。
「連れて・・・行きます。」
それだけ言うと、エースは歩き始めた。
自然と道が開かれる。
その間を抜けて、二名は部屋を後にした。
「・・・どう?デーモンは。」
デーモンはエースの手によって屋敷に運ばれ、そして三日が過ぎていた。
姿はいつもと同じに戻ったが、まだその瞳は開くことはない。
ゼノンが時々様子を見にやってくる。
今日もまた・・・。
「ああ・・・まだだ。封印が解けたのと、俺を蘇生したのと・・・きっと疲れたんだ。」
「・・・どうするの?これから・・・。」
ゼノンが尋ねてきたのは彼らの本体に関する事ではなかった。
エースも、それは分かっている。
「さぁ・・・デーモンに任せる。目覚めて俺の顔を見て俺のことを思い出して・・・憎まれるのならそれでもいい。俺達はルシフェルの野郎が言った通り、
本当は出会うべきではなかったのかもしれないから。」
その答えに、ゼノンはほんの少し怪訝な顔をした。
「・・・いつからエースはそんな後ろ向きな考えを持つようになったの?」
「え?」
いつもの彼からは考えも付かないような厳しい意見にエースは苦笑する。
「・・・そうだな・・・俺らしくないかもな。」
溜息をついてゼノンをもう一度見つめる。
既に彼の顔からは迷いは消えていた。
「エース・・・?」
「・・・大丈夫だから。俺にとってコイツが必要だというのは・・・もう分かってるから。」
それ以上、何も言わせないという決意が彼の顔を強く、そしていつものエースの表情に戻している。
「分かった。」
ゼノンはそのまま部屋を後にした。
「久しぶりだね、エース。」
少しバツが悪そうな顔でダミアンが、久しぶりに伏魔殿にやってきたエースを迎えた。
「ダミアン殿下もお元気そうで。」
エースは宛がわれた椅子に座り、対面にダミアンを見つめる。
「・・・デーモンは?放っておいても良いのかい?」
「屋敷の者たちに頼んでまいりました。俺の方も情報局がありますから・・・。副長官に任せてはいましても、やはり俺が少しは見ないといけないでしょ
うし。」
運ばれてきた酒を飲み干し、グラスを返すエースをダミアンは黙って見ている。
「・・・で?どうする?デーモンに・・・真実は話すのか?」
問いかけにエースは一瞬押し黙ったが、すぐに首を横に振った。
「いいえ・・・。彼はデーモン一族の統領。そして副大魔王としての誇りがここまで彼を成長させた。それを崩すことなんて・・・俺には出来ません。」
その答えはダミアンにとっても同じだったようだ。
にっこりと微笑を返し、静かに頷いた。
「・・・そうだね。それが私も良いと思う。」
「・・・知らなくとも・・・知らない方がいい真実だってあります。全ては俺たちの中で・・・。」
それ以上、二名の間に言葉はなかった。
ただ静かな・・・穏やかにそのささやかな酒宴は続けられた。
二十日目の夜を迎えた。
エースは時々情報局へ行きながらも一日の殆どをデーモンの傍らで過ごした。
自宅から持ち込んだ端末と報告書を開き・・・しかし全然その内容は頭に入っていなかった。
「デーモン・・・。」
暗闇にその悲しげな声が響くばかりで返事が返ってこない会話を続ける。
その時、侍従が灯り取りの蝋燭を持って訪れた。
無言のままその灯火を、部屋の片隅に備え付けてあるスタンドに移した。
そしてそれに礼を言って、扉を閉め、後ろを振り返った・・・。
「・・・デーモン・・・・!!」
今までピクリともしなかったデーモンの表情が動いた気がした。
慌てて傍に寄り、凝視する。
すると。
「・・・・・・・?エー・・・ス?」
湖水の瞳がゆっくりと開かれた。
そして隣りで見つめる者の正体に驚きを隠せないでいる。
「デーモン・・・俺が・・・分かるか?」
震える声でエースはデーモンの答えを待つ。
「・・・エース・・・お前は・・・エースだ・・・。」
答えた瞬間、デーモンの身体は束縛された。
「・・・エース?どうしたんだ?吾輩は・・・なぜここに・・・?」
しかし、言葉はなく、ただ、自分を抱き締める力が更に強くなる。
苦しくはあったが・・・それは何故かとても心地よい。
諦めてデーモンはその束縛に身を任せた。
自然と手が、エースの背中を抱く。
「長い・・・長い夢を・・・見ていた。」
呟くようなデーモンの声。
「吾輩は・・・吾輩自身を探していた。彷徨っていた・・・。ずいぶん長いこと眠っていた気がする。そして・・・その中で吾輩は探していた物を見つけた。
ずっと忘れていた事を見つけ出したら・・・お前がここにいたよ・・・。」
どちらが最初に束縛を外したかは分からない。
気が付いたら、二名の影は重なり合っていた。
「エース・・・。」
「デーモン・・・。」
吐息と共に互いの名を呼び合う。
いつまでもいつまでも・・・それは永遠のように・・・。
サイドテーブルに置かれていたグラスが開け放しの窓から滑り込んできた風に倒れ、音楽のような音をたてて床に転がり落ちた。
モザイクのLove Maze
霧と闇の出口なき迷路。
その全てが晴れ、朝がやってくる。
何もかも今、歴史が動き始めた。
F I N
presented by 高倉 雅
Postscript
終わったよ・・・。
さぁ、どうする?(笑)書き始めてから約1年。
やっと終わったってばよ・・・。(笑)
根の暗い、果てしなくあっち行ったりこっち行ったり纏まりの無くなった話にお付き合いくださいまして、まことにありがとうございます。
これにて「モザイクのLove Maze」本編の終了です。(爆死)
あと、エピローグと、番外編が残ってたりしてるのです。(自爆)
自分で自分の首をキュウキュウ絞めまくって、まだあと数編(で終わればいいなァ・・・)が残ってるんです。
できましたら・・・それにお付き合い下さると嬉しいのですけど・・・。
よろしいですか?(ちゅど〜〜〜ん)
ではまた、この続きを、できましたら(笑)お楽しみくださいませ・・・。
春一番と桜の蕾が膨れ弾ける直前の季節に。
高倉 雅