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No.97:SONYの罪
CD、COMPACT DISC。今やどんな家にも1枚や2枚は転がってる非常に身近なメディア。はじめに発表されたRed-Book、いわゆるCD-DA系に始まり、YellowやOrange、いろいろ溢れてます。どれも合成樹脂製の直径12センチの円盤に貼った金属膜に非常に細かい物理的な溝(もしくは磁気的な溝)を同心円状に掘っていき、それにレコードの針よろしく半導体レーザーを当てて、その反射でデータを読み出すのは同じです。
CDの特徴はなんといってもデータの劣化が無い事。コレによってレコード盤やカセットテープは一気に衰退し、さらにその記録容量の大きさから配布メディアとしてのフロッピーディスクをも駆逐しました。近年のCD-RやCD-RWの登場でCDは遂に個人でデータを書き込む事を可能とし、更なる発展の道を歩んでいます。
じゃぁCDはいいことづくめで欠点は無いのか?
い〜や、私はCDはあの形が欠点だと思う。円盤が剥き出しになっていると言う事。なぜソニーとフィリップスはドクター中松の3.5インチフロッピーディスクのように円盤を保護しなかったのか。当時は円盤の製造コストが結構高くて、更に四角形に保護しようものなら凄いコストになってしまうから断念したのかもしれない。
でも剥き出しだからスグに傷が付く、指紋が付く、ホコリがつく。いまさら製造コストが下がったからといってCDをカバー付きの四角形のメディアに変更しようとしてもコレだけCDが普及してしまっていてはもう手遅れ。
ソニーは後になってその欠点を解消したMDを規格化して、CDと同じようにまずは音楽関係から普及させていこうとしたけどレコードやカセットしかなかった時代ならともかく、既にデジタルメディアとしてのCDが全世界に行き渡っている現代ではなかなか普及は思うようには進んでいない。CDだって傷さえ付けなければ半永久にデータを劣化無く保存しておけるのだから。一説にはCDメディアの寿命は40年とも言われているが、規格化から20年しか経っていないからそこらへんはなんともいえないし。
そしてCDの登場でかなり美味しい思いをした音楽産業に負けまいと映像(映画)産業が満を持して送り出したDVDさえも、悲しいかなCDとの互換性を保つ為に直径12センチの剥き出しの円盤。いくら技術が発展してもメディアに傷が付くのはカバーで保護するしかないだろうに。
専用のケースとかに入れて保管しなくても、メディアをそのままで引き出しの中なんかに雑に入れておくだけで良いような、そんな気軽なメディアの方がいいよなぁ。
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