No.96:サーキット
私も気づけばサーキット走行を始めて半年が経とうとしている。いつも走っているコースなら、やっと自分の頭で思うような走りがある程度できるようになってきて、これからは頭で思うイメージ自体のレベルアップを図っていく段階になってきたところです。今までは自分が理想とする走りが出来なくて、ただそれに向かって走っていくだけでタイムは縮まっていたのですがその先はというと、理想とする物を変えていく必要があるのです。これが意外に難しくて、自分が最良だと思っている方法で走っているのに、それよりも速い方法を考えろといわれても私の頭の中だけでは無理です。これからは他人にアドバイスを仰いだり、速い人の走りを見たり、最新の機械で解析したりして、もっと頭を使って走っていくようにしなければいけなくなってきました。
コレからが真のサーキット走行になって来るのだと思う。年内残りは充電、準備にまわして、来年からはまた新たな挑戦です。
とまぁそんな話は置いておいて、私が半年間サーキットやショップに通い詰めて いつも思う事があります。それは自分の車をどこまでサーキット向けにするかと言う事です。
サーキットで速い人(タイム云々というより、技術的な物)の乗る車というのは、ほとんどがサーキット仕様になっているのです。具体的には、エアコンが無かったり内張りが無かったりナンバーがついてなかったり。
市販の一般の車にはサーキットでタイムを出すためには不要な物がたくさんついているのです。エアコンなんか速く走る為にはただの重量物だし、ラジエーターの前にでかいコンデンサがあっては冷却性能も落ちます。内装の内張りだって結構重いから外せば効果的な軽量化へと繋がるし、運転席以外のシートは全て無用です。高性能エンジンで力ずくで走るような車ならまだしも、非力なエンジンで車体が軽いのを武器にして走っているような車だと軽量化というのは特に重要です。だからハチロクやシビックあたりなんかだと車の中はドンガラで鉄板むきだし、後席が無いなんていうのはサーキットでは結構あたりまえです。
サーキットでタイムを出すとはそういうものだと言う事は私も分かってはいるのですが、なかなかそこまでできない。普段コンビニに行くのも、遠くへ遊びに行くのも、全ての移動にこの車を使っている以上、快適装備は外せないのです。でもそんなこと言っていては車は速くならない。内張りを剥がして後席も外してエアコンを取り去れば速くなることは分かりきっているのですが私にはそこまでは出来ない。
みんなサーキットで速く走りたいから普段の快適さをある程度諦めている。「結局は何処まで割り切れるかだよ」なんて言う話をよく聞きます。でも私は逆にサーキットで速く走ることを諦めて普段の快適さを取ったわけです。タイムを縮める為にサーキットを走っているのに車を速くすることを諦めるなんて、ちょっとした矛盾です。まさに苦渋の選択。
だからシートもリクライニングのままだし、サーキットに来る3ドアのハチロクでリアにスピーカー付いているのなんて私以外に見たことないですからね(リアスピーカーは簡単に着脱可能にしてあるので走行時には外している)。
こんな車ではレースに出ても勝ちを狙う事はとても難しい。今はそれでもいいかなぁと私は思う。まだ技術だけで速くなることはできるハズだし、タイムは他より悪くても自己ベストを塗り替えていくだけで十分に楽しいから。レースだって優勝する事は諦めたって、誰かと競り合って走るだけでも十分に楽しいと思う。
それで満足できなくなったときには・・・普段の足にワゴンRでも買ってハチロクをサーキット専用にしようかな。
気楽に峠を走っている頃は良かったなぁ。足さえ決めてやれば気楽に楽しかったもんなぁ。

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