No.92:再出発の意気込み

リストラクチャリング。なんと恐ろしい言葉でしょう。夜もおちおち眠れません。明日いきなり解雇されたら・・・なんて思うとマジで恐ろしいものです。
しかし何でリストラされた人はみんなから「かわいそう」なんて目でみられるのでしょう?
リストラとは誰かをクビにするのが目的ではなく、企業の再構築が本来の目的です。具体的には不採算事業からの撤退、成長事業への予算・人員の再配分、組織の簡略化なんかを行っています。そして企業が新しく生まれ変わったときに不要な人材がクビになるのです。クビにしなければいけなくなったのは経営者の責任かも知れませんが、要するに彼らは会社に必要とされなくなってクビになっただけで責任は自分自身なのです。よほど有能な人材なら会社も解雇なんてしません。倒産で職を失った人たちや、希望退職で辞めてきた人とは違うのです。
ちょっとキビシイ話をしたかな?まぁほっといて話を少し移しましょう。

最近、私の勤めている会社でも人に関するいろいろな変化が起こっています。1つは人材派遣会社から人を派遣してもらう、そしてもうひとつはリストラされた人なんかの積極的な雇用です。
はじめに、人材派遣の利用。これは主に事務職の女性が対象になります。
なぜ会社は人材派遣を利用するのでしょう。会社側からみた人材派遣の特徴は、大きく
1.短期的には正社員よりも費用がかかる
2.所詮は社外の人間であるため、責任を持たせられない
3.期間限定である
4.安定して一定のレベルの人間を雇える
こんな所でしょうか。1,2が欠点、3,4が利点と呼べるのではないでしょうか。
従来会社で正規に採用してきた事務の女性に比べて、短期的に見ると費用はかかるのですが、終身雇用契約を結んでいる正規契約社員に比べて期間限定契約であるが故に結局は安くなるし、仕事はある程度できるし、初めから事務の女性に責任ある仕事は任せてません。今までは終身雇用とはいっても多くの女性は結婚する事で向こうから寿退社して行ってくれていたので、そんなに問題にはならなかったのですが、最近は不景気で結婚しても亭主の稼ぎが良くないので女性も働く必要が出てきて、なかなか退職してくれません。更に男女平等だ何だとワケの分からん事を主張してきて、会社側も一方的な解雇なんてできません。事務職として雇った女性はいつまで経っても仕事内容なんかそんなに変わるものでもないのに、年功序列で勝手に給料だけは上がっていくのです。ぶっちゃけた話、同じ仕事をできるなら、オバハンより若い娘の方がいいですしね(爆
そこでそれらの問題点と上記の人材派遣の特徴を照らし合わせると、「事務の女性は人材派遣で」という結論になるわけです。人材派遣業の急成長の理由はここにあったのか。恐るべし。

と、つぎはリストラ社員の採用。なんか慈善事業みたいで聞こえはいいのですが実際には結構厳しい。「リストラされてとりあえず稼がないと危ない、なんでもいいから雇ってくれ」という切羽詰まったオジサン達をハローワークから二束三文で雇い入れて、工場のラインで働かせるのです。そのためにわざわざ100%出資の子会社を作って、正式に我々と違う給料体系で雇うほどです。そんな彼等にいままで何の仕事をしていたのかなんて全く関係ありません。慣れれば結構誰でも勤まる仕事なんですし。でも、この作戦が意外に上手くいっていない。なぜか?それは彼等にやる気が無いからです。なんでもいいから雇ってくれと言ってきたくせに、雇ってみると「こんな仕事つまらん」「給料が安い」「飯がマズイ(爆」なんて事を口にし始めて全くやる気を出さないのです。よくテレビでやってる「リストラされてもみんな一生懸命再出発してるよ」なんてのとはまるで違う。過去の栄光ばかりを振り返りながら現状に不満を垂れるだけ。心機一転初心に戻って頑張ろうなんて気はさらさら無いのです。工場のラインだって立派な仕事だと思うんですけどね。いくら国から補助がもらえても(リストラされた人を雇った会社には雇った人数に応じて補助が出る)、彼等では役に立ちません。工場からは不良品の山、出荷先からはクレームの嵐です。彼等を見ていると「そりゃお前らなんかリストラされるわ」なんて思ってしまいます。過去の栄光ったって、会社が景気が良かったから彼等みたいなゴミ・カスでもとりあえず雇ってくれてただけで、別にお前が会社を支えていたわけではないのだろう。あ〜ヤダヤダ。

まぁウチの会社も、いつ経営が傾くか分からないし、私の身も安泰とは言えないんですけど。そんなときは彼等のような醜態はさらさないようにしたいですね。

ま、うちの会社は私をクビにする前に、全社員の3分の1を占める驚異的な数の管理職を何とかするだけで、かなりの経営健全化が図れるのですが。よくこんな状況で黒字を続けれるもんだ。

スゴイ(^^;

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