No.58:路上の覇権 〜飛ばし屋〜
ちょっと間があいたけど前回からの続きでいきます。と、その前に前回、対オヤジ比で走り屋のほうが運転が荒いと書きましたがどうやら通勤時間帯のオヤジの運転マナーはかなり悪いそうです。私は今までマイカー通勤というのをした事が無いのでこれは盲点でした。そーいやぁ会社の上司も通勤は凄い走りをしてるようだし。とはいえ通勤中のオヤジ車がみんながみんなタチ悪い運転してるかというとそんな事も無いと思うので、やはりこのコラムとしてはオヤジより走り屋のほうが運転が荒いとしておきます。オヤジ全体の中のタチ悪オヤジの比率は走り屋全体のなかのタチ悪走り屋の比率に比べて低いと思うし。
ま、オヤジの話はこの辺にしといて次は飛ばし屋の話へといきましょう。
飛ばし屋。要するに天下の往来で主にスポーツカーを駆り、荒い運転をする走り屋以外の人々です。定義としては、「年齢は比較的若い」「運転する為に車を運転する訳ではなく移動手段として運転するのみ」「別にサーキットに通っている訳でもなければ、ドリフトやゼロヨンをしている訳ではない」「異常に速度が速い」「比較的愛車精神が薄い」なんて所にしておきましょう。要するに一見走り屋風、でも運転が下手なやつらの事です。
走り屋は走ること事態を目的として暇さえあればハンドルを握ってるので、若いながらも意外に運転経験は豊富です。走り屋が運転技術が高い理由の一つがコレにあたります。経験ほど運転技術の上達に重要な物はないですから。
それに比べて飛ばし屋は違います。暇さえあれば走ってるという訳ではないので(そんな事するバカは走り屋だけ)運転経験は同年齢のほかのドライバーと同程度です。これでは特に運転技術が高いとはいえません。
ではナゼ彼等は飛ばす(速度を出す)のか。それは命知らずだからです(爆
とりあえず彼等は速度を出す。自分のコントロール可能な速度を超えて。何が起こってもおかしくない状況です。そして彼等はマナーも悪い。曲がる時にウィンカーを出してから減速するどころかウィンカーを最後まで出さない。強引な割り込み、信号無視も日常茶飯事。道路を自分のものだとカンチガイしてますね。道路は「オヤジ」を中心としたドライバー全てのもの。コレを忘れてはなりません。
経験と技術に裏打ちされた速度の範囲内でしか運転しない「オヤジ」や「走り屋」とは大きく違います。よって彼等は危険極まりないのです。走り屋が豪速で後ろから近づいてきても別にそのまま走っていればいいのですが、飛ばし屋が近づいてきた場合は逃げましょう。キケンです。
ま、こんな奴等にはオヤジを打倒する力も無ければ走り屋を超える事も出来ません。ただの危ない奴等です。あと、彼等の特徴として、普段は走り屋を凌駕するほどの速度で車を走らせているにもかかわらず、コーナーリング速度が異常に遅い。曲がる時だけ急に凡人並みの速度になります。これは見ていてカッコ悪い。直線で速度を出すのはアクセル踏むだけですが、曲がる時の速度というのは簡単には上げることが出来ません。いわゆる「直線バカ」ですね。ここが走り屋との決定的な違いです。
私の車はステッカーバリバリで、他の走り屋に挑戦状を突きつけているわけですが、偶に何をカンチガイしたのか飛ばし屋さんが後ろから追っかけてくる事があります(我が愛車AE86は加速性能は低いので、その気になれば軽自動車でない限り誰でも追いつける)。で、私の後ろをつけて走ってくるのですが、曲がるとあっという間に距離が離れてしまいます。いくら走り屋がコントロールしているとはいえ、15年前の旧車にコーナーで追いつく事が出来ないのです。直線で車の性能を活かして我が愛車に追いつこうとも、コーナーでドライバーの技術力の差によって引き離されてしまうのです。車はもっと速く曲がれると言っているのにその声が聞こえない。実行できない。これが飛ばし屋というものです。なんとも情けない。あの程度の運転技術で公道を我が物とカンチガイしてしまえる彼等が幸せ物に見えます。まぁ、そんな彼等をコーナーで引き離すのが我々の快感でも在るのですが(^^;
そして、この車との対話力が走り屋の速さの所以なのです。愛車がまだ速度を出せるのか、もう限界なのかを聞き取れる。だから車の限界で走る事ができ、限界を超えさせる事も出来るのです。
飛ばし屋はドライバー分類の中でも初心者と並んで要注意なのです。
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