No.56:路上の覇権
〜オヤジと走り屋1〜
今回は「オヤジ」と「走り屋」の話をしましょう。どちらについても一般的な話をしているつもりですので、一部の例外的な「オヤジ」、「走り屋」のことは知りません。ご注意を。
ここでは「オヤジ」とは要するに年輩の男性の事を言います。既婚、独身は問いません。
運転する車はさまざまですが、だいたい3BOXセダンや1ボックスワゴンなどが多いようです。周知のとおり道路を走るドライバー大半は彼らです。よって車を運転する上で一番重要な「路上のルール」は彼らによって作られていってもいいでしょう。
とにかく「オヤジ」は安全な運転を得意とします。「オヤジ」のスムーズな走りはさすが「オヤジ」と私をうならせる事が多いです。運転技術は運転をすればするほど上達するという説はこの「オヤジ達」を見れば納得できます。車に対する知識が比較的深いことも特徴ですね。
ほかにどうでもいいような特徴としては、AMラジオを良く聞く、あんまり洗車しないなんてものもありますね。
対する「走り屋」。言うまでもなく私もここに分類されるわけですが、ここでの「走り屋」の定義は、「年齢不問、車を愛し、スポーティな車を駆り、車を運転する事を目的として車を運転する人間」としましょう。ドリフト、グリップ、ゼロヨン、高速、路上、サーキット、各流派含めます。「走り屋」の特徴としてはまずなんと言っても極限状態での圧倒的な自動車の操縦技術でしょう。これは「オヤジ」をも軽く凌駕します。他には車の知識が深い、車に掛ける情熱が凄い、マフラーが爆音、ステッカーが好き、追い越しを喰らうと燃えるなど。「走り屋」は常に愛車をピカピカにしていると言いたい所ですがそうとは限らないのでココでは特徴には加えません(事実走り屋にはピカピカどころかボロボロの車が多い)。
どうでもいいところでは、ヤン姉によく狙われるが意外と普通の女性の方が好きなんてのも。
さて、それぞれの紹介を適当に済ませてこの2種のドライバー分類を比較してみましょう。
市民権が認められていないのは「走り屋」です。これは間違いない。マフラーがうるさい、一般道でドリフトやゼロヨンなどという迷惑な事をしてるのも原因でしょう。普段から凄い速度で走ってる事も一般からは嫌な目で見られる大きな原因だと思います。もっとも大きい原因は「走り屋」が他のドライバー分類に比べて圧倒的少数派であることだと思います。路上のドライバーの9割が「走り屋」だったらそれが普通なんですから。
凄い速度と書きましたが、ここで少し運転速度というのを分析してみましょう。
ここでいう運転速度というのは信号が青になって0km/hから加速し、加速を止めてある一定の速度を維持して走るときの、その速度のことです。この速度はいろいろな状況によって変わってきますがドライバー分類によってその速度域が違うと私は考えます。
「オヤジ」と「走り屋」の運転速度の決定方法はとても似ていると思います。運転速度の決定は両者とも、「路面状況等を考えながら自分の運転技術と自分の車の性能である程度の突発的事態に対応できる安全、且つ最速の速度」を運転速度にしているはずです。別に複雑な方程式を頭の中でといているわけではなく、直感としてですが。「うそだぁ、走り屋の速度は安全じゃないぞ」という声が聞こえてきそうですが、そうではありません。ドライバー分類の中でも初心者に次いで事故率が高い「走り屋」は、一番事故というものに身近であり、一番事故を恐れます。一般道で事故をするような走りをする事は無いのです。慢性的金欠も走り屋の特徴ですし。
ではなぜ安全に走っているはずの「走り屋」の運転速度は一般からは凄い速度に思えるのでしょうか?法定速度を超えているのは「オヤジ」と同じハズです。
そこは悲しいかな「走り屋」であるがゆえに自分のコントロール可能な速度が一般に比べて高すぎるからと考えます。その原因は他でもなく「走り屋」は、「極限状態の運転に慣れている」からです。高速道路を走っている走り屋はもちろん、車の限界グリップを追求するグリップ派、わざと車の限界を超えさせてスライド走行を楽しむドリフト派。「走り屋」とは自分の車の性能を熟知し、それを十分に体験している人種なのです。そして車の限界域を自分の体でコントロールしている人種なのです。だから一般の人がキケンだと思うような速度でも「走り屋」にとっては全然安全、なにも問題ない速度なのです。さらに「走り屋」の車はスポーティな車なので一般の車に比べて限界が高いのも確かです。
そもそも私のような口の減らない走り屋から言わせれば一般人は「自分の車の限界も知らずにどうやって走ってるんだ?」という事になります。スピンした事の無い人間(一度や二度のスピンでもダメ。そんなので体が覚えるとは到底思えない)にスピンするギリギリで走れと行っても無理です。オマエラの走ってる今の速度はどういう根拠で安全なんだコラ!というところです。
そんなこんなで走り屋の運転速度は速いながらも彼等にとっては安全速度であることがお分かりいただけましたでしょうか。オヤジドライバーもいくら運転技術が高くても極限運転に慣れていないので運転速度は車の限界のずっと下なのです。
では、ちょっと長すぎるので今回はこの辺で。次回以降もまだ「オヤジ」と「走り屋」の比較が少し残ってるので書くつもりですし、まだまだ他のドライバー分類も残ってます。
この企画は時間を稼げそうだ(^^;
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