ファンタシースターオンライン二次創作「パイオニア2奮戦記!」
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                    k_serika-Presents
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    [ PHANTASY STAR ONLINE-パイオニア2奮戦記!]
                      vol.01 02.05.11
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 あい、知ってる人はこんにちわ。知らない人はハジメマシテ。
 k_serikaでございます。
 さて、黄金週間も終わりました。
 充電も出来たと思うので連載小説を再開したいと思います。
 何故か、今更PSOです(つっこみ不可)
 以前の二次創作で感想頂いた中に
 『キャラクターごとに焦点をあてて話しを展開しては?』
 みたいな意見があり、考えてみたのが始まりです。
 今回は、せりか家次女であり我が家のエース『ラファナ』が主人公です。
 何と言っても彼女が一番書きやすい。
 んでは、短い話しですが………最後までお付き合い頂けるとこれ幸い。
 じゃ、いい加減はじめましょう。
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 母なる大地の衰えにより余儀なくされた大規模移民計画。
 通称「パイオニア計画」

 無人探索機により発見された惑星「ラグオル」に、
 超長距離惑星間航行用移民船「パイオニア1」が到着して数年後。

 本格的な第二移民船「パイオニア2」が惑星「ラグオル」に到着する。
 惑星軌道上に「パイオニア2」が到着し、
「セントラルドーム」と通信回線を開く直前、惑星表面上に大爆発が発生。
「セントラルドーム」との通信は途絶えた。

 いったい惑星「ラグオル」に何が起こったのだろうか?

 この物語は巨大移民船「パイオニア2」に存在する数多くのハンターズと共に
 惑星への移民計画を遂行すべく惑星「ラグオル」を探索し、
 人類未踏・未知の世界へ勇敢に挑む者達の物語である!

 ………………いや、多分ね。

―――――――――――――――――――――――――――――― 「PHANTASY STAR ONLINE-パイオニア2奮戦記!-」 SECOND STAGE「PAST GHOST?」 ―――――――――――――――――――――――――――――― 「……うっ〜〜」  闇の中を頼りない足取りで歩く影が一つ。  女性にしては長身で、それに合わせるかのような長髪は真紅の色だった。  せりか家次女であり、ハンターのラファナだ。 「……水」  辺りを見回すが、自分の慣れ親しんだ部屋とは趣きが違っていた。 「あっ〜〜、そうだった」  自分の家は少し前に全壊し、建てなおしの最中だったのだ。 (ううっ、あたしってば自分の部屋じゃないと休めないのよね)  寝汗でひっついた髪を煩わしそうに手で梳く。  だが、髪も背中もべったりとしていて気分が悪い。 「……とにかく、水」  階段を降りてリビングに辿りつく。  まだ慣れていない他人の家だ。  手探りとおぼつかない足取りで少しずつ進んでいく。 「ついでにシャワー借りようっと」  寝起きのせいか、それとも夢見のせいか身体が極端にだるい。 「んっと、コップとか何処にあるんだろ?」  闇の中、電灯のスイッチも見当たらない。  そもそも家の間取りがうろ覚えなのだ。 「ったく、もう。何処に……ん?」  後ろに微妙な気配を感じる。 「誰?」  家主であるティアかもしれない。  そう思って、振り返る。 「ひっ!」  後ろを振り向いた自分の視界に異形の物体が映る。 「きゃあああああ!!」  瞬間、自分の意識が飛ぶのを感じた。 ―――翌日――― 「はあああああ〜〜〜」 「………………」  移民船パイオニア2のハンター居住区。  その一角に大きな溜息がこだまする。 「なんだかなぁ。どうして、うちって貧乏なんだろう」 「そうだよねぇ。お姉ちゃん」  綺麗に敷き詰められた芝生の上に座り込んで、二人は同時に溜息をつく。  真紅の長髪が良く似合うせりか家次女ラファナ。  黒い帽子をかぶったハニューエル。  せりか家四女マティエが溜息の主である。 「まあまあ二人とも。  そんなに落ちこんでも仕方無いですよ」  二人の様子を見かねてか、一人の女性が声をかけた。  ホワイトリング・ティア・フラット。  まだ十六歳だというのに一流のハンターとして生活している少女だ。  同じハンター同士ということもあり、せりか家とは家ぐるみの付き合いである。  さて、前回の一件で我が家を失ったせりか家ご一行。  今、現在はこの娘の家に居候させてもらっているので、大家さんでもあったりする。 「ただでさえ住む家を失って、路頭に迷いかけてるってのに……」 「この上に借金まで作っちゃ、駄目ハンターだよねぇ」 「あ、あはははは……」  さらに『どよ〜〜ん』と暗くなった空気にティアが謎の愛想笑いを浮かべる。 「えっと、とにかく暗くなってても借金は減りませんよ。  ほら、お仕事して現状を打破しないと!」 「やる気にならないの」  ぷっーと膨れ面をして寝転がるマティエ。 「マティエちゃんも立派なハンターズの一員なんだから……。  気が乗るとか乗らないで仕事をするのはどうかと思うんだけど」 「うなーーーーーーーー!」  ティアの正論にマティエが謎の奇声をあげた。 「私が毎日色々やりくりしてるのにーーー!  どーして家が全壊するのよ!借金が出来るのよ!  私が悪いの? 仕事しないから? まだ、私14歳なのに?」  そう言って、彼女はやおら杖を取り出して無茶苦茶に振りまわし始める。 「可哀想に。とうとう、キレたわね」 「いや、その……冷静に観察してないで止めてもらえませんか?」  自分の庭先で奇声をあげて杖を振りまわすマティエを指差すティア。 「あー、駄目駄目。あの子がぶち切れたら家族で一番性質悪いから。  取りあえず暖かく見守っとくのが一番いいのよ」 「は、はぁ……」  分かったような分からないような返事をかえすティア。 (まあ、必死にやりくりしてる側から  無尽蔵に作らなくてもいい借金出来たらストレスも貯まるわよね) 「……マティエ、うるさい」  横からの声と共に銃声が鳴り響く。 「はうっ!」  振りまわされる杖を掻い潜ってフォトンの弾が彼女に命中した。 「ちょ、ちょっとセーラムさん! 何を!?」 「……大丈夫。ただの麻痺銃だから」  動揺するティアに反比例する様に落ち付いてVサインを見せる。  せりか家長女であり、一家のお母さんであるレイキャシール「セーラム」  事故でアンドロイド化した彼女だが、その下半身はなく車椅子に乗っている。 「あ”わ”わ”わ”わ”ーーー」 「アレストロックガンか、意外に役に立つわね」  いつぞやラファナが購入し、マティエの手に渡ったのだが活躍の場の多い武器である。 「朝からお騒がせしまして〜すいませんねぇ」  そして車椅子を押しているのが、家族きってのトラブルメーカーであるフォマール。  せりか家三女「ユーリア」である。 「私はかまいませんけど。  皆さん、そろそろお仕事しないと大変なんじゃ?」 「……その通り。私の治療費を稼ぐ為に四人で頑張りなさい」 「元はと言えばあんたが原因でしょ!」 「付け加えると原因はセーラムお姉ちゃんで」  ユーリアに回復魔術を使ってもらい、麻痺の解けたマティエが呟き…。 「そこにラファナが決定打を打ったのよねぇ」  ユーリアがそれに続く。 「不幸な事故といえば事故なんでしょうけど」  空など眺めつつ、ティアは昨日の事を思い出して言う。 「あれは絶対に私は悪くないわよ!」 「……なら、誰が原因?」  車椅子に乗ったセーラムが首を傾げる。 「あんたよ! あんた!?」 「わたしはただボディーカラーをチェンジしただけよ」 「「「「………………………」」」」  その返答に一同が沈黙する。 「どうしたの? みんな」 「セーラムさん。だから、それが原因なんですって」 「ボディカラーTYPE−9。  いつまでも白いままもどうかと思って変えてみた」  分かる人しか分からないだろうが、レイキャシールの9番目のカラーリングは怪しい。  闇の中でも浮かび上がりそうなカラーである。 「なんで電気もつけないで人の家、うろついてたのよ!  見た瞬間、幽霊か何かだと思ったじゃないの!」 「それで姉さんは咄嗟に迎撃したわけだね、本気で」 「だ、だって! 怖いじゃない!!」  その結果がこれである。  渾身の力で殴ったのだろう、セーラムの下半身と上半身が分断されているのだから。 (とんでもない力だなぁ……さすがハンターって所かしら) 「おねえちゃんの修理代400万メセタもかかるんだよ!  どーするの? これから〜〜〜このままじゃ、飢え死にするよ〜」 「ぐれいと……まさに身体を張ったギャグ」  ぐっ、と親指を立てるセーラム。 「うるさい! あんたは黙ってなさい!!」  びしぃ、と指差すラファナ。 「ユーリア。最近、妹達が冷たいわ」 「そうですねぇ〜、生意気盛りな年齢ですから〜」 「……くすん」  セーラムはキコキコと車椅子に押されて家に入っていく。 「って事で、クレハ。例の如く大ピンチよ」  人差し指を立てつつ、ラファナが弟の名前を呼ぶ。 「そうだね」  クレハと呼ばれた少年は一人で洗濯物を干していた。  それを見て、ティアは声をひそめつつクレハに聞く。 「例の如く……って、いつもこうなの?」 「おおむねこんな感じです」  ………………。  あっさり返答するクレハを見て、ティアは一瞬沈黙してから。 「……そう。大変ね」  とだけ言った。 (こういう現状をあっさり受け入れられる僕はおかしいだろうか)  先程からの姉達のやり取りを見ていたクレハは腕を組み、空を眺めつつぼやく。 「わ〜〜〜〜ん。こんなパターン嫌だよぉ〜」 「マティエ、泣き言を言わないの。泣いても借金は減らないのよ」 「う”っ、そんな言葉で納得する私って……」  涙は止まったが、そのまま固まるマティエ。 「今回の借金は400万メセタか。  一人あたり100万メセタがノルマだね」  言うは易いが、即簡単に作れる金額ではない。 「馬鹿者」  ラファナの軽く握った拳がクレハの頭を打つ。 「いたっ! 何だよ、姉さん」 「私とユーリアで300万。  クレハが70万、マティエは30万がノルマよ。  新人ハンターズのアンタ達に100万もノルマ課さないわよ」 (……適切な判断ね)  横で話しを聞いてたティアが批評を入れる。  加えて、この数日一緒に住んでた経験からラファナの性格を考慮して……。 (ラファナさんが200万、ユーリアさんは100万って所かしら。  まあ、悪くない計算ね。実現不可能って数字じゃないだろうし……) 「でも、姉さん。大丈夫?」 「勿論! クレハが疲れた私を労ってくれるなら一人で400万でも1000万でも!」 「一体どういう想像してるか知らないけど……労わないよ、僕は」  半眼で告げるクレハにラファナも視線を鋭くする。 「なによーその態度。  ちぇ、誰かさんの前だからっていい子ぶっちゃってさ」  ラファナが視線でティアの事を指すのを見て、クレハは咄嗟に抗議する。 「ぶってない! 僕は元からこんなんだ!!」 「昔のクレハはもっと優しかったわよ!」 「それが姉さんを甘やかした原因だと僕は反省してるんだよ!」 (結局の所、仲がいいのね)  あーだこーだ言い争いを始めるクレハとラファナを見ていると思う。 「二人って仲のいい姉弟ね。  あれ、マティエちゃん? 何を考え込んでるの?」  口元に手をあててマティエはブツブツと何やら呟いて考え込んでいる。 「……ねえ、ラファナお姉ちゃん」 「ん? どーったの?」 「クレハお兄ちゃんが労えば本当に400万を一人で稼げる?」 「おい!」  マティエの発言にラファナの顔が「チャ〜〜ンス」とにやける。 「もちっ! アッという間に稼ぐよ!!」 「よしっ! じゃあ、クレハお兄ちゃん一晩貸してあげる♪」 「……マティエちゃんって」  家族と言うものの幻想がガラガラと崩れていくのを感じる。 「マティエ! 僕を売る気か!?」 「家族は苦楽を分かち合うもの!」 「僕は苦しか味わって無いぞ!」 (……さっきの訂正)  ……とんでもない家族だ、この人達は。 「ともかく、私は荒稼ぎしてくるわ。  可能な限り稼ぐつもりだけど……クレハとマティエも自分のノルマはこなしておいて」 「分かった」 「うん、頑張る!」 「よし、二人ともいい返事よ。  ちなみにノルマこなせかったら  ―――二人とも、本気で労ってもらうからね」 「「………了解」」  ラファナの冗談抜きの声に目を逸らしつつ二人が答える。 「じゃ、それぞれ行動開始ってことで解散!」 「は〜い」  言うが早いか、愛剣チェイン・ソードと相棒アサプラスを連れてラファナは出掛ける。  行き先はハンターズギルドであろう。 「お姉ちゃんはせっかちだな〜」 「それはそれとして、だ。  マティエ! さっきはよくも僕を売ってくれたなぁ!」 「私も用意してこよっと!」 「待て! マティエ、最近姉さん達に似てきたぞ!」  脱兎の如く逃げ出すマティエを追って、クレハも家に駆けこむ。  中からドタバタと騒ぐ音ときゃーという甲高い声。  ユーリアがそれを注意する声などが聞こえてくる。 「けっこうピンチだっていうのに……」  そんな事を気にもせず、彼等はいつも通りに生きている。  そのことに思わず微苦笑を漏らす。 (ラファナさんは荒稼ぎするって言ってたけど………)  短期で400万を稼ぐとなると相当危険な仕事をせねばなるまい。 「とんでもないことにならないといいけど………」  何とはなしに言ったその言葉が実現してしまうとは。  ティアはまったく思いもしていなかった。  今回の物語は―――せりか家次女であり、彼等と唯一の『血の繋がりがない』女性。  ラファナと彼女が内に持つ過去の亡霊の話しである。 To be continued..... ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆