デザインシステム 住宅について考えること
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街の中で周辺の風景とともにある この住宅にはお教室が付属している |
住宅、住まいは人としての社会生活の基本だ。 住まいが疎かでは良い仕事は出来ないし、勉強も、団らんも有り得ない。 集合住宅ではできない直に土に触れるアウトドアの生活もそこにはある。 決められた箱の中からはみ出すことが出来る自由な空間だ |
(写真と文章は無関係です) |
Frank Lloyd Wright |
まず住まうことができれば、と考えると、「住まう」に高性能を求めるか。 「とりあえず雨・風をしのげれば」とだけ考えるかでスタートが異なる。「木賃アパート」は想像していただきたい。あるいは現在も入居者のいる昭和30年代に完成の公団住宅などに住まうことを想像してみよう。 では、現代に新築される規格型住宅はいかがか? 多くの場合、販売コストありきが当然で、3mの天井高が欲しいとなると、できなくはないが、いきなり相当なコスト高。天井高さは一定(2.4mなど)、天井・壁はボードにクロス貼り仕上げ、床はシートフローリング、建具は木目シート貼り。5.2帖大(畳を敷くことは考えていないので半端な数値の記載がある)の洋室にベッド、11.6帖の居間にソファ、50inchのテレビを置き、「良い生活を送っている」ような気分になったり?? |
国宝 如庵 |
建物面積は工事費に直接的に影響し、シートフローリングではなく無垢材フローリングにしよう、も然り!!
経済問題で行き詰まる(本論考対象外)。 何かしたい、でもローコスト、など設計事務所は魔法使いではない。相見積もりは「適正さ」の検証の意味がある。 |
まず物理的外力に十分に耐えうること。地震、台風、酷暑、厳寒。
これらに対してはビクともしない、が可能である。 しかし洪水・山津波・崖崩れなど『土地』の前提が崩れるものはなかなか十分には対抗できない。「ビクともしない」は、要望とコストとの相関が通常では解くことは相当難しい。 高い天井:やみくもに高ければ良いというものではない。しかし、2.4mとか2.5mで均質では空間の質を制御することは難しく単調だ |
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逆に二畳台目の茶室では船底天井などを取り入れながら2,068mm天井もある。
高い=吹き抜けを考えるが、井戸を底から見上げるような一間角の吹き抜けなどは玄関ホール上部のワンポイントならば有りかもしれないが
居間の天井にほんの一部の一間角ならば上階とのつながりを綿密に検討しなければならない。
勾配天井や曲面天井も多用されるが、向き、開口位置、仕上げなど関連を吟味したい。
壁・天井等下地材に石膏ボードは欠かせない材料となっている。難燃・不燃であり加工も容易。
仕上げを塗装やクロス貼りで簡単に行え、かつ廉価である。しかし3×6、3×8等のサイズのボードであり継ぎ目がある。
また、やや重量物を壁に留めるにはボードにビスは効かないので同厚のベニヤ板をボードの代わりに入れる。そこにも継ぎ目が発生する。 仕上げの前に継ぎ目処理は行うのだが時間経過とともに必ずと言って良い程、処理した目地が動き仕上げクロス等に割れが出てくる。 |
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開口部・窓。浴室やトイレ、洗面所に自然光は入りますか? 集合住宅においては入らなくても当たり前。
戸建てにおいてもユニットバスが一般的となり、窓無しの場合も多い。
坪庭に面して大きな窓のある浴室。そんなもの!という意見もあろう、無いよりあったほうがどれほど良いか。換気、採光、眺め、・・・。
部屋にしても窓無し奥部屋は息苦しい。フスマやドアを閉め切れば頼りは人工照明と機械換気のみ。
ひと部屋1窓、と決まったものではなく、1部屋3窓も当然可能。 |
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窓無し部屋にはうらやましい限り、ということになる。トップライトやハイサイドライト、できることは多様だ。
窓は「外が見える」だけではなく、明かりを取り風を取る。機械換気は義務付けではあるが、開放できる窓はありがたい。
テラスと一体化したワイド開放の窓もいいだろう。洗濯物を干したバルコニーに面したワイドではなく・・・。
部屋の形も「四角」に限ったことではない。八角形に張り出したり、半円形も自由にすれば良い。窓の多様性が増す。それほど多くなくても、明るすぎるのでは、断熱性に欠けるのではなどの意見もあろう。カバーする手法はいくらでもあるが
物をぶつけたりすると剥がれる。きれいなのだがプラスチック光があり作り物感がかなりする。
高級な木でなくてよい、貼り物でなく木にしたいもの。
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一例としての茶室を考えてみよう。
ホテルなどの大型ビルの中に展示物のように設置される場合もあるが、ここでは一戸建て住宅の一部。
炉を切り、自在鉤を下げる、天然木の手を掛けない床柱が立ち、杉網代の船底天井、躙り口、紙障子窓。 |
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空調はさりげなく仕込み、照明器具は姿が見えず室は陰影とともにやんわりとした光に包まれる。
茶室とまでこだわらずとも「和室」も設置して趣が増す。畳敷の洋室ではなく真壁作り、白木の軸材が表しで塗壁、木目天井、襖戸、紙障子、床の間、違い棚と造作は多種多様。 |
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住宅を建てるとき、建てようと思うとき 良きパートナーに恵まれることが、成功・満足のすべてと言っても過言ではない ただ、めぐり逢い ともいえるパートナー探しは一朝一夕には行かない 時間がかかる 一生のことである以上、そこには時間をかけたいもの 安易にコンペなどとお考えにはならないで・・。(他の項目をご参照ください) |
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