いわれてうれしいことばベスト10

 

<ねらい>

今までの自分の経験を振り返り、仲間からいわれてうれしかったことばをたくさん思い出す。そして、日常の生活の中で、自分が仲間にどんな言葉をかけてもらえるとうれしくなるかを掲示物として残す。

 

<やり方>

1 最近、学級の中で「ちょっとしたことから言い合いになっておたがいいやな気持ちになることが多い。それでは、お互い気持ちがよくないので、どんな言葉をいわれるとうれしいか思い出してみよう。」と告げる。

 

2 紙を配り、思いつくまま書かせる。

 

3 教師側で集計を行い、ベスト10として掲示できるようにする。

 

4 次の日、「きのういわれてうれしい言葉を書いてもらいました。それで、ベスト10を作りました。どんな言葉がはいっているかあててみよう。」とクイズ形式で投げかけた。

 

5 挙手して発言させる。一つ一つの意見に教師のコメントをつける。KR反応を大切にする。

例 「おしい、実はそれは第15位になっていたんだなあ。」

  「さすが、それは第4位です。(かくしておいた紙をめくる)こういわれてうれしかった人手を上げてごらん。」

  「いよいよ、ベスト3をあててみよう。」

  「おしい、そういう意味の言葉なんだが、ちょこっとだけ違っている。」

  「ほんとうにそういわれるとうれしいよね。明日から使ってみようね。」

 

6 ベスト10を背面の掲示板に張る。

 

7 「明日からどんどん使っていこうね。」と呼びかける。

 

 

 

 

言われてうれしい言葉ベスト10

 

調査年月日 平成11年4月30日

 

 

第10位 おはよう

 

 

第9位  ごめんね

 

 

第8位  すごいね

 

 

第7位  ○○じょうずだね

 

 

第6位  いっしょにあそぼ

 

 

第5位  がんばったね

 

 

第4位  だいじょうぶ

 

 

第3位  がんばって

 

 

第2位  ○○うまいね

 

 

第1位  ありがとう

 

 

 

<考察>

 やはり、第1位はありがとうであった。個人的にはこの言葉は日本語で一番美しい言葉であると思う。これは、低学年の子でも変わらない。また、「がんばって。」と「がんばったね。」と似たような言葉が2位と4位に入っているが、がんばっては何かをする前に言う言葉で、がんばったねは何かをした後に言う言葉である。子どもたちはこのニュアンスを意識して書いたかどうかはわからないが、何かをする前に励ましてもらったほうがうれしく感じるのかもしれない。また、何かをほめてもらう言葉も上位に入っている。子どものほめる言葉の語彙はそれほど多くない。4月現在では、内面をほめる言葉は、「やさしいね。」ぐらいである。後はすべて外見や能力、自分に対する行為のお礼がほとんどである。今後どうしたらこうした自分の思いが伝えられるかを学んでいく必要があることがわかった。

この指導の大事なところは、ベスト10を子どもに提示してそれをどのくらい使えたかを確認するところにある。その点では、実践は十分ではない。掲示するだけでは、十分意識して使用する態度までは育たないことがわかった。

 

<結論>

 言われてうれしい言葉ベスト10をどれだけ使っているかは、期間を決めて調査をしないとその言葉を使って、自分がよかったかという「セルフエスティームが高める」ような効果があったかはわからない。

 

<参考>

この反対に「いわれて悲しい言葉」と「絶対にいってはならない言葉」というのもアンケートの形で取ってみた。意味がよくつかめていないと思われる回答が4名ほどあった。こちらは、教師が簡単に紹介するにとどめた。いじめ、差別にかかわるような言葉については学級開きの際に宣言したこともあり、再度使わないように強調した。 

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