ぴーちゃん物語

  第1章 ぴーちゃんが来た!

1992年5月私達は1羽の桜文鳥しかも一人餌になったばかりと言う条件付きの
桜文鳥を探していました。なぜなら家には1羽の桜文鳥がいました。残念なことに
その桜文鳥のお友達がお星様になってしま
い寂しいだろうとペットショップに片っ端から
電話をしてはショップを訪ねていました。
探しているときってなかなか見つからないも
のですね。1週間経っても同じくらいの桜文鳥
は現れませんでした。半分諦めかけていた時
ふと見た電話帳の小鳥屋さんの文字。もしか
したらここにいるかも?会社の公衆電話から
電話をいれると「いますよ!」の声!やったぁ
ーって心の中で叫んでいました。

仕事を定時で終わらせ私達は電話を入れた小鳥屋さんへ車を走らせました。そこは
とっても小さな古びた小鳥屋さん!扉を開けて「ごめんくださぁ〜い。昼間電話した者
ですが、一人餌になったばかりの桜文鳥を買いにいました。」中から出来たのは初老の男性そして手には数羽の桜文鳥の幼鳥が入った竹篭。みな元気に飛んだり鳴いたりしています。だけど手乗りと言うより荒に近い感じがします。すかさず私は手乗りで飼いたいのですが・・・おじさんは手乗りだとこの子が良いかな!この子は元気だし手にも乗るからお勧めだよ!って何度も私達に言いました。私達も段々この子の事が可愛く思え,我が家へ迎える事に、そう!この子が何を隠そう
ぴーなのでした。おじさんに早速箱に入れてもらい私達は車の中で名前は「ぴーちゃん」と決め、この後、多くの事件が起こることも知らずに家路へと急いだのでした。

  第2章 さよなら「ぴーすけ」

ぴーを連れて戻った来たけど今日は遅いので先住者のぴーすけとはご対面させずにぴーも寝ることになりました。翌日、ぴーを籠から出すと手に乗るどころか敬遠して近づこうともしません。昨日の今日では無理もないことなので私達も「時間を掛けて行くしかないね。」なんて話していたのですが、なによりも困ったことはぴーすけと対面したぴーはぴーすけに対して喧嘩を仕掛けます。もうこの位成長してしまうとどうしても喧嘩が起こってしまうのでしょうか。私達は仕方なく2羽を離して飼うことにしました。何日か経ってぴーすけに変化が起きました。ご飯をろくに食べず寝てばかりいるのです。明らかに具合が悪いと解かる状態です。ぴーは元気にしてはいますが、こちらも困ったもので、全く私達に慣れてくれません。そうこうしているうちに、ぴーすけの病状が益々悪化して行きます。ぴーには申し訳けないのですが私達はぴーすけの看病に専念する事にしました。近所のありとあらゆる病院へ電話を掛け鳥を診る事が出来るか聞きました。何件目かに診る事が出来る病院を探しだし、早速連れて行きましたが、先生のお話だと今の状態では手の施し様がないとのこと、仕方なく家に連れて帰りました。籠を暖め、さらに部屋までも暖めいつでも食事が出来るように部屋を明るくしその夜は寝ました。次の日もぴーすけの状態は相変らずです。私は仕事どころではなく、ぴーすけを連れてまた別の病院へ向かいました。その病院は鳥が診れないけど栄養補給は必要だからと言って注射器に栄養剤を入れて冷凍したものを下さいました。それを少しづづ溶かしてぴーすけに飲ませて下さいと言いました。早速帰ってぴーすけに飲ませるとぴーすけは飲むではありませんか!!あれほど何も受け付けなかったぴーすけがほんの少しですが飲んでいます。このままこの栄養剤でなんとか元気になってくれないかと祈りながら与えつづけました。夜私達は再びぴーすけを連れて前日の病院へ行きました。先生はぴーすけの病状を診て注射を打って見ましょうとおっしゃいました。私達はこんな小さな小鳥に注射!!と一瞬ためらいましたが、先生を信頼してお願いしました。ぴーすけは酸素吸入をして注射を打たれました。帰りの車の中、ぴーすけは少し元気が出たような気がしましたがこの元気さは私達に最後の力を振り絞ってお別れの挨拶をしていたのでと後に解かりました。ぴーすけはその夜、お★様になりました。ぴーすけの看病で益々敬遠するようになったぴーですが私達はもう手乗りにならなくてもいいから次の子を迎えることはせずぴーだけを可愛がって行こうと心に決めたのでした。

  第3章 ぴーちゃん手乗り道

ぴーすけの看病でぴーに気がなかなか回らず一人寂しい思いをさせてしまって申し訳けない気持ちと、このまま本当に慣れないままになってそまうのか、何がぴーに取って最善の方法なのか!と考え続けていてもしょうがないので兎に角ぴーの籠の扉を私達が家にいる間は開けておくことにしました。数日経ったある日、ぴーが籠から出て来ました。でも私達に近寄る気配はありません。しばらく経つと自分から籠へ戻りました。こんなことが繰り返し起こったある日、ぴーが傍までやって来ました。私達はもしここで手を出したりしたらきっとまた元に戻ってしまうと思い何食わぬ顔でぴーの様子を見る事に決めました。案外傍まで来ると簡単に肩にとまるようになりました。肩にとまればしめたもん!すこ〜しづつ首を傾けてぴーの体に触るようにしてみました。最初は緊張して体を細くしていましたが次第にその行動にも慣れ今度は手を近づけてみます。ん〜やっぱり手はちょっと怖い。ではぴーから手の方に近づくようにしようと言う事になり、まず肩にとまったらそのままにし次第に肩から腕へ降りられるようにしました。そろりそろりと降りて来ます。でも一斉に注目を浴びるとやはり怖い。何回か繰り返すうちにとうとう手に乗りました。こうなると早いものです。手は怖くないものとなり、籠から出ると手に乗るようなりました。今度は名前を覚えて貰わなくちゃと、籠の前を通るたびに「ぴーちゃん」と声をかけ、籠から出たら「ぴーちゃぁ〜ん!」と声を掛けて手を広げるとぴーは一目散に飛んでくるようになったのです。9年経った今でもぴーは何処にいようが私が声を掛けて手を広げると一目散に飛んで来ます。

    第4章 ぴーちゃん踏まれる

このぴーよりもうちょっと大きくなった頃、文鳥さんて後追いする子が多いのですが、ぴーもその一羽で人が歩く後や前を必ず歩きます。それが災いしてある日、実家で・・・・
私が帰宅すると必ず私はぴーはどうしてた?と聞くのですがその日に限ってちょっと間を置いてから母にぴーどうしてる?と聞くと、母は話をそらします。何度もぴーはと言っても話をそらすのです。変だな?と思い母を問い詰めると実はね・・・ぴーを外に出して遊ん
でいたらいきなり足を噛んでね。ビックリと痛かったから足を痛い!て言って振り下ろしたら下にぴーがいて踏んでしまったの・・・と言うではないですか!!慌ててぴーのところに行くとぴーは籠の中でじっとしています。父は母が踏んだ直後ぴーを慌てて手の中に入れ暖めたそうです。その時ぴーは手の中でじ〜としていてその後籠に戻ったと言うことでした。私はいてもたってもいられず、その時はまだBHのことも知らなくて近くの病院へ電話を入れどうしたら言いか訪ねると兎に角暖めてくださいとのことでした。ペットヒーターは持っていたのでヒーター&電気ストーブで保温しご飯をいつでも食べられるように電気を薄暗くつけてその夜寝ないで様子を見る事にしました。ぴーは止まり木に止まったままじ〜としています。夜が明けて来てもそのままです。朝になってようやくぴーも元気を取り戻しご飯を食べたり出してコールも始めました。だけどどうも不安で病院へ連れて行くと先生はキャリーからぴーを出さず観察しただけでご飯も食べてるし見た感じ元気にしているから大丈夫です。とのことでした。今だったらこんな診察だったら文句の一つも言ったでしょうがその当時はまだ昔のままの知識しかなくこれで良いのだと思っていたんです(^^;汗 それにしても無知の私と鳥さんを診ることが出来る?病院の診察でよくぴーが無事であったなぁ〜♪今思うとぴーの運の良さと生命力の強さに我ながら関心しています。(ぴーを踏んだ母はショックでしばらくぴーを外に出すことはなかったです。私が思うには実際にはぴーは踏まれてはいなかったと思います。ぴーはきっとビックリして失神したような状態になったのではと思います。)

  第5章 ぴーちゃん決死のダイブ

ぴーはどうしてもここから飛ぶことが出来ませんでした。それは私の実家の吹き抜けです。何回も何回も2階から1階に飛ぼうと試みるのですが1歩を踏み出すことが出来なくて柵のところから下を覗いては戻り覗いては戻りの日々が続きました。私もハラハラドキドキです。ぴーは鳥さんですから飛べなくはないのですがどういても怪我をしないかな?といらぬ心配をしてしまってました(笑)
ある日父の声が1階の居間から聞こえて来ました。ぴーは父の所に行きたい!でも行くにはここから飛ばなくてはと思ったのでしょう。しばらく行ったり来たりしかと思うと覚悟を決めて一気に居間まで飛んで行きました。私は「ぴーが行ったよ〜」と父に叫ぶとぴーは父のもとへ・・・私もすっ飛んで父のもとへ・・・その時のぴーの顔は自信に満ちた顔をしていました。それからはためらうこともなくこの吹き抜けを飛んでは1階にいる父や母の所へ・・・そのたびに私は「ぴーがいったよ〜」と叫んでいました。

  第6章 ぴーちゃん誉められる

ぴーが母とリビングで遊んでいた時、玄関でチャイムがなり人が入って来ました。その人は火災保険の集金の叔父さん!母は今行きます。と返事をしドアを開けると母より先にぴーが飛んで行きました。ぴーは母が台所へ行くと思ったのでしょう。一気に台所へ飛んで行ったのです。その姿を見た集金の叔父さんは母に向かって「今、何か飛んで行きましたよね?」母「あ〜ぴーね。文鳥なの」と答えるとぴーが母のもとへ飛んで来て、ちょこんと手に乗りました。もうそれを見た叔父さんは仰天です。そうですよね。鳥を飼ったことがない人が見れば驚き桃の木山椒の木ですよね(笑)その後ぴーはと言うとその叔父さんが集金を終え、ちょっと世間話を母としている間ず〜と母の手に乗り話を聞いていたのです。その時間30分弱!!叔父さんは帰り際、「賢い鳥ですね」と言って帰りました。私あったりまえだのクラッカー!!ぴーは賢いんだい!!スッゴイ親ばか(^^;

   第7章 ぴーちゃん始めての水浴び

ぴーが始めて水浴びをした時もうそれはそれは見ている私が思わず大笑いしちゃう程でした。その日はお天気も良く気温も水浴びをするにはもってこいの状況でした。そこで前から買っておいた小判形の容器に水をいれぴーの籠に入れてみると容器を怖がりもせず一直線に水の中へ・・・そして羽を広げてはバタバタと何度も繰り返しまだ若い羽はみるみるうちに濡れ、びしょびしょぴーの出来上がり(笑)でここまでは始めての水浴びなら普通ですよね。でもこの後ぴーの身にまさかと思うことが起こりました。濡れた羽では思うように飛ぶことが出来なかったのです。ぴーは止まり木に止まろうとしてジャンプしましたがとどかず仰向けにひっくりかえってしまたのです。その格好が笑っちゃ失礼だけど可笑しくて一部始終を見られたぴーは怒ったり乾かしたり恥ずかしかったり・・・体全体でその雰囲気をかもし出していました。この写真撮っておきたかった!!

 第8章 ぴーちゃんとななちゃん

ぴーより約2ヶ月遅れで我が家にやってきた今はなき「ななちゃん」
ななは近所のあまり良いペットショップとは言えないかなり有名なショップから迎えました。迎えた時あまりにも汚くぼっくんが私の知らないうちにお湯で洗ってしまい風邪を引かせその後羽からダニが出るという状況にも関わらず元気に育ってくれました。しかし今から約3年前に逃げてしまいました。四方八方手を尽くして探しましたがとうとう

見つかりませんでした。どこかで保護されて幸せに暮らしていてくれることを願っています。
ぴーとななは性格が正反対!まっ!文鳥とオカメですから反対と言うのもわかりますがそれにしてもぴーはちょこまか!ななはのんびり!何をするにもななはぴーにはかないません。籠から出てもぴーに「ぎゃるるる・・・」とされるとななは後ずさり決してぴーに向かっていくことはありませんでした。そうなればぴーは天下を取ったも同じやりたい放題してました。ぴーはうんちを教えて鳴く。ななはうんちを隠そうと後ずさり(^^;大汗 しかしある日なながいなくなってからぴーはしばらくの間ちょっとした音でも怯えるようになったのです。私が仕事から帰って来て籠から出すと私から離れないし籠に戻りたがらなくなってしまいました。のんびりぼーのななちゃんでしたがぴーにとっては大きな存在であったとその時改めて感じました。今では一人の状況にも慣れしっかりお留守番をしてくれるぴーがいます。「ななの分まで頑張るぞ〜」なんだよね♪

 第9章 ぴーちゃんの不思議1

どの文鳥さんの飼い主さんを聞いても怖いものの中に必ず「掃除機」が入っているのですが、ぴーの場合掃除機は怖いものではないようです。なぜなら、私が掃除機をかけても全く動じず、なんとあのガァガァ煩い中寝てしまうのです(^^;これには私も最初ビックリしました。始めは怖いよりも眠さの方が勝っていたからなのかな?と思ったのですがそうでもないようで、掃除機を掛ける度に眠るのです。ということはぴーにとって掃除機は子守唄!!ぴーご立派!こうでなきゃ辛い病気も治らないね(^O^)

 第10章 再確認

7歳を過ぎた頃から換羽になると、体調を崩すことが多くなった。それだけ体力を消耗するんだろうな!そんなある日、朝起きると目をつぶったままの状態で動こうとしない。慌てて保温し撒き餌をししばらく様子を見たが全く動かずじ〜としている。今日は会社を休んでぴーについていてあげる事に・・・ぴーの籠の傍に何時いたのかな?夕方近くなって徐々にだがぴーはご飯を食べるようになった一安心それでも元気がないので、何時もはお互いの部屋で眠るのだか、今日は久しぶりにぴーと一緒にリビングで寝る事にしたら、ぴーも安心したのか少しまたご飯を食べて眠りに付きました。次の日は昨日の状態が嘘のように回復!それでも心配なので、お昼頃に母に様子を見に行ってもらい異常のな事を確認。会社から一目散で帰って来て、ぴーの元気な様子を見てまたまた安心。そこで今夜はぴーはぴーの、私は私の部屋で寝る事にしたけど、ちょっと心配なのでお互いの扉は開けておく事に、その時、「ぴー何かあったらチュンチュン鳴いてね」って言うと、すかさずぴーは「チュンチュン!」私「ぴーそうだよ!その調子。じゃぁ〜お休み〜」と言ったのにぴーはまた「チュンチュン!」私「ぴーなに?」ぴー「・・・・・」あっ!寝たのね。しかし10分後!ぴー「チュンチュン!」私「ぴーどうしたの?」ぴー「・・・・・」あ〜〜!!ぴーは私がちゃんと起きてくれるか自分なりに確認していたのです。そんなに信用なかったのかな(笑)