「突風を静める」
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その日の夕方になって,イエスは、「向う岸に渡ろう」と弟子たちに言われた。36
そこで,弟子たちは群集を後に残し,イエスを舟に乗せたまま漕ぎ出した。ほかの舟も一緒であった。37
激しい突風が起こり,舟は波をかぶって,水浸しになるほどであった。38
しかし,イエスは艫の方で枕をして眠っておられた。弟子たちはイエスを起こして,「先生,わたしたちがおぼれてもかまわないのですか」と言った。39
イエスは起き上がって,風を叱り,湖に,「黙れ。静まれ」と言われた。すると風はやみ,すっかり凪になった。40
イエスは言われた。「なぜ怖がるのか。まだ信じないのか。」41
弟子たちは非常に恐れて,「いったい,この方はどなたなのだろう。風や湖さえも従うではないか」と互いに言った。「向う岸へ渡ろう。」主イエスは
,このとき初めて,弟子たち自身で行動することを求められた。静かなガリラヤ湖に
,突如あらわれるのが突風である。私たちの人生にもこの突風のような困難が起きることがある。そんなとき私共が失敗するのは,神を忘れて,自己の知識を過信することである。人生の突風の中で苦しみ
,遂に,すべてに見はなされる不安…そんなときにこそ自己をはなれて,まず,神との信頼関係にもどる。-- 一日の始まり、一日の終わり,神のみ前に,すべてをゆだねて,ゆったりと祈る。これを「根源的信頼」という。弟子たちは
,突風にあわてふためいたが、主イエスは,海に向かって「しずまれ。」と言われた。私たちの生きる力を
,奪ってしまうもの,嵐の様なものは,虚無の力であって,主イエスは,その「虚無」の根底にいて下さる。私共は,ここに信頼すべき救い主が居られるという確信を持って,日々,与えられた力を,発揮し乍ら歩むことが出来るのである。BGMは、Bachの「G線上のアリア」です。作品1068「管弦楽組曲第3番」第2曲<エール>の第一ヴァイオリンが奏でる旋律が単独で演奏されるものです。
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