10月20日 「主イエスの前に立つ瞬間」 マルコによる福音書
5章21-34節
「ヤイロの娘とイエスの服に触れる女」
21
イエスが船に乗って再び向こう岸に渡られると、大勢の群衆がそばに集まって来た。イエスは湖のほとりにおられた。22
会堂長の一人でヤイロという名の人が来て、イエスを見ると足もとにひれ伏して、23
しきりに願った。「わたしの幼い娘が死にそうです。どうか、おいでになって手を置いてやってください。そうすれば、娘は助かり、生きるでしょう。」24
そこで、イエスはヤイロと一緒に出かけて行かれた。大勢の群集も、イエスに従い、押し迫って来た。25
さて、ここに十二年間も出血の止まらない女がいた。26
多くの医者にかかって、ひどく苦しめられ、全財産を使い果たしても何の役にも立たず、ますます悪くなるだけであった。27
イエスのことを聞いて、群集の中に紛れ込み、後ろからイエスの服に触れた。28
「この方の服にでも触れれはいやしていただける」と思ったからである。29
すると、すぐ出血が全く止まって病気がいやされたことを体に感じた。30
イエスは、自分の内から力が出て行ったことに気づいて、群衆の中で振り返り、「わたしの服に触れたのはだれか」と言われた。31
そこで、弟子たちは言った。「群集があなたに押し迫っているのがお分かりでしょう。それなのに、『だれがわたしに触れたのか』とおっしゃるのですか。」32
しかし、イエスは、触れた者を見つけようと、辺りを見回しておられた。33
女は自分の身に起こったことを知って恐ろしくなり、震えながら進み出てひれ伏し、すべてをありのまま話した。34
イエスは言われた。「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。もうその病気にかからず、元気に暮らしなさい。」
主イエスがヤイロの娘を助けに行く途上、出血に悩む女が、大勢の群集に紛れ込み、イエスの服に触れて、病はいやされた。イエスは、これを感じとり救急の道にありながら、この女をさがされた。
女は、この病のため、すべての人から虐げられ差別されていて、さまざまの治療の末、最後のチャンスとの思いで、せめてもと、主の服に触れたのである。
主の前に出て、女は、恐れに震えながら、すべてをありのままに告げた。
「あなたの信仰があなたを救った。」この主のお言葉は、肉体のいやしだけでなく、これこそ、広く深い主の救いのお姿である。
私たちは礼拝のみ言葉によって、主のまなざしを新たにする。「安心してゆきなさい。」―――シャロームと。試練やたたかいの中にあっても、ゆるがない神のこのお言葉に出合うとき、私どもは、すべてを解放されて、新しい命を歩み続けることが出来る。
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