非暴力平和隊・日本(NPJ)ニューズレター 特集号

2008年7月25日

 NPは、624日、25日の2日間にわたり、ニューヨークで国連加盟諸国の主要国代表、国連関係職員、財団、基金関係者、NP活動支援者ならびに個人大口寄付者等に対して、NPの活動現況と非武装市民平和活動の重要性について報告と対話のイベントを開催しました。同時に、こうした活動に対する関係者への資金援助の要請を行いました。  

このイベントは、国連カナダ代表部のご理解とご支援によるもので、また、UNICEF、バングラデシュ・チョードリー大使(元国連事務次長)、ハーグ平和アピール・コーラ・ワイス女史などの協力を頂きました。

                                                                        

                                                                                                              UNICEFで報告するフィリピン・プロジェクト
                                                  ディレクター:アティフ・ハミード  

2日間のプログラムは次の通りでした;

 

日時

イベント

場所

6月24日昼間

国連カナダ政府代表部主催の

ブリーフィング

カナダ代表部

同上夕刻

主要資金提供者、国連関係者との

夕食会

キャンドル79レストラン(マンハッタン)

6月25日昼間

基金、財団関係者への

ブリーフィングと昼食会

ダニー・ケイ・ルーム

UNICEF)

同上夕刻

NP主催レセプション

同上

 

カナダ政府代表部でのブリーフィングには,EU、コスタリカ、イギリス、アメリカ、日本、カタール、ヨルダン各国の国連代表者、国連から平和維持活動局、政治局、人権問題調整事務所などの幹部など20余名が出席しました。日本からは星野公使が出席され、NP戦略関係ディレクターのデビッド・グラントが「非武装のPKO」を贈呈しました。

この席でNP事務局長のメル・ダンカンは、NPの活動に触れながら非武装の市民平和維持活動が、原則として現地パートナーと協力し、また、その他のNGOや国連機関と協調しながら政治的立場を取らないことを基本に実績を上げつつあること、NPが当面している最大の課題の一つが資金問題にあることを報告し、出席者の理解と支援を要請しました。

 

24日のイベントは昼、夜ともに“チャタム・ハウス・ルール(Chatham House Rule)”という規則が適用され、上記メル・ダンカンの報告以外の討論の内容は公表されません。

チャタム・ハウスとは、国際政治や外交政策の分野で英国を代表するシンクタンクが入居している建物で、ルールとは“政治家や高級官僚が自由に発言できるよう、ここでの発言内容は「オフレコ」”と定めたものだそうです。従って、当日の写真もありません。

 

25日の昼食会には、カーネギー、ロックフェラー、フォード、米国平和研究所などの財団、基金関係者が出席し、5月5日幕張メッセでの憲法9条世界会議のキーノート・スピーカーの一人、ハーグ平和アピールのコーラ・ワイス女史が司会を務めました。バングラデシュの元国連事務次長アンワル・チョードリー元大使が非武装市民平和維持活動の概況をプレゼンテーションし、NPのプロジェクトに対し説得力ある称賛と支持の発言がありました。
                 右記は、
非武装市民平和維持活動              に対し国連の支持を訴えるNP顧問ロルフ・カリエル

                                                   

 

          右記は、“保護的プレゼンス”、“市民保護             のためのフィールド戦略”の
                     著作者リアム・マホニー氏の報告

 

 

 

 

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25日の昼食会で、ベッツィ・クライツ(元グアテマラ・プロジェクト・ディレクター)は、1983年、ニカラグアでの非武装プレゼンスが暴力の抑止力になるとの体験から“平和の証人(Witness for Peace)”を 立ち上げ、10年間で3,000人のアメリカ人をニカラグアの戦闘地域に送り込んだこと、数値では表せないがプレゼンスが保護的な役割を果たし、内戦の力関係に影響を与え緊張緩和に役立ったと話しました。そして、NPの理念に共感し、2007年2月から1年間のグアテマラの緊急プロジェクトのボランテアを引き受け、無事任務を果たすことができたと報告しました。         

 

 

 

 

                                    −アティフとベッツィ・クライツ  

 6月25日のNP主催レセプションは、主にNGONPの支援者を対象とした報告会と懇親でした。NP戦略関係ディレクターのデビッド・グラントの司会で、メル・ダンカン、ロルフ・カリエル、リアム・マホニー、アティフ・ハミードによる簡潔なプレゼンテーションが行われました。

 

 

 

                                                                                                                         NPのトレーニング・マニュアルなどを説明する

                               NP戦略関係ディレクター:デビッド・グラントー

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NPは2007年、国連の経済社会理事会(ECOSOC)の協議団体の資格を申請し認可されました。国連の経済社会理事会は、総会、安全保障理事会と共に国連の6つの主要 機関の一つであります。経済、社会、文化、教育などの分野で、連携関係にある国際機関と共同で活動しています。それらの国際機関には,UNICEF,UNHRC(国連人権理事会),UNCHR(国連人権高等弁務官事務所)、UNDP(国連開発計画)などがあります。これらの機関とは、スリランカ・プロジェクトで諸機関の地域における活動を補完し或いは緊密な連携を保ちまた、資金援助を受けております。

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 NPの資金調達先の状況について説明します。

 NPの2008年度の活動規模は約3億円です。左記の図は資金源別割合の推移です。下から空色が個人の寄付、赤が基金・財団、黄色が国や国連等の公的資金です。個人、財団・基金が約70パーゼントを占めており、また米国依存型であります。公的資金は国連以外ではカナダ、ドイツ、スペイン等からの資金援助です。

NPは、米国の大統領選挙、米国景気低迷の影響等で昨年半ば頃より資金繰りが悪化しスタッフの削減や給与の減額などの対策を講じてきました。他方では世界各地からNPへの派遣要請はますます高まっており、資金調達が最大の課題であることに変わりありません。6月24,25日のニューヨークでのイベントも、こうした事情を考慮したものと思われます。

 NPJとしては、これらの事情を十分勘案し、少なくとも日本での非暴力平和活動を積極的に推進できる態勢に立ち上げていく必要を痛感いたします。

 

非武装のPKO―NGO非暴力平和隊の理念と活動 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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大橋 祐治 までご連絡ください。

 

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