11月24日 「永遠に続く神の生命」 マルコによる福音書6章14-29
「洗礼者ヨハネ、殺される」
14 イエスの名が知れ渡ったので、ヘロデ王の耳にも入った。人々は言っていた。「洗礼者ヨハネが死者の中から生き返ったのだ。だから、奇跡を行う力が彼に働いている。」
15 そのほかにも、「彼はエリヤだ」という人もいれば、「昔の預言者のような預言者だ」という人もいた。
16 ところが、ヘロデはこれを聞いて、「わたしが首をはねたあのヨハネが、生き返ったのだ」と言った。
17 実は、ヘロデは、自分の兄弟フィリポの妻ヘロデイアと結婚しており、そのことで人をやってヨハネを捕らえさせ、牢につないでいた。
18 ヨハネが、「自分の兄弟の妻と結婚することは、律法で許されていない」とヘロデに言ったからである。
19 そこで、ヘロデイアはヨハネを恨み、彼を殺そうと思っていたが、できないでいた。
20 なぜなら、ヘロデが、ヨハネは正しい聖なる人であることを知って、彼を恐れ、保護し、また、その教えを聞いて非常に当惑しながらも、なお喜んで耳を傾けていたからである。
21 ところが、良い機会が訪れた。ヘロデが、自分の誕生日の祝いに高官や将校、ガリラヤの有力者などを招いて宴会を催すと、
22 ヘロデイアの娘が入ってきて踊りをおどり、ヘロデとその客を喜ばせた。そこで、王は少女に、「欲しいものがあれば何でも言いなさい。お前にやろう」と言い、
23 更に、「お前が願うなら、この国の半分でもやろう」と固く誓ったのである。
24 少女が座を外して、母親に、「何を願いましょうか」と言うと、母親は、「洗礼者ヨハネの首を」と言った。
25 早速、少女は大急ぎで王のところに行き、「今すぐに洗礼者ヨハネの首を盆に載せて、いただきとうございます」と願った。
26 王は非常に心を痛めたが,誓ったことではあるし、また客の手前、少女の願いを退けたくなかった。
27 そこで、王は衛兵を遣わし、ヨハネの首を持ってくるようにと命じた。衛兵は出て行き、牢の中でヨハネの首をはね、
28 盆に載せて持って来て少女にわたし、少女はそれを母親に渡した。
29 ヨハネの弟子たちはこのことを聞き、やって来て、遺体を引き取り、墓に納めた。
この十四節以下には、過去に起きた罪の姿,ヘロデの残虐な行為を明白に示している。にもかかわらず、ここには、わたしたちのために必要不可欠な神のメッセージが示されている。ヘロデというと、その父親も又、残虐な歴史を残して、神の光を消そうとする悪の姿があった。
さて、冒頭のヘロデは、間違いに気付きながらも、結局は、自分の妻と娘の悪巧みに負けてしまって、自分の罪におののいていた。それとは逆に洗礼者ヨハネは,生き生きと輝く。ここで、権力者は、すべてて滅びよ、・・・・・というのではない。すべては神のみ手のうちにある、と確信することが出来る。私たちは、このヨハネの信仰に心を向けて、今も生き給う神を仰ぎたい。
ヨハネは、暗い世の中にキラリと光り輝く一滴のしずくとなって永遠に続くものを私たちに与えている。
私たちの小さな歩みでも神の歴史の道を開き得ると信じて、イエス・キリストにつながり、感謝とよろこびをもって歩みつづけたい。