7月29日 「不正な管理人」 ルカによる福音書16章1-13節
1
イエスは,弟子たちにも次のように言われた。「ある金持ちに一人の管理人がいた。この男が主人の財産を無駄使いしていると,告げ口をする者があった。2そこで,主人は彼を呼びつけて言った。『お前について聞いていることがあるが,どうなのか。会計の報告を出しなさい。もう管理を任せておくわけにはいかない。』
3管理人は考えた。『どうしようか。主人は私から管理の仕事を取り上げようとしている。土を掘る力もないし,物乞いをするのも恥ずかしい。
4そうだ。こうしよう。管理の仕事をやめさせられても,自分を家に向かえてくれるような者たちを作ればいいのだ。』
5そこで,管理人は主人に借りのある者を一人一人呼んで,まず最初の人に,『わたしの主人にいくら借りがあるのか』と言った。
6『油百バトス』と言うと,管理人は言った。『これがあなたの証文だ。急いで,腰を掛けて,五十バトスと書き直しなさい。』
7また別の人には,『あなたは,いくら借りがあるのか』と言った。『小麦百コロス』と言うと,管理人は言った。『これがあなたの証文だ。八十コロスと書き直しなさい。』
8主人は,この不正な管理人の抜け目のないやり方をほめた。この世の子らは,自分の仲間に対して,光の子らよりも賢くふるまっている。
9そこで,わたしは言っておくが,不正にまみれた富で友達を作りなさい。そうしておけば,金がなくなったとき,あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる。
10ごく小さな事に忠実な者は,大きな事にも忠実である。ごく小さな事に不忠実な者は,大きな事にも不忠実である。
11だから,不正にまみれた富について忠実でなければ,だれがあなたがたに本当に価値あるものを任せるだろうか。
12また,他人のものについて忠実でなければ,だれがあなたがたのものを与えてくれるだろうか。
13どんな召し使いも二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか,一方に親しんで他方を軽んじるか,どちらかである。あなた方は,神と富とに仕えることはできない。」
信仰とは目覚めて生きることである。ある主人が管理人の不正を知って,早速,彼をよび、決算報告を出すように命じた。
私たちの人生にも終わりがくる。私たちは,人生の刻々を,どのようにして生きているのか,なすべきは何か。
さて,不正な管理人は,主人に報告をしなければならない。この危機をどうすればよいのか,真剣に考えた末,主人に借りのあるものを一人一人呼んで,その借りを軽減してやった。
主人は,不正を見ぬいていながら,その決断を賞めた。不正によって友達を作った(金銭よりも人間関係を大切にした)からである。
神の愛は,むくいを求めない。ルカ福音書14章13節に示されているように,自由な愛,お返しを求めない愛である。
イエス・キリストの十字架の愛を見つめつつ,私たちも人生を,自由な愛をもって,神と,この世に仕えてゆきたい。
BGMは、BachのPreude and Fugue(前奏曲とフーガ)作品552番です。
この作品は、中谷易功が@niftyのFMIDICLA
というフォーラムで発表したMIDI作品です。
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