讃美歌74番 「涯しも知られぬ」
詩篇
19編に基づく英語讃美歌中の逸品である。詩篇
19編前半は創造の神への賛歌を次のように歌っている。2
.天は神の栄光を物語り 大空は御手の業を示す。3
.昼は昼に語り伝え 夜は夜に知識を送る。4
.話すことも、語ることもなく 声は聞こえなくとも5
.その響きは全地に その言葉は世界の果てに向かう。そして、ハイドンの「天地創造
-3部構成」は、創世記第一章の天地創造の物語に基づくものだが、その第1部の終曲の合唱が(合唱付き三重唱)上記の詩篇19編の1-5節を歌ったものであるところから、この歌詞の旋律に編曲して用いられた。作詞者
Joseph Addison(1672-1719)は、国教会教職の子としてオックスフォード卒業後、教会のために働くつもりでいたが、友人の勧めによって政治界に入り、種々の官職を歴任し影響力を発揮した。Joseph
Haydn(1732-1809)は交響曲の父と呼ばれ生涯に104曲の交響曲を作曲したが、オラトリオ「天地創造」はヘンデルの「メサイア」、メンデルスゾーンの「エリヤ」と共に3大オラトリオと言われる傑作である。「天地創造」は、1791年英国に渡ったとき、ヘンデルの「メサイヤ」を聞いて異常な感動を覚え、1794年、第二回目の訪英の時、オラトリオを書くことを決意した。そして「創世記」とミルトンの「失楽園」をテキストとし、1797年-98年に18ヶ月かかって「天地創造」と題する全34章にわたるオラトリオを書き上げた。この時、ハイドンは65歳であった。
背景のmidiは新たに作成しました。