■現在の“讃美歌”が最初に編集された1903年(明治36年)以来、日本で親しまれてきた讃美歌であるが、この歌に関する資料は殆ど無いし、英米の現代歌集には全く見当たらない。賛美歌486番「ものはかわり、世は移れど、」と同じ作詞家、作曲家のもので作品年代は1866年である。
Joseph Hillman, The Revivalist: A Choice Collection of Revival Hymns and Tunes (1872) に収録された。英語の歌詞名は“I will sing for Jesus”で、英語と日本語の対訳が分かり易いので、1節のみ次に示す。ほむべきかな I will sing for Jesus,
主のみめぐみ、 With His blood His bought me;
今日まで旅路を And all along my pilgrim way
守りたまえり。 His loving hand has brought me.
■聖書の引用箇所はイザヤ書25章1節であるが、明治36年編纂の讃美歌には「なんじの御名をほめたへん、汝さきに妙なる事をおこないたまひたればなり。」とある。共同訳聖書では「主よ、あなたは私の神、わたしはあなたをあがめ 御名に感謝をささげます。あなたは驚くべき計画を成就された 遠い昔からの揺るぎない真実をもって。」となっている。
■作詞者エレン・M・ゲイツ(Ellen M.Gates 1835-63)はコネテイカット州に生まれ、ニューヨークに移り住んだ長老派の信徒で伝道用、日曜学校用の聖歌を多く作ったが28歳の若さで没した。
■作曲のフィリプ・フィリプス(Philip Phillips 1834-95)は、歌唱学校(Singing School)の教師、楽譜出版事業を営み、ポピュラーな歌曲集を多く出版した。後に、全世界に賛美歌伝道に出かけ、アメリカでは一時、彼の曲はよく歌われた。“讃美歌”にある彼の他の曲は482番「なつかしくも うかぶおもい、」、494番「わが行くみち いついかに」など何れも日本でよく親しまれてきた讃美歌である。
■背景のmidiは新たに作成しました。
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