讃美歌514番 「よわきものよ」

■原作者Elvina MabelHallMayers1817-1887)はメソデイスト教会の牧師の妻であったが、ボルテイモアの教会の聖歌隊の席でこの歌詞を着想しメモに書きとめ,教会オルガニストのJohn Grape1835-1915)がこれに作曲したものといわれる。19世紀後半のMoodyによる信仰復興運動の波に乗って,ひろく英米に普及した。”I hear the Saviour say -主はのたまう-”で始まるため,これが日本の讃美歌の歌詞名になっているが,英語讃美歌では復唱(おりかえし)の”Jesus paid it all -主によりて あがなわる-”が歌詞名となっている。

■註:19世紀後半の米国では、キリスト教の改革運動(大覚醒運動-the Great Awakening-)のうねりの中で19世紀最大の説教家(evangelist preacher)と言われるDwight Lyman Moody1837-1899)が、聖歌歌手(gospel singerIra D. Sankey1840-1908)と組んで全米はもとより英国を始め大陸諸国を巡回伝道し多くの人々を信仰へと導いた。Gospel SongsHymns)のカテゴリーは,MoodySankeyの活躍によって確立されたもので米国讃美歌の第2期黄金時代を形成した。Gospel Songsの特徴としては、福音書の教えを強調した平易、簡素で反復的、庶民的、律動感ある旋律で愉しく歌い易い作品が多い。

 

背景のmidiは新たに作成しました。