讃美歌511番 「みゆるしあらずば」

■原作者Eliza H.Hamiltonについては、19世紀に生存したイギリスの婦人であることしか、わからない。アメリカにおいて現行の曲名”Stockton”の曲を配せられ、福音唱歌として用いられた。
Jesus,my Lord,to Thee I cry”の歌詞で始まるが、題名は(おりかえし)にある
”Take me as I am・・イエスきみよ、このままに、”である。

この曲John Hart Stockton1813-1877)が作曲したものだが、曲名が讃美歌にあるように”Stockton”であるかどうかは分からない。「讃美歌略解 曲の部」によると、メソデイスト派の牧師で、多くの福音唱歌を作詞作曲し、「この”Stockton”は、もと自作の”Come,every soul by sin oppressed”のために自ら作曲した曲であり、1873年、サンキ(Ira David Sankey)がムーデイ(Dwight Lyman Moody)と共に英国伝道に出かけた際、英国でさかんにうたったと伝えられている。イライザ・H.ハミルトンの歌詞と結びついたのは、いつか判らない…」とあるが、「もと自作の”Come,every soul by sin oppressed”のために自ら作曲した曲」は別の讃美歌”Only Trust Him”を指しているもので、ここにある旋律のことではない。(New Songs of Praise and Power:1-2-3 Combined,1922による。)

背景のmidiは新たに作成しました。

■註:19世紀後半の米国では、キリスト教の改革運動(大覚醒運動-the Great Awakening-)のうねりの中で19世紀最大の説教家(evangelist preacher)と言われるDwight Lyman Moody1837-1899)が、聖歌歌手(gospel singerIra D. Sankey1840-1908)と組んで全米はもとより英国を始め大陸諸国を巡回伝道し多くの人々を信仰へと導いた。Gospel SongsHymns)のカテゴリーは,MoodySankeyの活躍によって確立されたもので米国讃美歌の第2期黄金時代を形成した。Gospel Songsの特徴としては、福音書の教えを強調した平易、簡素で反復的、庶民的、律動感ある旋律で愉しく歌い易い作品が多い。

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