507番 「ふかきみむねを」
■讃美歌略解によると“19世紀後半はアメリカの福音唱歌全盛の時代で、日本の初期の讃美歌もその影響を多分に受けたが、特に『基督教聖歌集』には、その傾向が強かった。この歌などは、それが日本人の原作にまで如何に決定的な影響を与えたかを知らせる好個の例である”とあるので日本人の作詞と思われる。しかし、左上の欄の作詞欄に”Kirisutokyo Seikashu,1895”とあることについて少し説明を要する。
1895年(明治28年)Kirisutokyo Seikashu、即ち、この年に改正増補された「基督教聖歌集」の380番でこの旋律が紹介されましたが、この時の歌詞は「みちゆくともよ うまではげめ、」で始まるうたで「ふかきみむねを」の歌詞とは違います。従って、現在の讃美歌の「ふかきみむねを」は、その後、この旋律と組み合わされて現在の507番となったと思われます。
「みちゆくともよ うまではげめ、」は、作曲者が作詞した”Come,brethren,don't grow weary”を訳したものです。従って、1895年の「基督教聖歌集」では、作詞、作曲ともアメリカ人の
■作曲者
William Batchelder Bradbury(1816-1868)は、米国においてLowell Mason(1792-1872)についでポピュラーな賛美歌作曲家である。そして,賛美歌を中心とした無料の歌唱学校を作って子供の合唱の指導を行い、米国の公立学校(パブリック・スクール)での唱歌の授業を設ける一つの動機となり、又、米国における音楽学校の設立の機縁を作ったことでも有名である。若くして音楽の才に恵まれ,又、上述のLowell Masonというよき指導者にも恵まれ、讃美歌の作曲の分野だけに留まらず、讃美歌集の編集出版、ピアノの製造など音楽全般の分野で大きな貢献をなした。背景のmidiは新たに作成しました。
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