讃美歌448 「みめぐみを身にうくれば、」

 

■讃美歌332番、「主はいのちを あたえませり、」を作詞したフランセス・ハヴァガル(Frances Ridley Havergal 1836-79、英国人)の作詞である。「主はいのちを あたえませり、」は彼女がドイツを旅行した際、ヅュッセルドルフのギャラリーで有名なSternberg作の”Ecce Homo”「この人を見よ!」(鞭打ちを受け血を滲ませてピラトの前に立っているキリストを画いたもの)の前にたたずまい、絵画の添え書き「我、汝の為にこれをなせり、汝はわれの為に何をなしたるや? This have I done for thee;what has thou done for Me?」に感銘を受けて作詞したものである。

448番は1878年に「救い主への忠誠」と題して発表された歌で、若い信仰者を鼓舞する力を持っているところから、学生礼拝等に用いられ大いに効果を発揮した。フランセス・ハヴァガルは、19世紀イギリスの代表的聖歌詩人であった。讃美歌の作詞と作曲とに尽くした国教会の聖職を父に持ち、広い教養と稀な詩的天分に恵まれ、父の転任により各地を転々としながら宗教詩と讃美歌との創作に努めた。彼女の詩歌は献身と清潔とを主題とするものが多いため「清潔の詩人」と呼ばれる。

この曲は作曲者ステビンズがハヴァガルのこの歌詞のために作曲したものであり、日本では昭和6年版の『讃美歌』に収録されてから、特に青年層の間に愛唱されるようになった。

ジョージ・C・ステビンズ(George Cole Stebbins、1846-1945)は少年の頃、父の農園で働きつつ、唱歌学校で勉強し唱歌学校の教師になった。1869年頃、シカゴに移り、第一バプテスト教会の音楽指揮者となったが、そこで当時の福音唱歌の指導者達、フリップ・ブリスやアイラ・サンキと知り合った。28歳でボストンに移りバプテスト教会の音楽指揮者となるが、やがて大説教家ムーデイやサンキの影響により意を決して音楽伝道者(Singing Evangelist)となった。1900年頃には1年かけてインド、イタリア、パレスチナ、フランス、英国等に福音伝道活動を行った。

 

背景のmidiは新たに作成しました。

 

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