402番 「主のしもべの むつまじさは、」
歌詞は『基督教讃美歌』(1896)に収められたもので、日本人の創作であるが作者は不明である。
曲は、『讃美歌并(ならびに)楽譜』(1882)で「とめるかみに」および「主によりてぞ」(曲名
KENTUCKY)として収録されており、E.F. Hatfield, ed., The Church
Hymn Book (1872; 曲名は KENTUCKY (IOWA))
から採られたと推定される。「主によりてぞ」は『新撰讃美歌』(譜付き,
1889)に引き継がれた。明治版『讃美歌』(1896)においては、「主のしもべの むつましさは」に
Kentucky or Dennis、「かみによりて いつくしめる」に Holyrood
or Kentucky
とそれぞれ2曲が指定されている。昭和6年版『讃美歌』(1931)の「主のしもべの むつましさは」で曲は
Kentucky のみとなった。ジェレマイア・インガルズ(Jeremiah
Ingalls, 1764-1828)が、 DELAY として The Christian Harmony
(1805) に Charles Wesley の "Ah! whither shall I go"
の歌詞で収録した。現在のアメリカではほとんどの讃美歌集に見かけない曲であるが、さらにチェイピン(Aaron
Chapin)が編曲をしたという NINETY-THIRD PSALM (あるいは単に
NINETY-THIRD) のほうはシェイプ・ノート歌集の The Southern
Harmony (1835) と The Sacred Harp (1860)
などに含まれた(歌詞は Philip Doddridge の "Grace! 'tis a
charming sound")ので、いまだに歌われている。インガルズは
"Garden Hymn" (日本の「真白き富士の根」の原曲)の作曲者でもある。
背景のmidiは新たに作成しました。
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