讃美歌365番 「わが主イエスよ」

■大多数のドイツ聖歌集に収録されているドイツの秀歌である。

日本語翻訳では、「主よ、み意なさせたまえ」は、各節の最終行になっているが、原作(ドイツ語から英語に翻訳)では、各節の最初に”My Jesus, as Thou wilt!”である。マルコによる福音書14章36節イエスの「ゲッセマネの祈り」”アッバ、父よ、あなたは何でもおできになります。この杯をわたしから取のけてください。しかし、わたしが願うことではなく、御心に適うことが行われますように。”に基づいて作られたものである。

原作者Benjamin Schmolck1672-1737)はライプチッヒ大学卒業後、教会で牧会する傍ら、900編以上の讃美歌を作り「第2のゲルハルト」と呼ばれた。ゲルハルト(Paul Gerhardt 1607-76)はドイツ最大のコラール作家で、讃美歌136番「血しおしたたる」の作詞者(ラテン語からの翻訳 旋律はHans Leo Hassler 1564-1612)であるが、この歌は(血しおしたたる)バッハ特愛の歌であり”マタイ受難曲”のテーマ曲として重要な局面のふしぶしに活用されている。

この歌詞に配された曲は、ウエーバーの不朽のオペラ「魔弾の射手」の序曲中にあるホルンの四重奏から編曲されたものである。Karl Maria von Weber(1786-1826)は、ベートーベンと同時代のドイツ生れの作曲家で、ドイツロマン派オペラの創始者、近代オペラの元祖と言われる。ワグナーにも大きな影響を与えたと言われる。その生涯は、生まれながら身体に障害を持ち波瀾多いものであったが熱心なカトリック信者で寝室には十字架と聖人の画が掛けられていたと言う。

編曲は,Joseph Perry Holbrook(1822-1888 米国人)。ボストンの近郊で生まれ、讃美歌の作曲や編曲、或は歌曲集の出版に力を尽くした人である。爾来この曲は米国で普及し、日本でも明治以来ひろく愛唱されてきた。曲名 JEWETT は「小さなユダヤ人」の意であるが、その由来は不明である。この曲は AGATHA, WEBER などとも呼ばれる。

 

背景のmidiは新たに作成しました。