讃美歌361番 「主にありてぞ」
原作者
Henry Harbaugh(1817-67)はペンシルバニア州に生まれ、小青年時代を農夫、大工、学校教師として過ごし、1840年マーサーズバーグのカレッジに入学、3年後、マーサーズバーグ神学校に通い説教者としての資格を取った。その後、ドイツ改革派の聖職者となり各地の教会で牧した後1863年頃、マーサーズバーグ神学校の教授となり死にいたるまで在職した。彼は又雑誌“Guardian”と“Mercersburg Review”の主筆として、いわゆる「マーサーズバーグ神学」の普及に努めた。この歌は信者とキリストとの合一を主題としたもので、1850年に作られ“Hymns of the Church、1869”に掲載された。作者の神学的傾向を反映している。曲名“Trentham”はイングランド中部Staffordshire 州にある村の名前で、作曲者Robert Jackson(1842-1914)の生まれ故郷である。ジャクソンは
、ロンドンの王室音楽学校に入学し優秀な成績ゆえに銀メダルを獲って卒業した。卒業後暫くロンドンの聖マルコ教会のオルガニストを勤めたが、1869年父の死により、郷里オルダム(ランカシャー地域)に帰り,父の後を継いで、同市の聖ペテロ教会のオルガニスト兼聖歌隊長となった。その永眠まで45年間この地位にとどまったが、父も同じ地位に47年間あり、父子が継続して合計92年間も一つの教会のオルガニスト兼聖歌隊長を務めたということは、その例が少ない。ジャクスンは、オルダム音楽協会の指揮者をも兼ね、又オルガンの教師もして、多くの門弟を世に送った。作曲としては、アンセム、合唱曲、讃美歌、歌曲等多数が残っている。ここに収録した
Trenthamは,1894年に作曲され、ジャクスン自身の“Sacred Leaflets、1888”において公表された曲である。英国ではあまり普及しなかったが、米国においては、この曲を色々の歌詞に配して用いている。
背景のmidiは新たに作成しました。