讃美歌324番 「主イエスはすくいを」

■讃美歌曲としては、オルガニストの Henri Hemy (1818-1888、イングランド) が編纂した Easy Music for Church Choirs (1851) という英国のカトリック教会の聖歌集に "Hail, Queen of Heaven, the Ocean Star"(マリアへの讃歌)というJohn Lingard の詩に付けて初めて収録されたもので、その後、米国の The Church Hymnal (1872)、アングリカンの The English Hymnal (1906)(『讃美歌』と同じく "Jesu(s), my Lord, my God, my All" の歌詞)、プレスビテリアン派の The Hymnal (1911) などにも採用された。"Hail, Queen of Heaven, the Ocean Star" は今でももっともよく知られている歌詞で、カトリック教会などで歌われており、いくつかのCDに録音がある。なお、歌詞の "Jesus, my Lord, my God, my All" のほうも、この曲以外に ADORO TE (Joseph Barnby の曲) などと組み合わされることがある。ヘミーは『讃美歌』198番「父、御子、み霊の」の作曲者でもある。

■曲名の STELLA(「星」の意)は、ヘミーが "Hail, Queen of Heaven, the Ocean Star" から思いついたとされ、"Ave maris stella"(めでたし海の星)というマリア讃歌も知られている。また Stella は、この原曲である "Queen Mary"("Sweet Mary" とも) という遊び歌をヘミーが採録したイングランドのニューキャッスル近くの村の名前でもあった。"Queen Mary" はイギリス全土およびアイルランドやカナダなどに広まっている女の子たちの遊び歌で、版によっては旋律にかなりの異同がある(スコットランド民謡の“Bonny Dundee”も、一聴したところではよくわからないが、関連曲である)。

背景のmidiは新たに作成しました。

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