讃美歌第2編41番 「主はわがかいぬし」
■有名な詩篇第23編「主はわが牧者なり われ乏しきことあらじ・…」をほぼそのままに歌詞にしたものです。1650年の
Scottish Psalter (スコットランド詩編歌集)から採られた英語原歌詞は、ウィリアム・ウィッティンガム(William
Whittingham, 1524-79)
によるもので、後にイギリスのピューリタンの賛美歌作者フランシス・ラウス(Francis
Rous, 1579-1659) が手を加えて現在の形に整えました。
■作曲者については「諸説があり、複雑です」と『讃美歌21略解』にありますが、簡単に言いますと、最初は
David Grant (1833-93) 作曲説、次に Jessie Seymour Irvine (1836-87
スコットランド) 作曲説、最近では Grant
説が復活しつつあり、1988年に出版された研究論文以降は
Grant 作曲説にほぼ落ち着いているようです。
■曲名の CRIMONDについては、「作曲者」アーヴィンが最後に務めた教会の所在地であると、アーヴィン説では説明されていますが、この曲の初出は
William Carnie が編纂してスコットランドで出版された The
Northern Psalter and Hymn Tune Book [1872] で、 No. 109: CRIMOND (歌詞は
George W. Doane の "Thou art the Way, the Truth, the Life")
として収録されました。そこでの作曲者名は David Grantで、CRIMOND
はカーニーが採用した曲名ですから、ずっと後になってから「作曲者」として喧伝されたアーヴィンにゆかりの地名ではないと考えられます。
『讃美歌第二編』はちょうどアーヴィン説が高まっていた時期に出版されたので、「作曲者」とされています。
背景のmidiは新たに作成しました。
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